中国人民元切り上げと日本のファッションビジネス
先週、中国の通貨人民元が2%切り上げられました。同時に人民元は一定の範囲内で複数の外国通貨とのバランスをもって相場が決まる通貨バスケット方式が採用されました(事実上の変動為替相場制への以降)。
中国政府は、国際的に人民元過小評価是正のための通貨改革を迫られており、突然の発表、同日実施ではありましたが、週末の経済界、ファッション業界への新聞社インタビューによると「想定の範囲内」とする声が多かった模様です。
日本のファッション業界への影響というと、まず、単純に中国で生産された商品の輸入コストが上がることになります。ただし、2%程度であれば、製造・輸入メーカー商社側が企業努力で吸収し、小売価格へは転嫁しないでしょうから、一般生活者への影響は軽微です。日本経済界の識者、トヨタ会長の奥田さんは、影響が出るのは、2ケタ(=10%以上)の切り上げを行った時であろう、とおっしゃっているようです。
また、今後も中国が人民元の切り上げを行う可能性がありますが、だからといって、ベトナムやインドへ、生産地を分散させることができるか、というとファッションについては、なかなか難しい面が多いと思います。
私自身も両方の国での生産経験がありますが、ベトナムは、クオリティは高いですが、原料があまりないので、多くの原材料は国外からの持込が中心となります。インドは、綿素材を中心に原料は豊富ですが、まだまだクオリティに課題がありますし、産地は不測の事態?が多いです。そして、ともに、生産と輸送に時間がかかることがネックになります。
計画生産をする、ドレスシャツやユニフォームはいいかと思いますが、8週間が寿命といわれるファッション商品では、そういった国へのシフトには課題が多いと思われます。
ファッションは鮮度が命。コストだけでなく、商品価値、スピードのポートフォリオを考え、流通を含めた企業努力をしながら、中国を中心とした近隣諸国と上手に付き合っていかなければならないのは間違いありません。
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