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June 29, 2005

多店舗化だけがすべてじゃない

 セレクトショップ大手、ユナイテッドアローズは、同名主力業態(UA)の出店店舗の上限を24店舗と決めている、とは本日の日経MJ。 同業態は、すでに23店舗、その原則を守るとすると、あと1店舗しか出店できないことになります。 
 そのココロは、むやみに出店せず、管理のゆきとどく範囲で、精度の高い仕事をし、在庫を圧縮しながら、売上利益を高めようという考え方に基づくもの。 同社のUA業態についていは、出店よりは、増床を含めて成長をはかろうとしているといいます。 もちろん他の業態開発に余念はないことは、誤解のないために付け加えておきますが。

 2ダースの法則、3ダースの法則という言葉があります。
マーケットを飽きさせず、希少価値を維持して、なおかつヒトの目の行き届く限界が約30店舗というのは、チェーンストアの経験に基づく原理原則。 2ダース=24店舗か3ダース=36店舗かは、その商品テイストや価格帯で決まるのでしょう。 

 一般的に30店舗を越えると、創業の魂を持った数人のヒトだけでは管理しきれなくなるので、標準化(ルールに従えば、ある程度の成果が出せる)のためのしくみづくり、教育が必須となります。 また、しくみにのっとったスタッフが完璧にできなくても、直接説教ができるわけではないので、目をつぶらざるを得ないことも出てくると思います。 セルフ販売ならまだしも、良質の顧客を相手にする高品質高額商品であった場合、ブランドイメージにもかかわります。 

 多店舗化、誰のための成長か? それに協力をする仕事をしているにもかかわらず、気に入ったお店が変わって行ってしまうのを何回も見ていて、複雑な思いがすることがあります。

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June 28, 2005

ツープライススーツの元祖、株式公開へ

 今や、19,000円、29,000円のツープライススーツ店は一般的になりましたが、その元祖、「ザ・スーパースーツストア」を展開するオンリーが7月8日大証ヘラクレスに株式公開します。

 もともとオーダー紳士服職人として名を上げた創業者、中西会長は、バーゲンセールで消費者に洋服の価値に対する不信感を抱かせるアパレル業界の既存の流通に疑問を感じて、開発した答え。それが、いつも安い同じ価格(ツープライス)であることで、バーゲンセールをしないお店だったわけです。

 同社は、このツープライスストア業態を開発する前に2つのSPA(製造小売)業態を展開しています。
一つ目は、「インヘル+エクスヘル」。イタリア素材・イタリア縫製の良質のスーツを直輸入・直販することで、低価格で消費者に提供しました。二つ目は、「19ショップ」。1900円均一のカジュアルウエアショップです。アパレルメーカーの仕入れと中国韓国からのオリジナル商品直輸入で実現していました。
「ザ・スーパースーツストア」は、この2つの業態で得たノウハウが結実した姿であったわけです。

 郊外型紳士服チェーンが40-50代の顧客を相手にしていたのに対し、都心SC型で顧客の80%が20-30代。 シンプルでわかりやすいビジネスモデルは急速に店舗を拡大。一時、「紳士服業界のユニクロ」ともいわれ、製造・流通合理化で、低価格でも粗利率は58%にもなります。
 話題にのぼり、紳士服チェーンにマークされ、大手が参入し、2002年くらいからは翳りを見せ、2003年に計上赤字。気の狂ったGMSは10,000円を切るスーツを販売するまでに至りました。
ところが、仕組みが伴わない企業はつぎつぎと撤退し、市場も落ち着き05年8月期は52店舗で、年商61億円、3億9千万円の計上利益を計上する予定とのことです。

 オンリーは、間違いなく、業界に一石を投じた会社の一社です。そして、創業者の技術、想い、しっかりした仮説に基づいたビジネスモデルと実践の積み重ね。 大手紳士服チェーンが包囲網を作った時は、ひやひやしましたが、市場が、消費者が答えを出すわけです。今後ともパイオニアとして繁栄していくことをお祈りいたします。

オンリーHP

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June 27, 2005

内製化でブランド磨く

 「アパレルメーカーでデザイナー・パタンナー新卒積極採用」とは、本日の日経MJから。
卸から、SPA(製造小売業)に進出し、好調なオンワード樫山、ワールドなど大手アパレルでこのような動きがでています。

 本来、アパレル製造の要(かなめ)であるデザインとパターン(型紙)。 洋服の先輩、ヨーロッパでは、極めて高い地位にいるこの職種も、日本では、実は、企業の固定費=人件費圧縮の問題、また、腕の良いフリーの経験者へ単発で出した方が安い、といろいろな理由で、長年アウトソーシングが進んでいました。

 ところが、大手アパレルの主戦場は、卸からショッピングセンターなどの直営店に移りました。卸ビジネスのシーズン対応という長いスパンよりも、小売の週間あるいは日々の対応という機動力のある対応が迫られているわけです。この変化に対し、内製化(アウトソーシングではなく自前でやる)を強めることで、独自性が高く、スピードと変化対応のしやすい体制でよいブランドを作ろうという機運が高まっていることが背景にある模様です。

