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November 29, 2005

先週の記事別アクセスランキング

先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。

 1位-サマンサタバサ 東証マザーズ上場へ(05.11.22)

 コメント-ファッション業界でもっとも勢いのあるブランドバッグメーカー、いよいよの上場ですね。

 2位-格安でヤングとらえる-ジャムピクシー(05.07.28)

 コメント-いつも元気で女の子でいっぱいです。

 3位-毎日の気分で着替えるメガネ(05.11.20)

 コメント-メガネもファッションのひとつ、どんどん着替えましょう。

 4位-アルマーニエクスチェンジ(A/X)も参戦、世界のファストファッション競争(05.11.19)

 コメント-H&M、ZARAに煽られたA/X、いよいよ日本進出も目前か?

 5位-どうしてアパレル展示会場には試着室がないのか?(05.11.23)

 コメント-バイヤーはお客さんのための購買代行エージェント。これが持論です。

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November 28, 2005

リターンポリシー(返品自由制)とプライスアジャストメント(価格調整)

 今日は、先日TBを頂いたブログから、感じたことがあったので、ご紹介をしながら本題に入りたい、と思います。

 私のブログが、「クイーンサイズの足」というブログ(>>>こちら)で何回かご紹介いただいていますが、今回のエントリーの中の一文です。
 
 「これからの地球に持続可能な社会生活が求められているように、私達消費者にも「良心的なお店をできるだけ利用する」という姿勢が求められている気がします。そうすれば、いつか本当に良いものが当たり前になるのではないでしょうか。
 それにしても「当たり前」ってコワイですね・・・。ふと思い付いた、なにげないアイディアも「当たり前」をくつがえすことができるかも、と思うと、皆さんの声が集まるブログは、とても大切な意味がある気がします。」

 <以上引用>
 
 この方のこの考え、とても好きです。生活者はもう泣き寝入りする弱者ではなく、もっともっと正当に主張していいと思います。そして過去の業界慣習にとらわれずに、顧客の立場でやり方を変えた企業がビジネスチャンスを掴み、支持を得て儲かるという世の中が早く「当たり前」になって欲しいと切に思います。

 さて、今までの「当たり前」をくつがえす例として、返品と価格調整についてコメントします。
 
 買った商品が、家に帰ったらやっぱりイメージと違う、返品・交換したい、と思った経験はだれにでもあるのではないでしょうか?でも、しかたない、自分が選んだのだから、自分が悪い。店員もイヤな顔するだろうし、と諦めて着るか、誰かにあげるか、タンスの肥やしになるか・・・
 
 また、買った商品が一週間後にそのお店の前を通ったら、値下されていたら?ああ、やられた、と思ってやはり、自分を責めるか、あるいは、もうその店に行きたくなくなるか・・・

 こんな、よくある顧客心理の課題に取り組んでいる業界の制度があります。リターンポリシー(返品自由制)とプライスアジャストメント(価格調整)です。

 返品自由制については、アメリカでは常識ですが、ユニクロが90年代に堂々とうたったことで話題となりましたね。いまだに、「返品お断り」などという張り紙やレシートに文言を入れている時代錯誤のお店もありますが、一般的に、販売員や店舗にノルマを課している企業ほど売上のマイナスとなる返品を嫌がりますが、チェーン店はレシートがあれば、場合によってはなくても、商品確認の上で、かなり抵抗なく返品に応じてくれるようになりました。
 ただ、返品を顧客の反応を聞く絶好のチャンス、と対応するか、他もやっているからうちも、と機械的にやるのでは意味が全く違いますが。

 価格調整については、日本では、GAPグループで実施されています。購入後、2週間以内に値下が行われた場合、レシートを提示すれば、差額を返金してくれるという制度です(但し、一時的なプロモーション値下の場合は除く)。

 「そんなのお客さんが言ってくればやるよ」、という企業もあるかと思いますが、堂々と打ち出しているところに、企業のポリシーと勇気を感じます。皆さんが良くご利用のお店をチェックしてみては?

