アバクロ日本出店を考える
アバクロに関するトラックバックや検索リンクがとても多いので、今日は、ちょっと気になる関連の話題をひとつ。
アバクロンビー&フィッチ社で、海外進出を推進したロバート・シンガー氏(当時COO)が8月末に退社してから、06年アバクロ日本進出に暗雲が立ち込めましたが、海外出店についての進め方、考え方についてCEOやその他の幹部との間に意見の違いがあったのでは、という報道があります。
アバクロはもともとアメリカで、GAPと並ぶSPA(製造小売業)大手のリミテッド・ブランズ社の1事業でしたが、何年も前に、リミテッド社の出店戦略の考え方を記事で読んだことがあります。
特にライバルのGAPと比較するとわかりやすいのですが、ひとつは、GAPが広告宣伝費に経費をかけるのに対し、リミテッド社は広告宣伝費に経費をかけるくらいなら、SCなどで、家賃が高くても好立地を選択する、ということ。不特定多数に対するマスメディアよりは、目だった場所に店舗を構えることこそが、最高の宣伝、という考え方です。実際、アメリカのSCに行くとSC内でも非常にいい場所に店舗を構えています。
ふたつ目は、海外出店に対する考え方。GAPは、市場のあるところへは積極的に進出する、という拡大戦略。一方、リミテッド社は、アメリカで市場拡大が見込める以上は、伸ばせるところまでアメリカで伸ばし、国外には出店しない、という市場フォーカス戦略。
アバクロは、もともとアバクロンビーさんとフィッチさんが19世紀に創業したアウトドアーショップを1980年代にリミテッド社が買収し、世界のSPAがお手本にした、といわれるリミテッド社の企画生産、販売検証、VMD・・・のチェーンストアオペレーションノウハウを得て標準化、多店舗出店を果たした企業です。リミテッドグループからスピンアウトした今でも、リミテッド社のDNAは多分に持っているはず。
ご存知のように、プレミアムジーンズ&ビンテージブームも手伝って、アバクロの既存店売上高は、数ヶ月連続二桁増の快進撃。まだまだ、アメリカ国内で行ける、と踏んだら・・・海外出店のやり方で衝突があったことも考えられないでもないですね。
いちファンとしては、日本進出を期待しますが・・・
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Comments
早速のTBありがとうございます。難しい事は分からないですが、GAPが日本へ来てイメージがよくなったかと言えば疑問です。最初は物珍しさ足を運びましたが、今ではめっきり遠のきました。もし、アバクロが日本へ進出してきた時、その二の舞を踏まないか不安です。
Posted by: nomunomuのお洋服やさん | September 29, 2005 02:37 AM