来年完成するという「ウォールマート式」とは
西友に資本参加しているウォールマートが来年より「ウォールマート」の屋号での新規出店(主にスーパーセンター)をスタートするそうです。この1週間の西友ウォールマート関係の新聞記事を追ってみました。
1. 5ヵ年計画で既存店200店舗の改装をするそうです。
2. 現状50%になった24時間営業の店舗は、平均7%程度増収効果があるそうですが、更に広げるとのこと。
3. イギリスでウォールマートが買収したディスカウントストア、ASDA(アズダ)で成功した低価格アパレルPB(プライベートブランド)「ジョージ」の日本規格商品の販売をスタートするとのこと。
4. 店舗スタッフが入出荷・在庫管理・発注などの商品管理を行う情報システム「スマートリンク」、店舗での売上情報を取引先と共有するシステム「リテールリンク」を本格化させ、自動発注システムを稼動させるとのこと。
5. 関東圏の半分を受け持つ物流センターを三郷に新設し、その後、残り半分を担う府中のセンターも着工するとのこと。
やはり、今年までは様子見で、来年から本格的に攻めて来るな、と感じています。
24時間営業は図体が大きいわりに、7%程度の増収で採算が合うのか正直疑問があります。アパレルPBもちょっと懐疑的ですね。GMSは、「客層に素直に応え」、まずは、ナショナルブランドやメーカー企画との取り組みが王道ではないかと思うところがあります。アパレルPB(粗利50%以上)が食品・日用品(粗利25%程度)より粗利が取りやすいのはわかりますが・・・では、とにかく定番「安パイ」ではなく「お客さんを見て」客層に合う売れ筋を積極的に追いかけるべきですね。
4.5のインフラ整備はお客さんに見えない部分ですが、非常に大事な話です。GMSは規模が大きい割りに、意外と各店が各自に発注をして本部でまとめて仕入先に発注しているケースが少なくないらしく、これからは店舗の負担を減らずべく、多くの商品を自動発注にするそうです。
自動発注とは、簡単にいうと、コンピュータが、ある商品が1点売れたら、自動的に1点メーカーに補充発注し、余分な在庫を持たずに、一方、極力売れ逃しを削減するというしくみで、トヨタの生産システムにあやかって、ジャストインタイム=カンバン方式とも言われます。在庫を減らし、売上を上げる科学です。
情報システム化で効率を出している一般のアパレル専門店チェーンですと、ボトム、ソックス、アンダーウエア、服飾小物などシーズン定番や強化商品を中心に半分近くが自動発注にされていると思います。しまむらのような多品種小ロットで有名な会社でもローコストオペレーションを実現するために、60%を自動発注にして、店舗の作業を軽減して、スタッフが出来るだけ接客販売や、目の離せないファッション商品の動向に集中できるようにするわけです。
集中センターもあわせて稼動させ、できるだけ頻繁にこのジャストインタイムを実現しようというわけですね。
もっともこのインフラの効果も商品力によりますが・・・・
次回は話は変わりますが、ウォールマートを脅かす米ディスカウンター、「ターゲット」について書いてみたいと思います。
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Comments
とても興味深い記事掲載ありがとうございます。
西友は今年か来年にはウォールマートに変更されるんですか?
価格設定とか店舗内装など全てがアメリカ式になるんですか?
詳しい情報があったら是非教えてください
Posted by: FeiFei | September 12, 2007 08:46 AM
FeiFeiさん
2年前のエントリーですが、見つけて、お読みいただき
コメントありがとうございます。
その後、西友/ウォルマートはパッとしませんね。
メディア、業界では、どこまで持ちこたえられるか?(いつ撤退するか?)がささやかれているくらいです。
西友の浮上が見られるまでは、ウォルマートの出店はなさそうです。
あまり答えになっていませんが、すみません。
またよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | September 12, 2007 07:42 PM