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October 30, 2005

ファッションストアの顧客満足と物流改革

 先日、今かかわっている物流改革案件に関連して、ある大手専門店チェーンの物流センターを視察する機会をえました。
 そのセンターには、中国で生産されたすべての商品が毎日、入荷します。ダンボールの個口のチェックは行われますが、すぐに開梱され、商品についているバーコードを、一品残らず、ソーターというベルトコンベア式の仕分け機で読み取り、各店別に仕分けされ、その日のうちに全国数百店舗に出荷されて行きます。全店への出荷は毎日行われ、ほとんどの商品が出て行くため、大きなセンターではありましたが、在庫はとても少ない状況でした。

感想としては、

・毎日配送なので、店舗はいつ行っても新鮮である
 ことが想像できる点。
・同じ理由で、センターの作業がムラなく、平準化しているため、
 毎日定時に出荷が終了する点。
・システムとソーターの2つで在庫をおさえているため、
 入荷と店舗の作業が軽減できる点。

これなら、同じロジックで、1,000店舗でも2,000店舗でも対応できるな、と関心したものです。 
 
 ファッションリテールビジネスをやっていても、今や物流は極めて重要な要素になります。

 かつては、広告を打ち、いい商品を作れば、あるいは、売れ筋をそろえれば売上は十分取れました。そのころは、商品が売れる時というのは、ある意味、商品とお客さんの「出会いがしら」だったと思います。お客さんも在庫がなければ仕方ない、と思ったでしょうし、販売員が「気合で」代替品を売りつけていたかもしれません。

 しかしながら、今や、生活者は、溢れるまでの情報と同質化した環境の中から、店を選び、商品を比較し、気に入った商品を見つけ出さなければなりません。 お買物のプロセスをすこしでも楽しく、また、感動を演出するためには、科学的なアプローチが必要になってきている、というのが、持論です。

 「出会いがしら」ではなく、「計算された演出」が必要な時代・・・

 それには、お客さんが欲しいものを、その場所にマッチングさせる、そういった「顧客満足」を実現するために、きめ細かな在庫管理と物流の不断の努力が必須です。セブンイレブン、しまむら・・・「勝ち組」の多くは、そういった「物流の覇者」ですね。

 極めて身近なビジネスモデルで、そしてシンプルな方法で、成長されている視察先も明日の覇者でありましょうし、次に続く覇者になることも夢ではないな、と同行の方々と話しながら帰路に着いたものです。 

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