 ユニクロの返品交換について
 GAPの返品ポリシー 

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November 26, 2005

リヴァンプがロッテリア再建支援へ

 本日の日経新聞によると、ハンバーガーチェーン大手ロッテリアは、ユニクロOBが設立した企業再生会社リヴァンプと資本提携し、経営再建に乗り出すとのことです。

 リヴァンプにとっては、第一号案件が600店舗売上高400億円超クラスのまずまず大きな案件になったわけですね。

 ロッテリアは、マクドナルドの価格戦略とモスバーガーの高付加価値戦略の間でどっちつかずの営業で03年04年、2期連続で赤字を計上。リヴァンプは、推定10億円規模の増資を引き受け(ちなみに同社の資本金は1億円)、現在、株の100%をもつロッテ本社に対して、持ち株比率を1/3以上保有し取り組むとのこと。経営陣を送り込み、3-5年で経営再建にメドを立て、株式をロッテ側に買い戻してもらうことで、利益を得るとのことです。

 ロッテグループは、ご存知の通り、韓国と2カ国にまたがる企業グループで(日本発祥ですが、韓国の規模の方が大きいですね。)、グループ売上は3288億円、298億円と立派な利益を出している企業ですが、非公開企業で、リヴァンプの成果が少々見えづらい部分もあるかもしれません。 

 いずれにせよ、業種は違いますが、基本的にリテールビジネスなので、澤田さん、玉塚さんの力量は発揮できるのではないか、と思っております。まずは、マック、モスに対する、明確なポジショニング政策に期待しています。

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November 25, 2005

ユニクロのアメリカ進出、その第一歩は・・・

 SOHOの実験店を経て9月にニュージャージーに3店舗を出店して、アメリカ進出を果たしたユニクロがどんな状況・評判なのかちょっと気になって、ネットで関連サイトを少し探して見ました。

 11・16付NEWSWEEK(米国版)のコラムやアメリカ在住の方のブログのいくつかによると、どうやら、ユニクロは、日本では第三世代SPAを目指していますが、無地のカシミア、ジーンズ、フリースとベーシックに徹しているアメリカでは、実際に店を見たわけではありませんが、ひと昔前のGAPあるいはエディーバウアー、いうなれば「〇.五世代SPA」くらいの試みをしているような印象を受けました。

 記事によると、新聞チラシを折り込んで、あえてモデルを使わずに商品集合写真で勝負、堂前CEOいわく 「スタイルではなく、着る人の個性が活かせるように、他のブランドとも愛称のよいパーツとしての商品を売っている」というベーシックへのフォーカス戦略です。2000年前後の日本のユニクロブームのころの柳井社長の言葉を思い出します。
 価格はGAPと同じか、少し安いくらい、消費者からは思ったより品質がよい、という評判もあるようですが(イギリスに進出した時に読んだ記事ではイギリス人もそんなこと言ってたのを思い出しました)、GAPとの違いがわからない、という声も。

 業界のアナリストからは、「日本のGAP」は、ベーシックに偏り過ぎて以前に苦戦を強いられた本家のGAPと同じ轍を踏むのか、H&MやZARAのようなヨーロッパファストファッションSPAがアメリカマーケットを席巻きしているというのに、ベーシックだけでは成功は難しいのでは、と手厳しい意見が多いようですね。

 アメリカで、世界の四大SPA相手にあえてベーシック戦法を取ったユニクロの今後はいかに?

 こんな話をしていると、ユニクロよりも先にアジアでベーシックウエアSPAとして大成功している香港のジョルダーノを思い出します。 香港で見た時は、新鮮で魅力を感じましたが、日本に進出して来た時、ちょっとがっかりしたのを・・・。人は、「舶来もの」には何か新しいものを求めるものではないか、と。 
 
 まだスタートしたばかりです。もっとも競争の激しいマーケットで試行錯誤をしながら、一皮むけるユニクロを楽しみにしています。

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November 24, 2005

顧客は靴売り場に何を望むか?

 先週から、経済産業省が進めるICタグを利用した「日本版フューチャーストアプロジェクト」の実験がスタートしたと聞いて、「ファッション」の実験が行われているという新宿丸井シティ(7階のビサルノと4階のルスークプリ)を覗くと同時に、ICタグを本格導入中という三越本店婦人靴売り場、新宿高島屋婦人靴売り場もそれぞれ覗いて来ました。

 まずは、それぞれの売り場スタッフの方には丁寧に操作説明をしていただいて、大変感謝いたします。

 感想としては・・・数年前から全商品にICタグを導入済みで、棚卸しなどもすでにICタグで行っているフランドル社のルスークプリは別にして、ビサルノや婦人靴売り場は、ICタグ取り付け商品は1/4以下であり、その結果、効果もまだ、まだ限定的であるといわざるを得ない状況のようです。