 ファッションビジネスは、デザイン・素材感・着心地という感性的なものが、工業生産、しくみ、テクノロジーによって人の手を介して顧客の目の前に現れ、出会いの繰り返しによって、「ブランド」という形で昇華してゆくビジネスであると思います。そのファンクションのどれ一つを欠いてもブランドにはなりえないし、その精度がブランドの優劣を決めると言っても過言でないでしょう。それは、ルイ・ヴィトンのような頂点ブランドからしまむらのような低価格集荷型の専門店にまで言えることです。

 アパレルメーカーが小売に進出して、生活者の厳しい選択にさらされ、ようやく目先の利益だけでなく、ファッションビジネスに大事なものを育てるようになってきたのかな、と今後に期待をしております。


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June 26, 2005

ケイタイ電子決済に進路を取れ

 最近の電子マネーに関するサービスの進化のスピードは、ファッションリテーラーとて目を離す訳にはいかないと思います。
 
 ICチップをベースにしたエディ、スイカの利用件数の伸びは著しいものがあります。
エディで月間1000万件、47億円分に登る。スイカで300万件に達した、とは6月23日の日経新聞から。
カードだけではなく、両電子マネーのベースの技術となるフェリカの搭載で先行したDoCoMoに対し、au、ボーダフォンも来年にはスイカ搭載の機種を発売すると言うことです。 どうやら、エディかスイカか、どちらを選ぶか?という議論もあるようですが、携帯には両方搭載可能とのことで共存が可能。

 また三井住友に続き、東京三菱が携帯電話からの操作で銀行口座から携帯に現金を移すことができるサービスをスタートさせたとのことです。 これによりケイタイがATMになるわけですね。
現在、エディは5万円、スイカは2万円という決済金額の上限がありますが、携帯電話による決済が、始まり、規制が緩和されていけば、来年以降加速度的に増加することが、予想されます。
 
 また、ポイントやマイレージがエディとして使えるサービスを提供している企業も既に存在しています。
ポイントカードが企業を超えて交換され、携帯電話を媒介にして電子マネーという形で繋がり始める・・・

 現金・預金   ポイント・マイレージ
   ↓          ↓
  電子マネー(エディ・スイカ)
        ↓
      代金決済

TSUTAYA、マツモトキヨシ、ANA、楽天あたりはこれを見超して準備を進めて来たのだと思います。

 一連の動きの向こうに見えるもの・・・各社の企業の都合で作られたポイントカードで膨らんだ顧客の財布。 誰もが、分厚くなった財布を不快に感じているはずです。 このストレスを解消し、身軽な顧客最適を実現した企業が真の顧客囲い込みを実現し、勝ち組になるに違いないと感じます。

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June 24, 2005

ICタグで未来のお店

 23日付けの日経新聞一面から。
 この秋から、経済産業省の支援で、流通大手5社がICタグの実験を始めます。

 丸井は、お客さんが試着したい服をもって、フィッテイングルームに行くと、服のICタグ情報を読み取り、その服に似合うアクセサリーなどが、フィッテイングルーム内のモニターに表示される実験を行います。

 イオンは、ショッピングカートに画面がついており、ある売り場に行くと、その売り場の本日のおすすめ商品が画面に表示されます。

 三越は、ジーンズの在庫照会にICタグを活用するとのことです。

 正直、どれも、店舗および店舗スタッフの基本動作、接客によるコーディネート提案であったり、POPでアピールしなければならないことだったり、シューズやジーンズやシャツの在庫照会はICタグ以前の問題と、ちょっとうがった見方をしてしましました。
 それとも、それだけ大手流通企業は、販売管理費の人件費などの削減で、できなくなったことをICタグにやらせよう、と思っているのかもしれません。

 ICタグ、RFIDは、業界で非常に話題ですが、一方、アメリカ、ウォールマートが店舗の倉庫までのICタグの活用が肯定しながらも、店頭から顧客の手に渡るところに関しては、プライバシーの問題で、実験を中止にしたりしています。イタリア、ベネトンもプライバシー問題で、店頭ではICタグを使わない、と宣言しています。

 日本でも、ICタグの工場から店舗バックヤードまでの物流での活躍は約束されていますが、顧客とのインターフェイスの部分では、いろいろ問題があると思います。 コストの問題、POSデータすら活用されていないのに、高いお金をかけて活用できるのか、という問題、プライバシーの問題など。

 未来のお店はどんなお店なのでしょうか。

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June 23, 2005

トゥルーレリジョン~05年上期ヒット商品番付から

 昨日のサマンサタバサに続き、恒例ヒット番付からアメリカ西海岸のプレミアムデニムブランド、「トゥルーレリジョン(以後TRJ)」についてコメントします。

 日本でも、足が長く見えるジーンズとして、2000年ごろローライズブームを起こした米国アール・ジーンズやセブン・ジーンズから始まったアメリカプレミアムデニムブームは、昨年から今年にかけて、いわゆるセレブ・ブームとあいまって、アメリカ、日本で最高潮を迎えました。その頂点に位置づくのが、このTRJです。

