大きいサイズの靴、クイーンズ卑弥呼
昨日の繊研新聞によると、婦人靴卸&SPAの卑弥呼が8月末からスタートした大きいサイズを集めた新業態、「クイーンズ卑弥呼」が順調な立ち上がりを見せているようです。新宿の京王モール、心斎橋店の2階と既存店を業態転換してスタートした模様ですが、前年の既存業態売上と比較して前者は60%アップ、後者は40%アップの売上とのことです。
両店舗とも24.5cmから27cmのサイズ構成で、売上構成比は、25cmと25.5cmで50%、26cmが20%とのことですが、26.5cm以上は入荷すると即完売だそうですから、もっともっと需要はあるのでしょうね。
足のサイズの大きい女性が周りに多いので、大きくてもかわいい靴がない、とよく苦情を聞きますが、この大きいサイズの靴は本当にニッチマーケットで、ビジネスのチャンスは大きいと思っています。
シューズのバイヤーをやっていたころ、おかしいな、と思っていたことに、このサイズ問題があります。メーカーさんは、生産効率が悪いと切捨て、バイヤーは在庫が残るという固定概念で仕入れない(実績と需要を見極めて適量仕入れれば、問題ないはず)結果的にマーケットには、小さいサイズと大きいサイズのいわゆる端サイズの商品がなくなります。
一方、そういったものを求めているお客さんは、価格ではなく、あれば一度に2足も3足も購入してゆくと思いますので、客単価は高い、固定客になる可能性が極めて高いわけです。
定番シューズやジーンズはこの点に目をつけ、切り捨てられているサイズを品揃えし、上手にアピールすれば、その部分の伸びで売上二桁増も不可能ではありません(実績あり!)。
この大きいサイズに対応しているシューズショップで有名なものとして、
深田恭子(フカキョン)御用達の店
札幌の専門店
セブン&ハーフ
などがありますが、まだまだ供給が足りないのではないでしょうか。
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Comments
久しぶり読み応えがあり、内容のあるビジネス関連のブログを見つけて、今回の連休(8~10日)に開設された当初の3月からをじっくり読ませて頂きました。貴方の知識と分析力には感嘆する次第です。
あえて老婆心ながら申し上げますと新聞やビジネス雑誌等の1次情報(これは業界の人間は既に知っている内容ばかりです)からの引用をなるべく少なくして、もっとご自身の「意見」を多く記述したり、或いはご自身は素晴らしい経歴の持ち主の方ですので「業務体験談」を聞かせてもらいたいと思いうものです。
先日当方がコメントした際の「元勤務先の方々」との交流のブログは非常に参考になりました。
ファッション関係をお仕事とされていると思いますのでもっと国内、海外を問わずコレクションや展示会等の「現場」に行って自分で見た「生の情報」の「2次情報」をお願いしたいと思います。
Posted by: 桑田 | October 15, 2005 07:09 PM
桑田様
業界の先輩としてのコメントそしてご興味をもって頂いて、過去の記事も読んでいただいたとのこと、本当にありがとうございます。
桑田様のアドバイス大変感謝いたします。
今後もエントリーのペースメーカーおよび読者の方々と話題を共有してゆく意味でも、日々の新聞、雑誌の記事をトリガー(きっかけ)にさせていただきたいと思います。
もちろん、取り上げる記事、内容も、「引用」という客観性に
1.業界の実態を知っている「実務経験者」だからこそのコメント、そして
2.自分のマーケット感(生活者の視点)
を大事に書いていきます。
しかしながら、アドバイスいただきましたように、「業界人としての体験談」をもっと色濃く出して行ければ、と思っております。
ここのところ、情報システムや経営支援系の業務が多く、店舗や話題のお店は見に行くものの、展示会など、トレンドの発信源からすこし遠ざかってしまっているなぁ、と桑田様のコメントを読んでいて気づかされたところです。いけないですね(苦笑)。
これからも、コメントよろしくお願いします。
Posted by: taka | October 16, 2005 11:36 PM
大きいサイズの靴屋といっても、別に珍しいものではなく、
古いところは、↓20年以上前からやっている。
http://shoes-ten.com
なんだか、ニッチだとか、新しいビジネスみたいな香りがするのを、
記者たちが好むというのもありますが、
卑弥呼の場合は、
サラリーマン高額納税者一番の
清原達郎君が出資したからこそ記事になっているといってもいいでしょう。
考えてみれば当たり前なことで、
わずか、数年で、”足の大きい人が急に増えるわけ無いはず”で、
銀座ワシントンなども10年以上前から”大きいサイズ”をやっているにもかかわらず、
斜陽だし・・・
ネットでよく調べるとわかりますが、大きいサイズ専門の靴屋は、結構潰れているようです。
業界紙の”フットウェアプレス”などでも10年以上前から記事にしています。
ただでさえ、不況で収斂されている靴業界、
”特殊サイズがビジネスチャンスであるか”というと、
むしろ、難しいといったほうがいいでしょう。
Posted by: むしろ逆でしょ | November 10, 2005 01:20 PM
むしろ逆でしょさん
コメントありがとうございました。
靴業界の方から貴重なコメントを頂き、大変参考になりました。
そうですね。私も、大きいサイズの靴は確かに昔からあることを知っています。
しかし、ニッチマーケットでは、一番最初にはじめた企業や長くやっている企業が成功するのではなく、一番最初に「生活者の立場で、わかりやすく、上手にやって、買うならココ♪と認知、顧客ポジショニング」された企業が成功するのだと思います。
全体で10%を超えたと言われる大きいサイズの靴を求める人たちが、買うならココ♪、と指名されるお店がまだ少なかったり、買えたとしても、高かったり、デザインがカッコ悪かったり、と不満を漏らす人が少なくないという事実があることが問題だと思うんですね。
そういう意味で、卑弥呼もスタートしたばかりですし、「買うならココ♪と認知された」業態はまだありませんので、誰にでもチャンスはあるわけですね。ぜひメーカー品の集荷だけではなく、お客さんと向かい合ってSPAで実現していただきたいところです。
Posted by: taka | November 10, 2005 08:07 PM