 丸井の方は、両売り場とも、店頭のモニター上でホームページのお奨め商品の紹介を見ている域を超えず、残念ながら、販売員の接客の方がお客さんには、よろしいのではないか、と感じてしまいました。
 また、百貨店靴売り場については、両社とも、サイズ在庫の有無の確認は「よし」としても、代替商品の提案については、業界の建値帳(展示会受注票)によく見られるイメージの掴みづらい「手書きの線画」をスキャンしたものが中心で、今後も商品画像登録にはご苦労されるであろう、と感じました。 

 今日も靴売り場を見ていて、先日、記事をエントリーして今でも反響のある卑弥呼の「Queens 卑弥呼」(関連記事は>>>こちら)をオープンした時の同業態のもうひとつの試みに関する卑弥呼柴田社長のコメントを思い出しました。
 
 (ご存知のように、靴売り場のほとんどは、1デザイン、1サイズ、片足陳列です。それは、出来るだけ多くの型を顧客に見せたいという意図から。これに対して、「Queens 卑弥呼」は、両足陳列、デザインによっては、一部4足出し(全サイズ、両足陳列)にチャレンジしています。)

 「(片足陳列により、売り場に陳列する)型数を増やしたいのは、商品のセレクトに主張や自信がないから。顧客の立場で考えれば両足陳列で、なおかつ自分のサイズが陳列されている方が便利なのは間違いない(繊研新聞11月10日付柴田社長インタビューより)」

 そう、サイズ別陳列、両足陳列であれば、お客さんはその場で自分で履いて試せるのに、一般の靴売り場は、「スタッフに声をかけて、しばらく待たないと試着もできない構造」になっているんですよね。それも結構ストレス。

 顧客の立場で考えた時、靴売り場の改善は、ICタグ導入の前にまだまだありそうです。

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November 23, 2005

どうしてアパレル展示会場には試着室がないのか?

 本日の日経MJの一面下段、「マーケット仕掛人」というコーナーに10年前、IFI(ファッションビジネススクール)で一緒に勉強した銀座M百貨店の紳士服バイヤーM氏のインタビュー記事が掲載されていました。

 記事の内容は、苦心して自分でイタリアで買付けた生地を、ディテールにこだわって日本の工場で縫製し、毎年改良し続けているオリジナルのスーツが今年で4年目。百貨店といえども、中国製の量販型低価格スーツが増える中で、同企画は、有名ブランドなら4倍の価格がするクオリティの商品を10万円以下で販売し、徐々にではあるが年々売上が伸びているというものでした。

 彼は、入社間もないころから、メンズ一筋だったと思いますが、昔から、アパレルメーカーの展示会場でトップスのみならず、ボトムスも「試着をするバイヤー」として有名だったものです。試着室がなくて、その場でズボンを脱いで、メーカーの担当者が慌てたという笑い話もあったそうです。

 「どうしてバイヤーはみな試着をしないのか?どうして展示会場には試着室がないのか?試着しなけらばお客さんに自信をもって薦められないじゃないか」 10年前、講義の後にいった酒宴でよく口にしていたのを彼の「仕事に対する真剣さ」を印象付ける言葉として、今でも、覚えています。

 あれから10年、今でも展示会場ではあまり試着室を見かけないような気がします。トップスだけでなく、ボトムスだってお客さんの立場で試着できるわけだし、異性向けの商品であれば、スタッフを同行させて確かめることだって出来るはずです。
 そうすると、確かに、バイヤーはどういう基準で商品を決めているのでしょうか?相変わらず、メーカーが「これは売れるからご安心を、品揃えはお任せください」、という言葉を信じて発注しているのでしょうか?今でも一般的には、メーカー・バイヤー間で、顧客不在で品揃えが決まっているような気がしてなりません。

 来月は、また、恒例の同窓忘年会で彼と会えると思いますが、その前に顧客と服を愛する彼が作った商品を銀座に見に行きたくなりました。

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November 22, 2005

サマンサタバサ 東証マザーズ上場へ

20代の女性に大人気の日本発セレブ系バッグブランド、「サマンサタバサ」他、ジュニアラインの「サマンサベガ」、アクセサリーの「サマンサティアラ」を展開するサマンサタバサジャパンリミテッドが11月8日上場承認を経て、12月12日に東証マザーズ上場が決定しました。平成6年の設立以来、11年目にして上場となります。

東証マザーズの該当ページは>>>こちら

貿易商社などで、高級バッグの輸入を手がけ、目の肥えた寺田社長が、ルイヴィトンやグッチなど高級ブランドに負けないブランドをバッグから仕掛けたいという思いから設立されたと聞きました。