 TRJは、02年にアメリカ、ロスアンジェルスで、夫婦デザインによるデニムブランドとして設立されました。 特注生地からハンドメイドの後加工までこだわった高級ジーンズ(日本で2万円台から3万円台が中心)で、ベッカム、ジェニファーロペス、マドンナなどのセレブが履いたことで有名になりました。アメリカでは、名だたる百貨店、高級専門店で販売されました。

 日本も、代理店はおりませんが、買い付けベースで、バーニーズ、伊勢丹などの百貨店が販売。股上が浅く、ゆったりめという、ストリートのファッショントレンドとも合って品薄状態が続き、インターネットでは、偽物まで出回るほどでした。
 今は、だいぶブームも落ち着いたようですが、ファッション業界では、今年上半期NO1の話題ブランドのひとつといってよいでしょう。

トゥルーレリジョンHP 

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June 22, 2005

サマンサタバサ~05年上期ヒット商品番付から

 本日の日経MJおよび日経新聞に恒例の上期ヒット商品番付が掲載されていたので、興味深く拝見しました。

 東の横綱は富裕層向けサービス、西の横綱は生鮮100円コンビニと経済の両極から始まっておりますが、前頭(まえがしら)ではありますが、ファッションブランドも東西にランクインしております。それは、「サマンサタバサ」と「トゥルーレリジョン」です。ともに「セレブ・ブーム」に乗って大ヒットしたブランドであることが共通点ですが、今日は、女性に人気のバッグブランド、サマンサタバサについて触れてみたいと思います。

 「Samantha Thavasa(サマンサタバサ)」は、サマンサタバサ、サマンサベガなどを展開するサマンサタバサジャパン社のバッグブランド。海外高級ブランド風のわりに、こなれた価格でこのヒットは納得だと思います。
 「サマンサタバサ」命名の由来は、アメリカの人気ドラマ「奥様は魔女」の奥様=サマンサと娘=タバサを合体させたとのことです。 設立は90年代ですが、人気が出始めたのは、02年くらいから、アメリカセレブ界のカリスマ、ヒルトン姉妹にデザインを依頼し、B系ミュージックのカリスマ、ビヨンセをモデルに使い始め、セレブブームの大波に見事に乗ったからだと思います。
 
 ジャパンという社名、セレブを使う仕掛け、商品テイストからインポートブランドだと思っていらっしゃるファンも多いのではないかと思いますが、実は、この会社は生粋の日本の会社です。
ファンが満足する上手なマーケティングが成功の秘訣なんですね。

 サマンサタバサジャパンHP

 明日は、トゥルーレリジョンについて書きます。

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June 21, 2005

復活なるか、トランスコンチネンツ

 本日の繊研新聞の一面に、SPA専門店トランスコンチネンツが、米国バーニーズニューヨークでTシャツ発売、という記事がありました。

 ご存知トランスコンチネンツ(以下TC)は、かつて東急百貨店グループのヨーロッパ系セレクトショップとして、セレクトショップブームの火付け役を果たした専門店。当時は、アメカジのビームスあたりと双璧で、ヨーロッパのにおいのするアパレル、雑貨が並び、さながら海外旅行を楽しんでいるような雰囲気の店であったと記憶しています。

 そんな、セレクトショップの雄も数年前に業績不振で身売りに出されました。まずは、ユニクロの元副社長さんが立ち上げた流通専門再生会社「キアコン」の手にゆだねられ、社長に抜擢された元BIGIでZARAの日本立ち上げで貢献された前出さんと、キアコンの幹部がMBO(経営陣による買収)、通販会社のシムリーの傘下に入り現在、役者を揃えてのブランド再生真っ只中とのことです。

 渋谷神南のお店を中心に拝見していますが、かつてのイメージを払拭し、いろいろなチャレンジをされています。今回は、セレクトショップというよりは、コレクションブランドとしてニューヨークを皮切りに欧米で販売し、世界同時発信的な仕掛けを図る模様です。 

 私個人的には、どうしても、あの航空機ロゴにインターナショナルなロマンを感じていたもので、そのブランドイメージが頭から離れないのですが、かつての著名ブランドを一から再生するチャレンジは、今後も業界に起こりうる話で、その事例として、動向を見守って行きたいと思っています。

トランスコンチネンツHP

【続報1】
08年7月13日の日経新聞によると、その後、トランスコンチネンツを子会社化したイマージュHDが、販売不振を理由に「トランスコンチネンツ」の清算を決め、21店舗ある店舗を8月中をメドにすべて閉店するとのことです。知名度はあるので、ライセンスビジネスなど、名の残し用はありそうなものですが・・・残念ですね。

【続報2】
08年12月16日の繊研新聞によるとポイントがトランスコンチネンツの事業継承を発表。09年2月に川崎ラゾーナ店を皮切りに新生トランスコンチをスタートするとのことです。

