並行輸入品ってなに?
前回の「アバクロ」日本進出の記事に関連して、「並行輸入品」てなに?という話題が持ち上がっています。
並行輸入品とは、日本に正規代理店(日本支社含む)がいる場合に、
海外ブランドメーカー→正規代理店、という「正規ルート」ではなく、
海外ブランドメーカーが自国または、日本以外の他国に「正規品」として市場に流通させた商品を、店頭やディーラーから買い付け、日本に輸入された商品を言います。
事例でいいますと、
①店頭(プロパー・アウトレット)で買い付け(個人買い含む)
②公式インターネット通販で購入
③正規ディーラーから横流ししてもらう(横流しをしたディーラーは、バレたら取引停止など罰せられますが、商品は本物)
④ブランドメーカーが在庫処分のために納得づくで放出するクローズアウト品
あたりが主なルートです。
たまに聞く、生産工場が勝手に過剰生産をして、ブランドメーカーに内緒で販売する場合は、商品はまったく同じですが、「偽もの」です。
また、「日本自主OOOO協会」に入会していれば安心とは言えません(笑)、自身の責任をもって確かめてください。
さて、この「正規品=真正商品」と「偽もの」の違いは何でしょう。
かつて、こういった問題に関し、弁護士、弁理士とともに判例に基づき、基準作りを行った経験から言いますと・・・
一言で言えば、「ブランドメーカーが認めた品質基準・規格(数量含む)のもとに生産、流通された商品かどうか」です。
基本的に流通されたルートは問いません(これは、ブランドメーカーと代理店の契約の問題)、むしろ、生産された時点が重要なわけです。
この基準から言えば、ブランドメーカーが生産工場に対して、キャンセルをして、処分していいよ、という契約があれば別ですが、生産工場が横流しをすると儲かるからといって、勝手に多めに作って勝手に販売するのは、規格外として、「偽もの」にあたります。
これは、10年近く前の業界では有名な話ですが、アバクロがまだ試行錯誤中の時、香港の工場にキャンセルした商品(アバクロ側が認めている模様なので正規品)が日本のGMSの店頭に並び、大騒ぎになったことがありました。
このときはアバクロ側が至急撤去命令を出して収集。一方、最近の韓国製のアバクロは、工場の横流し品(商品は本物とまったく同じですが、アバクロがその生産を認めていないため、「偽もの」)も少なくないと聞いています。
ネット通販、オークションも普及し、個人でも並行輸入品の本物か偽ものかの見分けも大変です。偽ものを作る人は、証明書も偽造します。
ファッションで、友達から、おい、それパチもの(偽もの)じゃないか、といわれることほど恥ずかしいことはありません。
基本的には、知識武装をした上で、買う側の自己責任で購入することをお勧めします。販売業者(小売)の方は特に、きちっと調査をして販売しないと、偽ものを作った連中と同罪になりますのでご注意を(判例あり)。
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