実際、バッグ出身の高級ブランドは、定番化が可能で、収益も安定していると聞きます。「ブランド」というと、どうしてもマーケットも大きく、参入の比較的容易で、華やかなアパレルから入られる会社が多い中で、儲けづらく、一過性に終わりやすいアパレルではなく、バッグから、しかも高級バッグからスタートした点は、寺田社長の手堅さと先見性の2つがあったからこそでしょう。

渋谷パルコの直営店から、スタートし、丸井に広がり、ブランドを増やしながら、じわりじわりと人気を博し、ブレイクスルーになったのは、3年前の銀座と心斎橋の直営店OPEN、セレブブームの中で、日本の赤文字系の雑誌に傾倒する20代の女性がもっとも喜ぶ、ヒルトン姉妹、ビヨンセ、ビクトリアベッカム、シャラポアといった「超」がつく大物に集中販売促進費の投入を行ったあたりではなかったかと思います。

現在、百貨店47店、直営店48店舗 17年2月決算 売上98億、経常利益12億の好業績。

 日経上半期ヒット商品番付にファッション界から、トゥルーレリジョンとともに、ランクインしたのは記憶に新しいところです。>>>関連記事はこちら

 寺田社長は同年代のガッツとセンスのある経営者。セレブとのコネもあり、サマンサタバサは、NYのヘンリーベンデルでも取り扱われたこともあるそうで、日本発の高級ブランドバッグとして、今回の上場を機に是非、世界に羽ばたいていって欲しいと楽しみなブランドです。

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November 21, 2005

先週の記事別アクセスランキング

先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。

  1位- 欧米マーケットに影響与えるファストファッション(05.11.13)

  コメント:日本未進出のH&Mが仕掛けるファストファッション旋風から目が離せません。

  2位- IKEA(イケア)が日本のホームファッション業界を変える?(05.11.07)

  コメント:来年はIKEAの進出でホームファッション&キッチンウエアブームが来ると
予想しています。

  3位-ワールド上場廃止が業界に贈ったメッセージ(05.11.16)

  コメント:外資SPAの来襲に戦闘態勢に入るワールドの動きにご注目を

4位-どうなる?プレミアムジーンズブーム(05.11.08)

  コメント:ブームに関わらず、一つのファッションアイテムとして完全に定着した感があります。
  
  5位大きいサイズの靴、クイーンズ卑弥呼(05.10.14)

  コメント:生活者のウォンツを継続的に実現して欲しいですね。

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November 20, 2005

毎日の気分で着替えるメガネ

 日ごろ、会議や車の運転以外では眼鏡をかけない生活を送っていますが、パソコンを使う仕事も多く、年々、視力の低下を感じます。そんな折、久しぶりに眼鏡を変えようと、先日、Zoff(ゾフ)表参道店で5250円でそこそこ気の利いたプラスチックフレームのものを購入しました。

 前回眼鏡を購入したのは、2001年、Zoffが「眼鏡業界のユニクロ」として、5000円、7000円、9000円の3プライス旋風を巻き起こした時に、ものは試し、ということで、同業態のあるお店で買いました。当時、なんだ、5000円のものを前面に出しているがイカしたものが少なく、結局9000円のものを買わされるわけね、なんて思いながら、買ったのを覚えています。
 その後は、低価格メガネ店もいまひとつ、かといって、洋服のブランドをライセンスを取ってつけたメガネなんてする気もしなかったので、新規購入には至らなかったのですが、今回のZoffを見ると、4年前に比べると、だいぶ進化したな、という印象をもったことが、購買へと結びついたわけです。

 そんな折、本日の日経新聞、ファミリー経済、「エコノ探偵団」というコーナーで、最近人気が回復?してきたといわれる低価格メガネ店に関する記事がありましたので興味深く読みました。

 2001年、業界では、Zoffの登場で、中国製低価格メカネ店が急速に増え、2002年にはメガネの輸入額史上最高額を記録します。しかしながら、ものめずらしさで買った顧客も、その品質の悪さに離れて行き、2003年は大きく落ち込みましたが、2004年からは再び増加傾向にあります。