関連エントリー-ポイントがトランスコンチネンツの再生に着手


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June 19, 2005

「無印良品」中国進出と商標問題

 「無印良品」を展開する良品計画は7月1日上海市内に中国一号店をOPENすると発表しました。

 同社が初めて香港に進出したのは、1991年のこと、その後撤退、再進出を繰り返し、本土へようやく乗り込むことになります。 同社の本土進出が意外に遅かったのは、香港で苦戦を強いられただけでなく、中国で先に「無印良品」「MUJI」の商標を登録し、類似店舗を展開している香港企業の存在があったこともその理由の一つであったようです。 良品計画は、中国政府にこの香港企業の商標取り消しを申し立て、勝算を得ての踏み切りというところでしょう。
 
 かつて日本でも同じような問題がいくつかありました。ご存知「アバクロ」もこの問題に巻き込まれた一社です。
日本のある中小アパレルメーカーが、10年以上前に、アメリカで注目され始めたアバクロンビー&フィッチの商標が日本で登録されていないことを知り、勝手に登録してしまいました。日本の商標権のルールは、よっぽど世界的に有名な周知商標として認められない限り、「先願主義」というのがあり、要は、早い者勝ちなのです。 このアパレル会社は一部和製アバクロを企画製造広告宣伝していましたが(なんと、業界新聞の広告賞まで取っています)、日本進出を調査していた米国社と協議の上、権利返上したと聞いています。

 ファッションでもっともお金を生むのは知的財産であるブランド=商標です。ファッションブランドビジネスを始められる時は、まずは、商標権をきちっと調査、固めるところからスタートすることをお勧めします。どんな業界にもいるとは思いますが、金目当ての輩に邪魔をされないように、ぜひ商標権を大事にして欲しいと思います。


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June 18, 2005

ファッション業界へのクールビズの影響

 6月1日から官庁主導でクールビズ運動がはじまりました。
 2週間以上が経過して、ファッション業界の関連する動きをまとめてみたいと思います。

 ●百貨店、紳士服専門店は、各社でノーネクタイで衿のすわりのよいボタンダウンシャツなどの品揃えの
  充実を行い、シャツの売上は各社前年比10-20%伸びている模様です。
 ●関連して、上場シャツメーカー、CHOYAや山喜の株価がストップ高を記録
 ●ネクタイ協会は、大打撃を受けるとして、小泉首相にクールビズをやめてもらうよう、直訴をしよう、とまで
  言っています。
 これに対して、お客さんの反応は、
 ■サラリーマンが連れ立ってシャツをまとめ買いする光景が増えた
 ■クールビズとは言え、抵抗があったり、着こなしに不安があり、シャツを買いに来たが、結局、
  「清涼スーツ」を購入して帰るお客さんも少なくない。
 ■心配されていたネクタイの売上ですが、逆に父の日需要で好調、各百貨店軒並み前年売上を
  上回っている。

 結局、話題がサラリーマンのファッションにフォーカスされたことにより、全体がよくなった模様です。

 今年は、昨年の伊勢丹新宿店メンズ売場の成功、30代、40代向けメンズファッション誌の盛り上がりで
もともと、メンズアダルトファッションが期待されている年。また、メンズファッションの黎明期を作ったIVYファッションの師、石津謙介さん追悼の年でもあります。
 経済を牽引している我々も、ビジネスだけじゃなくて、やっぱり、格好もよくなきゃいけませんよね。 
 
 明日は、父の日、僕も2児の父、みんながんばりましょう!
 
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June 17, 2005

号外~お知らせ

 当ブログが、イーナチュラル社主催サイト「ビジネスブログ」の事例として取り上げられました。
 これからも応援よろしくお願いします。

 掲載サイトは>>>こちら
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June 16, 2005

スウェーデン企業の国際性

 先日、世界最大のホームファッション小売業、IKEA(イケア)が日本開業を発表しましたが、最近、読んだ小島健輔さんの本の中に、同じスウェーデン本社の世界的なファッションリテーラー、H&M(エッチアンドエム;へネス&モーリッツ)に関する章がありましたのでご紹介しておきましょう。

 H&Mは以前もブログで紹介した、ヨーロッパではZARAのライバル、アメリカではGAP、リミテッドグループの度肝を抜いたトレンドファッションを世界最低価格で販売するファッションSPAですが、その国際性にびっくりします。

 同社は、世界14カ国に店舗を持ち、国外売上シェアがなんと、90%。国外すべての国で、増収増益を続けているそうです。また、IKEAも31カ国に店舗を持ち、国外売上シェアは92%。
 世界から調達し、世界に売る、スウェーデン小売企業のこの発想とパワーはどこにあるのでしょうか?

