ファッション商品の内外価格差、1.4倍は妥当?
前にもブログで紹介したツープライススーツのSPA、「ザ・スーパースーツストア」を主業態とする「オンリー」が昨日大証ヘラクレスに上場し、公募の倍の初値をつけたとのことです。
本日の繊研新聞によると、同社は、この秋から三井物産と組んで、イタリアの老舗紳士服専門チェーン「BOGGI MILANO(ボッジ・ミラノ)」の日本での展開をスターとさせます。
「BOGGI MILANO」は数年前、商用でミラノに行った際にも訪店した経験が、紳士のための格式高いイタリアントラディショナルのショップでありながら、イタリアンコレクションブランドに比べると買い易い、HUGO BOSSくらいの価格帯のお店であったと記憶しています。
オンリーは、このBOGGIのイタリア製スーツを内外価格差1.4倍に抑え、十万円以内で販売することを考えています。
海外旅行でブランドのショッピングを経験した人は誰もが経験していることだと思いますが、海外ブランドが日本で販売されている価格は現地に比べて高い!です。2.5倍くらいが一般的ではないかと思います。この2.5倍と、1.4倍の違いはどこにあるのでしょうか? もちろん、中間業者の介在数によります。
あくまでもファッション流通の一般論ですが、具体的にいうと、以下の通りです。
海外ブランドの卸値は、現地小売価格=1に対して、0.5。
海外卸値0.5 x 輸出業者の手数料1.1 x 輸入経費1.3 x 輸入・卸業者の利益1.75 x 小売業者の利益2≒2.5 となるわけです。
これに対し、オンリーの場合のように日本の小売業が商社だけを介して輸入して販売した場合、
海外卸値0.5 x 輸入経費1.3 x 輸入商社の手数料1.1 x 小売業者の利益 2 ≒1.4 になります。
今や、この内外価格差の圧縮は、海外ブランドの日本マーケットでの成功の一つのポイントとなっています。
海外ブランドでいうと、メーカーであるナイキはアジアの工場から直接日本に商品を持ち込むことによって(業界では、ドロップ・シップメントといいます)内外価格差を解消し、世界統一価格を実現しています。
GAPは、やはり、ドロップ・シップメントを行い、最近は価格を見直し、1.4倍程度に抑え、プロパーの売上も伸ばしているとのこと。 ZARAはスペインからの空輸と高経費ではありますが、やはりこの1.4倍以内を意識しているようです。
今後、日本に上陸する海外企業、ブランドは、是非、世界統一価格を実現していただきたいところですが、輸入関税(アパレルで10%前後)もありますし、家賃部分が、日本ではアメリカなどにくらべて2倍から3倍しますので、「1.4倍以内」というのが今のところ妥当なところではないか、と思われます。
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Comments
TBさせていただきました。
御報告遅れて失礼致しました。
Boggiで買った服は金曜日に出来あがる見込み。
今から楽しみです♪
Posted by: fumbaba | November 08, 2005 12:46 PM
fumbabaさん
コメントどーもです。
あたらしい服を選ぶこと、買うこと、着ることはほんとにワクワクするものです。そして、そんなワクワクを演出すること・・・やめられません。
金曜日楽しみですね。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | November 09, 2005 02:52 AM