ユナイテッドアローズ、次の「柱」育成急ぐ
本日の日経MJ、セレクトショップ大手ユナイテッドアローズの新業態開発の記事を読んで。
東証一部上場の同社の05年3月決算は売上高419億円、売上高営業利益率13.1%は日本のファッション流通の中ではトップクラスの好業績。2011年に10兆円のアパレルマーケットの1%に相当する年商1000億円、経常利益率15%の中期計画を掲げています。
1業態多店舗化を企業拡大のカテとしている企業が多い流通マーケットの中で、同社がユニークなのは、
1. 1業態の店舗数を制限し、
2. 既存店の店舗の大型化を計り、
3. 多事業化
でそれを実現する計画です。
何度かこのブログでもご紹介しましたが、同社の売上の6割を占める主業態UAは、ブランドの希少性と、感性の目の行き届く商品管理、顧客サービス、オペレーションの限界を24店舗と公言しており、現在すでに店舗数は23店になっております。
既述の中期計画を実現するためには、グリーンレーベルリラクシング(約80億円)やクロームハーツ(約25億円)は主力業態に昇格したものの、それに続く業態の育成が必須となります。
同社は、業態開発にあたり、取締役会で承認された現場発信、現場の活力を大事にした業態プランを積極的に出店し、
1 UAラボ(実験段階)
↓
2 スモールビジネスユニット(SBU)
↓
3 主力業態
と成長に従い昇格させるという手法を取っています。今、業績がよいうちに徹底的に次の「柱」になる業態を育てようと、今年の出店16店舗のうちの2/3は実験業態とのことです。
正直、同社の中期計画は非常にハードルが高いことは、業界の誰もが認めるところだと思います。しかしながら、本当のファッション好きなお客さんの顧客満足を考えたとき、同社の成長コンセプトにはとても共感します。これが次世代のファッション企業の成長モデルではないかと。
セレクトショップという「感性」と「目利き」が勝負の世界で現在の規模にまで成長したこともすばらしいものがありますが、さらなる成長を目指して行く・・・売上だけに追われて本末転倒にならないよう、同社には世界でも稀有な成功のパイオニアとしてチャレンジして行かれることを期待しています。
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Comments
はじめまして。
ファッション業界の会社へ転職する(管理部門ですが)
可能性があり色々ネット検索していたところ
辿りついた次第です。
大変、参考になりました。ありがとうございました。
Posted by: kawachigun | October 04, 2005 12:51 PM