 同国へは、デザイン系の仕事で3回程行ったことがあります。人口900万人に満たない北欧の国、ほとんどの国民が、スウェーデン語、英語を含む数カ国語を話し、永世中立国で軍隊を持たないため、教育と福祉に国家予算が使われているだけあって、冷静で、礼儀正しく、人を不快にさせない、お酒に強い?「大人な」国民性であったと記憶しています。
 小国ゆえ、国家と民族を超えて国際的に生き残らなければならないすべを歴史的に得たのではないか、と思います。
 
 小島さんの本にZARAとの比較があって面白かったのは、
 =SCMについて=
 ZARA・・・スペインの自社工場で50%を生産-直営店舗44カ国までの流れを自前で一括管理
 H&M・・・すべてアウトソーシング、21カ国900社で生産、但し、すべての国に事務所を置き、工場との連絡を
       「みつ」にしている。14カ国で展開。

 =マーケティング・業績について=
 ZARA・・・ラテンの国以外では苦戦。
 H&M・・・14カ国すべてのマーケットにあわせてマーチャンダイズをし、すべての国で成功。

人口は多い極東の小国も、スウェーデンから学ぶべきことがたくさんありそうです。 

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June 15, 2005

IKEA(イケア)日本開業決定

 本日の日経新聞によると世界最大のホームファッションストア、スウェーデンのIKEA(イケア)の2006年4月、日本開業が決定したそうです。

 IKEAは、北欧のスウェーデンの工業デザインの美しさを用い、北欧家具の重さとは逆にカジュアルで安価で品質の良い商品で世界的に人気なホームファッションSPA企業です。

 欧州、アメリカ、台湾、香港あたりでは、非常に人気で、海外滞在を経験した日本人には手軽で高感度でおなじみです(私もお世話になりました)。
 商品群は、無印良品、フランフラン、ニトリあたりを複合したイメージでしょうか。家具は自分で組み立てる組み立て家具が中心。「家具って一生ものだよね、重くて、しっかりしていないとダメ」という固定観念がないなら、日本で人気が出るのは請け合いです。
 
 日本では、一時、1970年代にアクタスと組んで進出しましたが、10年後に一旦撤退していました。今回は、独資で、上海に物流拠点を構え、満を持しての再進出になります。

 典型的な店舗は超大型で、家の一部屋くらいのブースがたくさんあり、一つ一つが部屋のファッション提案になっています。リビングになっていたり、寝室になっていたり、子供部屋になっていたりして、そんな、「進路」があるホームファッションの博物館を歩いて見ながら、お客さんたちは、自分たちの部屋をイメージするのです。博物館を見たあと、パーツ売り場で買い物ができるしくみです。
 アメリカ、台湾、香港でも同じ構造で、楽しく買い物をしましたが、仕事でスウェーデンに行った時見たストックホルム郊外の本店は圧巻でした。 世界最大のホームファッション博物館という表現がぴったりです。

 IKEA(イケア)は、またひとつ、日本の家具やホームファッションの概念を変えてくれる黒船になると期待しています。一号店は船橋のザウス跡地ですが、家の近くにもできてくれることを楽しみですね。

ホームファッション系HPリンク集
IKEA(イケア)
フランフラン
アクタス
ニトリ
シンプルスタイル

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June 14, 2005

ファッション業界の情報システム活用を考える

 昨日は業務であるファッション系のシステム会社さんを訪問しました。
話を聞いていて関心、共感したのは、同社は一般のシステム会社が開発・導入費で収入を得るのに対し、クライアントにシステムを「売りっぱなし」にするのではなく、クライアントユーザーがマーチャンダイザーとして、商人として、的確に情報の活用をするところまでフォローアップをし、年間利用料という形で収入を得ているところです。正直、ぱっと、聞くと結構高いな、と思いましたが、システム投資が無駄に終わる多くの事例を考えると、むしろ、安くあがるのかな、とも思いました。

 ファッション業界でも、もちろんPOSをはじめ、情報システムを導入している企業は多いですが、使いこなせている企業は非常に少ないです。そして、そういった方々の多くは、口をそろえて、POSは過去のことしかわからない、とか、品揃えされているもののことしかわからないから、あまり過剰期待しない、とおっしゃいます。

 ある大手GMSは、5年間で700億円の投資をして、あらゆる切り口で情報が取れるシステムを導入しており、「情報武装」を豪語しますが、一方、活用面ではこれからであることも認めています。

 一方、日本が誇る、CRM(顧客管理) FSP(ポイントカード)の活用先端企業、山梨県のスーパーオギノ。同社は、県内36店舗を展開し、県内の世帯件数以上という40万枚のポイントカードを発行し、売上に占めるポイントカード使用率は95%を誇る、購買分析に基づく顧客ロイヤリティーアップを実現していることで有名な会社です。
 同社は、膨大なデータを使いこなすには、「人の能力が最も重要」(荻野社長)と言い、ほぼ毎日従業員が交代で参加する「オギノビジネスアカデミー」を本部で開いてデータを使いこなす教育を施しています。

 今、ITの進化は人より早いかもしれません。顧客の立場に立って情報を活かせる人材育成、これが流通業界の永遠の課題です。

 ファッション系小売業の情報システムの活用に課題を感じている方
>>>こちら

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June 13, 2005

Tシャツは広告だ!

