2010年、大都市商圏がおもしろい
本日の日経新聞一面記事によると、百貨店の三越が来る13日の取締役会で、東京・大阪の大都市圏に700億円の集中投資を決議する、とのことです。
具体的には、2010年、銀座4丁目の店舗に隣接する新ビルの建築による増床、そして、2011年、JR西日本が大阪駅に建設する駅ビルへの出店です。
百貨店の売上は7年連続で減少していますが、都市部への人口回帰、富裕層の台頭などで、大都市圏には売上拡大の余地は十分にあると見込んでいる模様です。
競合他社の動きを見ると、銀座では、松坂屋がビルの高層化を打ち出しており、大阪では、阪急、高島屋、大丸が増床し、2011年には百貨店売場面積が今の1.4倍になる見込みとのことです。
さて、2010年ごろのファッション流通マーケットを考えた時にこれら百貨店の動きは、とても興味深いと思っています。ポイントとしては、
1. いわゆる2007年問題、戦後ファッションに目覚めたと言われる
団塊の世代が大量退職した後、その退職金の向かう先は?
2. まちづくり3法の見直しで、郊外大型SCの実質出店規制および都市部
優遇が2008年ごろから始まるというのが大方の識者の見方。
ファッションの主戦場は再び都心部に移る公算高し。
そう見てゆくと、ファッション化戦略の成否は別として、先日東武百貨店池袋店を皮切りに、これから百貨店出店をして行くというユニクロの出店戦略も、そのころを見越して、今のうちから陣取りを行って行くという、狙いどころは悪くない、と思いますね。
しかし、それはそうと、2010年、顧客が再び都市部に集中した時に、百貨店が果たして販売の主導権を取れるのでしょうか?それとも、百貨店の看板を利用するパワーブランド、パワーテナントに牛耳られる都心SCと化してしまうのでしょうか?それまでに「百貨店としてどうあるべきか」の改革が極めて重要になってくると思います。
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Comments
実に興味深いエントリーでした
読んでいてワクワクしました。
余談ですが地方在住の富裕層にはどういったアプローチが
あるのでしょうか?
百貨店のwebサイトやブロードバンド帯域を活かした
専門チャンネル等の通販番組が乱立するのでしょうか?
年配者の潜在需要の高い観光をキーワードに
「都内買い物ツアー」なんてありかもしれません。
いずれにせよ色々考えをめぐらすのも楽しいですね。
Posted by: aaa | October 10, 2005 12:58 PM
コメントありがとうございます!
そうですね、ITや専門チャネルのような先端メディアも進むでしょうし、逆に、富裕層相手であれば、アナログに「地方巡回ご用聞き&仕立屋サービス」もビジネスチャンスがあるかもしれません。
これからもよろしくお願いします。
Posted by: taka | October 10, 2005 04:07 PM