しまむらが都心部に攻め込む日
本日の日経新聞、昨日発表された「しまむら」の2005年8月中間連結決算関連記事から。それと同社のホームページにあるIR情報と一緒に眺めていました。同社の中間決算は11%の増収、57%の増益と絶好調でした。
ご存知のように、同社は、主に主婦のための実用衣料&ファッションを、5000世帯という小さな商圏に、売り場面積300坪超の店舗を出店し、一店舗当たりの売上高3億円超を上げるビジネスフォーマットをもつ企業で、その「ファッションセンター しまむら」はすでに全国938店舗あります(ユニクロは650店舗程度)。ファッション流通で約3000億円の年商は、イオン、ユニクロ、イトーヨーカ堂に次ぐ4番目の売上規模(子会社「アベイル」を入れると3位でしょうか)。
品揃えはすべてメーカーからの仕入れで、バラエティ豊かな品揃え、毎週変わる商品鮮度を武器に、GMSなどの競合店はもちろん、メーカーにとってもキツイ低原価、低粗利、低価格設定を実現する「完全買取制」や、立地・人材活用における「ローコストオペレーション」、値下げをせずに売り切る「販売&商品管理&物流テクノロジー」で有名な会社です。
以前から、業務上、あらゆる点でベンチマーキングさせていただいている企業でもあります。
一般的には、ファッションというよりは、主婦の普段着がびっくりするくらい安く買えるお店ということで有名ですが、業界では、100人にもおよぶ商品部員(仕入担当者)を年4回、欧米のファッションマーケットの視察に行かせている、世界のマーケットリサーチを定期的に継続的に行っている、メーカーよりも研究熱心な会社でも有名です。
そんな世界のマーケットトレンド情報を確実に掴んでいる同社が、3年程前から、ファッション性の追求、ティーンズヤング層の取り込みを打ち出し、品揃えとVMDの強化を行っております。同時にミセス向け商品もヤング向けメーカーに別注したりして(ミセス向けをミセス向けメーカーに頼んでもそれなりの商品になりますからね・・・)、ファッション性アピール効果は着実に業績に出ているようです。
今日の日経の記事の中では、野中新社長が「(フリルなどをあしらった)ビクトリア調はもう古い。今冬は次の商品を用意している」と大手ブランドアパレルがこぞって注目しているのを尻目にそう言い放ったようです。
「しまむらは、郊外の店」と全く眼中になかったファッション企業も多いと思いますが、今年横浜金沢のファッションビル(SC)に出店したのを皮切りに今後「手薄だった都心部への展開に乗り出す」と言っているとのこと。これは大変なことになりそうです。
同社が都心部進出のネックになるのは、家賃。同社の売上高家賃比率が7.5%程度なので、困っている多くの不振駅前SCが7.5%-8%程度の売上歩合家賃の条件を飲んだら実現する話だな、と思ったものです。ダイソーなどの百均ショップ&ユニクロとあわせて、ものすごい集客シャワー効果になるのでは・・・と。
海外からの進出組みに気を取られていたら、国内の企業に後ろから襲われる、ということもあるわけで、ますます予断を許さないファッション流通マーケットになってくるな、と感じました。
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