 先だって、東証マザーズ上場のインターネット広告会社アイシーエフ(icf)がアパレル企画製造会社のゼルスを子会社化、という報道がありました。

 ゼルス社は、ユニクロはじめ、企業コラボシリーズを仕掛けた企画系のアパレル会社。Tシャツのデザインに企業ロゴを採用することによって、商品が流通企業の店頭に並び、Tシャツを着た人が街中を歩くことが、新しい企業広告のひとつとして、2002年ころからビジネスモデルを構築。現在600社の企業と契約を結び、100組のクリエーターネットワークを抱え、ファッションに耐えうるデザインを施してプリントTシャツへ製品化を行っている企業の先駆者です。ちなみに同社はかつて、ファミリーマートの裏飯シリーズでも名を上げた異色のアパレル企業です。

 ファッション業界で通常このような企画をすると、企業側にライセンスロイヤリティ(商標使用料)を払うものですが、同社は、巨額の広告宣伝予算を持つ企業の、広告宣伝の選択肢のひとつとして、説得、企業側から広告収入を得るという逆転の発想をしたところが、同社の成功ロジックです。
 アイエフシー社はこのビジネスモデルの国際的な可能性に目をつけ、株式交換による子会社化を決断したとのこと。

 電車に乗っていても、気がついたらどこもかしこも広告だらけ、お店に並ぶ商品も、街を歩く人も広告媒体の対象になる時代。一方で、独自で情報を取捨選択するツールを模索する生活者。
 
 今後、巨額の企業広告宣伝費はどこに向かうのか?
 
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June 12, 2005

新たなステージでの再チャレンジに期待

 ここのところ、業界新聞で気になる記事の中に、かつて、有名ブランドやショップの成功に貢献された方々が、業界再編の流れの中で、他社資本をバックアップに新たなるチャレンジをされる事例があります。

 一つ目は、ワールド小売事業の原点であるOZOC(オゾック)のキーパーソンである、事業部長さんとディレクターだったデザイナーの田山淳朗氏(AT)が量販店向けアパレルから脱皮を図る大手レディースアパレル、クロスプラス(旧桜屋商事)の出資、買収を受け「ノーツ」という会社で再合体。
 
 二つ目は、セレクトショップ御三家のシップスの立役者であった元副社長さんが、レナウングループの出資を受けて、「ネクストエッジ」という会社で新しいセレクトショップのオープンを準備されています。

 ともに、業界のリーダー的な存在の方々が、成功されたご出身母体よりも、クオリティの高い路線にチャレンジされているとのことです。
 特に、二つ目の「ネクストエッジ」の関連記事によると、8月にOPENする京都店は、四条に100坪の古い家屋を借り切って改装中とのことで、何やらおもしろそうなことを仕掛けてくれそうで楽しみです。

 かつて、ビームス幹部の重松さんがワールドの出資を受けてユナイテッドアローズを設立された時のことも彷彿とされます。
 
 業界も同質化が進む中で、そういった方々が成功体験に埋もれることなく、独自の時代観・マーケット観を活かして、面白いチャレンジをしてくれれば、業界にとってもよい刺激になる、と今後を楽しみにしております。

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June 10, 2005

日本にはないクローズアウトマーケットとは

 アバクロの並行輸入の話の中にあった「クローズアウトマーケット」について少々述べておきましょう。

 アメリカでは、ポロラルフローレン、クイックシルバーなどといった超有名ブランドでも、シーズン中にブランドメーカー自身あるいは専門店からキャッシュフロー目的で専門業者に在庫処分が行われます。これらの商品をクローズアウト商品と言い、しっかりと流通マーケットが成立しています。これは、ブランドメーカーが直営しているアウトレットストアとは全く別の流れです。

 業者に売れれたクローズアウト品は、シーズン中にマーシャルズ、TJX、ROSSといったオフプライスストアチェーン(ブランド物を常に80%-20%OFFで販売している業態、アメリカ全土に多数あります。)に商品が並ぶケースと、海外マーケットに流されるものの2通りがあります。

 ポロ、ノーチカ、トミーフィルフィガー、クイックシルバー、ブルックスブラザースなどのアパレルブランドはオフプライスストアに流れているのを見受けますが、GAPやリミテッドやアバクロといったSPA企業は、主に、米国内に流すことを禁じ、中南米に流しているようです。
ルートは以下のとおりです。

 ブランドメーカー → 百貨店・専門店
     ↓         ↓
   クローズ ・ アウト業者
     ↓         ↓
 オフプライスストア 海外マーケット(中南米など)  

アバクロも中南米に流すことがありますが、この業者が日本向けの輸出業者などに横流しをし、日本に入ってくることがあるようですが、シーズン中に売り切れない商品ですから、デザインも売れ筋ではないのと、色サイズも偏っているはずです。

この流通システムは、合理的というのか、大雑把というのか、いつも、アメリカ的だな、と思ってしまいます。

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June 09, 2005

並行輸入品ってなに?

