アディダス、リーボック買収で、どうなる世界2大ブランド対決。
本日の日経新聞によると、スポーツ業界世界2位のアディダス・サロモン社は、業界3位のリーボック社を4200億円で買収することで合意したとのことです。これが実現すれば、アディダスは、1兆2500億円の売上規模となり、首位ナイキの年商1兆3700億円に迫ることとなります。
この記事を読んでいて、スポーツシューズ大手2社の軌跡や戦略をちょっと「紐解いて」みたくなりました。
まず、1924年設立の歴史を持つアディダスは、ドイツの靴職人のアディ・ダスラーさんが立ち上げたシューズブランドで、オリンピックやサッカーワールドカップを舞台に知名度を上げ、成長しました。余談ですが、やはりスポーツシューズ大手のプーマは、このアディ・ダスラーさんのお兄さんがはじめたブランドです。1978年の創始者の死後、90年に買収され、以後、複数の経営者のもと、資本の理論で買収・売却・拡大をしてきた印象を受けます。
一方、1964年設立、オレゴン大学の陸上部コーチ、ビルバウワーマンと教え子フィルナイトが、アメリカでアスリート用シューズとして、独壇場だったアディダスを駆逐しようと会社を設立し、日本のオニツカタイガーを輸入し販売するところからビジネスをスタートしています。その後、自分たちの商品を開発したい、ということで、ナイキブランドが誕生するわけです。アディダスとの特徴の違いは、創業者自身がアスリートであったこと、オリンピックやワールドカップのチームと提携するというよりは、マイケルジョーダンやジョンマッケンローなど、個人の金の卵に目をつけ、その成長をサポートするというマーケティングに特徴があります。
90年代後半から2000年の初頭の日本のスニーカーブームのころ、シューズバイヤーをしていた。当時、ナイキがエアフォース1、ダンク、エアー・ジョーダン、エアープレストなど市場供給量を上手にコントロールして、希少性で仕掛けたのに対し、アディダスは人気モデルを大量にマーケットに放出し、飽和、値崩れを起こし、マーケット戦略の明暗を分けたのを覚えています。
また、アディダスは、ステラマッカートニー、ヨージヤマモトなどコレクションデザイナーともコラボレーションを展開し、ファッション性も打ちだすことで話題になりました。買収先のリーボックも最近アメリカではカリスマヒップホップアーチストとのタイアップで人気を呼んでいる模様です。
これに対し、ナイキは、あくまでもアスリートのためのブランドであること、契約中のプロ・アスリートとともに成長しよう、という姿勢、マーケティングのセンスのよさに関心します。
印象は・・・
ナイキ-今でも息づく創業スピリット、マーケティングの妙味
アディダス-資本主義マーケット戦略・多角化戦略
アディダスは更なる買収で売上規模でナイキを越すことは可能でしょう。しかしながら、企業スピリットやマーケティングは今のところ、ナイキの方が一枚上手であると思わざるをえません。ナイキはなるべくして世界一になったスポーツブランドであるとあらためて感じました。
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