セオリーの業態開発と出店政策
昨日の日経MJ、ファーストリテイリングが資本参加しているリンク・セオリーHDが展開する「セオリー」に関する記事から。
「セオリー」は、キャリア女性向けの百貨店ブランドですが、同社は、中高年向けに「セオリー・リュクス」という業態を開発しています。
通常、アパレルは、顧客ターゲットが変わると、ショップ名、デザイン、価格帯が違うサブブランドを出店するものですが、同社の場合は、「セオリー」と全く同じ感覚、デザインの商品を中高年の体系にあわせて腰周りや二の腕にゆとりを持たせた商品を提供するという異色な業態展開をしています。
中高年とは言え、若い感覚のファッションをお召しになりたい方も少なくありません。ところが、ヤングやキャリアブランドの若い顧客は、体にフィットするスタイルを好むめ、サイズが合わないブランドがほとんど、というお客さんのソリューションに応えるいい発想だと思います。
また、サイズ表記も、キャリア向けの「セオリー」が0号~4号というアメリカサイズ表記に対して、「リュクス」は38号~42号という欧州表記にし、「セオリー」のいわゆる「大きいサイズ」でありながら、お客さんには、そういったコンプレックスを感じさせない配慮をしているところも憎いですね。
さて、主業態である「セオリー」はこの秋に48店舗に達するようですが、ブランド価値を保つため、これ以上の出店はストップすると表明しています。今後の売上拡大は店舗数を増やさずに、増床や好立地への移転で成し遂げるとのこと。
ところで、最近、業態の出店をある一定のところで止めるという話がよく業界で話題になります。どうしても、ビジネス拡大というと多店舗化に向かってしまいがちですが、それは陳腐化との闘いでもあります。どこで止めるか、という限界説は、ブランド、業態によって考え方が違いますが、セオリーは48店舗といいました。
以前ブログでも紹介しましたが、セレクトショップ大手のユナイテッドアローズの主業態は24店舗といいます(現在すでに23店舗)。同社は、それがブランドの希少性を保ち、なおかつ顧客サービスが低下しないように、目が行き届く範囲がそこまでだと公言しています。
>>>ユナイテッドアローズ関連記事
また、109でおなじみのセシルマクビーは既存店の伸びはいまだものすごいものがありますが、36店舗で出店に慎重でいます。
>>>セシルマクビー関連記事
この12の倍数とブランド価値、何か相関関係がありそうな気がして・・・ただいま研究中デス。
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