 前回の「アバクロ」日本進出の記事に関連して、「並行輸入品」てなに?という話題が持ち上がっています。
 
 並行輸入品とは、日本に正規代理店(日本支社含む)がいる場合に、

 海外ブランドメーカー→正規代理店、という「正規ルート」ではなく、

 海外ブランドメーカーが自国または、日本以外の他国に「正規品」として市場に流通させた商品を、店頭やディーラーから買い付け、日本に輸入された商品を言います。

 事例でいいますと、

 ①店頭(プロパー・アウトレット)で買い付け(個人買い含む)

 ②公式インターネット通販で購入

 ③正規ディーラーから横流ししてもらう(横流しをしたディーラーは、バレたら取引停止など罰せられますが、商品は本物) 

 ④ブランドメーカーが在庫処分のために納得づくで放出するクローズアウト品

 あたりが主なルートです。

 たまに聞く、生産工場が勝手に過剰生産をして、ブランドメーカーに内緒で販売する場合は、商品はまったく同じですが、「偽もの」です。

 また、「日本自主OOOO協会」に入会していれば安心とは言えません(笑)、自身の責任をもって確かめてください。

 さて、この「正規品=真正商品」と「偽もの」の違いは何でしょう。

 かつて、こういった問題に関し、弁護士、弁理士とともに判例に基づき、基準作りを行った経験から言いますと・・・

 一言で言えば、「ブランドメーカーが認めた品質基準・規格(数量含む)のもとに生産、流通された商品かどうか」です。

 基本的に流通されたルートは問いません(これは、ブランドメーカーと代理店の契約の問題)、むしろ、生産された時点が重要なわけです。

 この基準から言えば、ブランドメーカーが生産工場に対して、キャンセルをして、処分していいよ、という契約があれば別ですが、生産工場が横流しをすると儲かるからといって、勝手に多めに作って勝手に販売するのは、規格外として、「偽もの」にあたります。

 これは、10年近く前の業界では有名な話ですが、アバクロがまだ試行錯誤中の時、香港の工場にキャンセルした商品(アバクロ側が認めている模様なので正規品)が日本のGMSの店頭に並び、大騒ぎになったことがありました。

 このときはアバクロ側が至急撤去命令を出して収集。一方、最近の韓国製のアバクロは、工場の横流し品(商品は本物とまったく同じですが、アバクロがその生産を認めていないため、「偽もの」)も少なくないと聞いています。

 ネット通販、オークションも普及し、個人でも並行輸入品の本物か偽ものかの見分けも大変です。偽ものを作る人は、証明書も偽造します。
 
 ファッションで、友達から、おい、それパチもの(偽もの)じゃないか、といわれることほど恥ずかしいことはありません。

 基本的には、知識武装をした上で、買う側の自己責任で購入することをお勧めします。販売業者(小売)の方は特に、きちっと調査をして販売しないと、偽ものを作った連中と同罪になりますのでご注意を(判例あり)。

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June 07, 2005

「アバクロ」日本進出

 先週の繊研新聞、本日の日経新聞によると、アメリカのヤング向けカジュアルウエアSPA企業、アバクロンビー&フィッチ(通称アバクロ)が2007年をメドに日本に進出を決めたようです。

 業界では、数年前からいろいろな進出の噂はありましたが、どうやら独資での進出の模様です。

 アバクロは、アウトドアショップとして創業された後、1980年代にリミテッドグループに買収され、東海岸系ヤング向けトラディショナルカジュアルウエアのSPA(製造小売業)として磨かれ、その後、リミテッドグループからスピンアウトした優良企業です。

 ポロラルフローレンのような店内に、全米NO1と思われるVMD、店内音楽、店内の香り(ウッディなフレグランス)、ビンテージジーニングカジュアルで、高校生、大学生の心をつかみました。今や、全米に780店舗もあるそうで、中高校生狙いのホリスターカンパニーとキッズ狙いのアバクロンビーなどと複数業態で業績も絶好調です。

 この夏まで、日本でも、芸能人が着たり、並行輸入品がセレクトショップに出回り人気でした。しかし、この「並行輸入」も眉唾ですね。なんせ、アバクロはショップブランド。店頭買い付けだけで、こんなにマーケットに出回るのは不思議です(ユニクロやGAPが他のお店で売られているのと同じ事)。一部、中南米向けに出荷されたクローズアウト品という見方もできますが、韓国からの工場横流し品(偽者)も多いのでは、と懸念されます。

 それにしても、本格的大物SPAの日本上陸は楽しみです。

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June 06, 2005

セレクトショップもカイゼン中

 本日の日経MJファッション覧から。
 セレクトショップのユナイテッドアローズが、以前見学したトヨタ自動車の工場の「カイゼン」を見習って社内で経費節約運動を実施中とのこと。

 従来、一般的に経費削減というと、業績の厳しい会社が少しでも経費を浮かせて赤字を減らそうというイメージ。 また、業界には、「節約なんて、セコイことをしていてはファッション感度が鈍る?」という空気があって、カラーコピーをタダかのように、バンバン取るのが、業界の現実の姿だったかもしれません。

 同社は、ご存知のように、好業績の勝ち組企業。今は良くても、今のうちから無駄な経費を削って商品企画や店舗開発など、ショップとして大切な部分に集中的な経営資源を振り向けたい。また、「恒常的なコスト削減を企業風土として根付かせることが目的」と、危機感があるところが、また、伸びる企業の要素なのかもしれません。
 
