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September 08, 2005

「売り切りごめん型」マーチャンダイジングへ

 ここのところ業界の繊研新聞の紙上では、ヤングレディース向けの専門チェーン店の掲題のような商品政策変更の記事が目立っています。

 従来専門店チェーンは、「今年の夏は、この商品を売るぞ」、と単品で10%以上の売上が見込めるヒットの芽のある商品<プロモーション商品>(わかりやすい例でいうとユニクロのフリーのようなもの)を設け、シーズン中、追加生産で対応したり、あらかじめ多品種少量生産をしておいて、シーズン中に見つけた「売れ筋商品」をQR(クイックレスポンス)で何度も追加生産をするというスタイルをとっていました。

 ところが、ここのところ、このようなやり方をすると、初回生産分は売り切れても、追加分を残してしまったり、お客さんに飽きられるといった現象が起こり、顧客離れ、業績低迷の恐れが懸念されています。
 
 この背景には、一般的に言われる「顧客の嗜好の多様化」以外に
1. どこの会社も売れ筋のQRは標準装備になって、シーズン後半には
  店舗が同質化してしまう。
2. 百貨店アパレルや新興SPAショップをそろえたSCが郊外に乱立していて、
  駅前でなくても感度の高いファッションが買える。 
3. 低価格でもファッション性の高い商品が購入できるし、マーケットのスピードが
  速くなっているので、お客さんの買い替え頻度も高まっている。そのため、
  頻繁な新商品投入、売場変更が求められている。
などの要因が挙げられます。

 キャビン(店名は e.a.p イー・エー・ピーなど)、パレモ(店名はGalFitギャルフィットなど)、ブルーグラス(店名はvanceヴァンスなど)あたりのカジュアルチェーンでは、売れ筋単品追加生産型から、スタイリング(クロスマーチャンダイジング)対応の組織に変えた模様です。 各社は計画的に2週間で変わるMDストーリーを組み、以前販売した商品の追加はせず、逆にそれらとコーディネート可能な新しい商品の投入を積極的に行いました。

 また、このような単品訴求ではなく、スタイリング・コーディネート中心の商品政策変更に連動して顧客への提案のためのPOPやポスターなど広告宣伝費を1.5倍から2倍に増やして、お客さんを飽きさせない手法をとり、レディース業界全体が低迷したこの春商戦を既存店売上アップで乗り切ったとのことです。
 
 アパレルだけではなく、トリンプインターナショナルのようなランジェリーSPAも通常6ヶ月の販売期間設定の定番商品を3ヶ月に、3ヶ月で売り切る予定のスポット商品を1ヶ月に短縮することによって、新しい商品を次々に入れるようです。もっとも、先日紹介したピーチジョンのようなランジェリーとファッションアパレルの際を無くすような勢力も活躍しているので、もっともな話かもしれません。 

 以前にもブログで紹介しましたが、今日のような手法は、スペインのZARA(ザラ)の十八番です。これから外資まみえてめまぐるしいスピード、変化に臨機応変、緻密に対応できる企業が生き残る厳しい情勢です。生活者にとっては、選択肢が増え豊かになるのでいいことだと思いますが・・・

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