 ちなみに、同社は、ダンボールのガムテープの8箇所止めを6箇所止めに変更して、年間50万円の節約、商品を良く見せる特殊な蛍光灯といわれていたを普通の蛍光灯に変更して、ライトアップ効果はまったく変わらず、年間250万円の節約を実現。 コピーやファックス機には、すべて、1枚あたりのコストが表示してあって、使う人の意識改革をしようとしており、年間5000万円の販売管理費圧縮が目標だそうです。
 
 社内のアイデア公募も早速200件あったそうで、ぞくぞくと採用が効果を出し始めているとのこと。
改善提案を次々にマニュアル化することでは、しまむらが有名ですが、いずれも現場のアイデアどんどんくみ上げ、会社あげて取り組むことが、成功、継続の秘訣ではないか、と思います。

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June 05, 2005

建築家がデザインするネットセレクトショップ ゾゾタウン

 ファッションのインターネット通販というと、ここのところZOZO TOWN(ゾゾタウン)が注目を浴びています。
プロの建築士たちが集い、他にはない、魅せるサイトを作ろうと、2000年に独自のセレクトショップサイトとして、立ち上げたのが始まり。昨年2004年冬には、ショッピングモール(ポータルサイト)として、デビロックやGDCといった有名裏原宿・代官山系ブランドショップや、ユナイテッド・アローズやナノ・ユニバースといった大手セレクトショップの出店を実現し、販売を始めてパワーアップしました。

 このサイトの売りは、建築士が本格的に設計した店舗内装と商品の見せ方がかっこいい、という評判。
サイトを訪問すると、オープンモール形式で、さすがデザインの美しさと精巧さで、歩きながらショッピングをしている気分になれるサイトです。現在のモール来客数がリアルタイムで表示されるのも芸が細かいですね。

ZOZO TOWN サイト

また、スタッフは、業界経験者ではなく、それらのブランドが大好きだった消費者を採用する方針で、ユーザーの目線で、買いつけや顧客対応を行っているところも、商品セレクトの精度、高い買い上げ率を実現している秘訣ではないでしょうか。
 
 売上は年商20億円に迫り、38ショップ、382ブランドを販売。そんな特徴と説得で、もともと通販はやらない、としてたブランド、ショップも、ZOZO TOWNになら任せてもいい、と出店するケースもあるようです。入荷商品は、60日以内で9割が売り切れるというから脅威です。

 最近、マンネリ化した業界の目線ではなく、こんな、違った業界から消費者の目線で表現したファッションインターネットショッピングサイトが次々にできると楽しい、と思います。次は、フォトグラファーの方々に期待したいところです。


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June 02, 2005

クールビズは定着するか?

 6月1日から官庁を中心にクールビズなるノーネクタイ、ノー上着ファッションの奨励が始まったようです。

 環境を配慮して、エアコンの温度設定を28度にするため、ネクタイをはずせば体感温度が2度下がる、という検証から、このような話になったそうで、9月末まで続くそうです。

 経済効果は1000億?と言われており、百貨店、紳士服専門店あたりに特需がありそうだと、期待し、ネクタイをしなくても襟のすわりがかっこいいシャツやネクタイ代わりのポケットチーフの品揃えを厚くしているそうです。

 かつて、半袖の省エネスーツはお笑いにしても、カジュアルフライデーがあまり定着しなかったのを見ると、どうなるのでしょう。
 なんせ、年配の方が、ライブドアの堀江さんの嫌いな理由NO1が服装、ネクタイをしないところだったそうですから、ネクタイ好きの日本の保守的ビジネスマンを相手に経済効果1000億は、程遠いのでは、と思います。

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June 01, 2005

渋谷109を全国に

 昨日に引き続きマルキューの話です。
 日経、繊研新聞によると、渋谷109を運営する東急商業開発は、同社の有力テナントを組織して、地方大都市のSCに出店する「109ドリームス」というプロジェクトをスタートするようです。
 内容は、東急が、大型商業施設に300―500坪を借りあげ、渋谷で月商 2000-3000万円を売り上げるベスト30のテナントから、15-25店舗を選抜し、転貸テナントとして入ってもらい、施設を活性化しよう、というものです。
 
 テナントが単独で地方SCに出ているケースは多く見られますが、109が音頭を取るのは、テナント単独の力ではなく、109のブランド力と世界観での集客を狙ったもの。ここのところ、地方の駅ビルの低迷や、大型SCのテナントの同質化が問題になっており、109ならではの面白いプロジェクトではないか、と思います。

 このように、広い区画を一手に借り上げ、多くのテナントを入れる方式は、主旨は違いますが、ワールドがフラクサスという業態で先行しています。まずまずの成果を出しているようです。ワールドの場合は、そこで実験した業態を見込みがあれば、単独でスピンアウトさせるインキュベーター(孵卵器)機能であったり、顧客に対するファイナルディスティネーション(そこへ行けば必ず欲しいものがある)政策の一環であったりするようです。

 ただ、そういった力のある大手企業の企画もいいのですが、デベロッパーがSCはどんどん作るが、埋めるのに困る、同質化してしまう、というようでは、本末転倒ではないかと思いますが。

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