 この記事によると、当初は、粗利率60%というおいしい利益を得ている国産メガネ流通業界に対し、中国製の3プライスストアが殴りこみをかけた時には、国産フレームの7割を生産する「匠」の技術を独占する福井県鯖江市の協力が得られず、純粋な中国の技術だけで勝負した。
 その後、鯖江のメーカーは、国内市場は、国産でも十分太刀打ちできたものの、欧米市場に対しては、世界の激しい価格競争に晒され、中国で生産せざるを得ない状況に直面、多くの鯖江の技術者が欧米向けのために、中国に渡ったそうです。その技術者が中国で引き抜きにあったり、鯖江をあきらめて中国に工場を移転したメーカーの登場の末、日本の3プライスメガネストアに日本の鯖江の技術が活かされ、品質が急速に向上したとのこと。 その結果、若者を中心に低価格メガネ店にお客さんが戻り始めているというわけですね。

 メガネは、ファッションの一部、個性を出すアイテムだと思いますので、洋服のように、毎日の気分で着替えるアイテムであっていいと思います。「メガネ男子」という写真集も最近話題になりましたね。
 しかしながら、最近の眼鏡白書などを見ると、1本あたりの平均購入単価は低価格店が引き下げたとはいうものの、いまだに29000円台だそうです。

 ビッグカメラが出資するOWN DAYSやメガネスーパーのHatchは、価格志向ですが、Zoff(ゾフ)やコンソメを展開するインターメスティックや、JIN'S(ジンズ)は服飾関係の会社が創業母体なだけあって、低価格なだけでなく、安くてもファッション性が高いものも多いようです。5000円、7000円、9000円なら、毎日着替えるメガネも十分実現しますね。

 Zoff(ゾフ)ホームページ
 JIN'S(ジンズ)ホームページ

 ファッション活性化のために、ファッション性の高い、低価格メガネ店の躍進を応援いたします。そして、産地の方も、新しいマーケットの創出に是非前向きにご協力をいただければと思います。

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従業員第一主義

 最近、ある異業種の流通企業さんとのプロジェクトが始まりました。

 「顧客第一主義」という経営理念を掲げる企業は多く存在しますが、同社は、「従業員第一主義」を唱えています。お客さんを大事にしよう!という前に、従業員がやりがいのある環境を作ろう、人を育てよう、そして、従業員がのびのびと、がんばって仕事をすれば、自然と顧客満足と企業収益はついてくる、というものです。

 同社の資料をいろいろ拝見しても一貫していますし、訪店をしたりしても、セルフ販売中心なのですが、どこのお店に行っても、とてもスタッフが元気で、活気があり、好感を受けます。もちろん業績も順調のようです。現在依頼を受けている仕事の進め方にもそのイズムがはっきりと出ています。

 元来、取引先にはほれ込みやすいところがありますが、久々に「目からうろこ」を感じています。

 私が知っている、「顧客第一主義」を言うファッション企業の多くは、掛け声だけで、実際は売上至上主義で、従業員がノルマに追っかけられていたり、従業員教育や環境整備がないがしろにされているケースが多く、たとえ、研修やマニュアルが整備されていても、マニュアル化されすぎていて、がちがちになっており、顧客対応が無味乾燥していて、顧客としては違和感を感じるケースも少なくありません。
 あるいは、ファッション業界では、商品(MD)至上主義的なところがありかもしれません。商品さえよければ売れるよ、と。

 いずれにしても、従業員を信頼していないのか、販売マシーンとしてしか見ていないのが多くの企業の実態なのではないかと思います。
 スタッフのモチベーションが上がった時の売上の上がり方を誰もが知っているはずなのに、なぜ、その逆をしてしまうのか・・・

 余談ですが、先日亡くなられた経営学の父、かのピータードラッカーさんも「労働力はコストでなく、資源である」、という名言を残してします。従業員第一主義。むしろそっちの方が顧客満足が実現するのではないか?

 そんな課題に触れることも今のプロジェクトの楽しみの一つであります。

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November 19, 2005

アルマーニエクスチェンジ(A/X)も参戦、世界のファストファッション競争

 18日の日経MJの記事では、世界のファストファッションSPA(製造小売業)の双璧 スウェーデンのH&M(エッチアンドエム=ヘネス&モーリッツ)とスペインのZARA(インディテックス)のハイペースの出店(H&Mはアメリカを中心に年間百数十店舗、ZARAのインディテックスグループは世界に四百数十店舗の出店を予定しています。)に対し、ジョルジオ・アルマーニグループのヤングストリートカジュアルチェーン、アルマーニエクスチェンジ(A/X)が彼らを意識して、現在の95店舗から日本も視野に入れて、3年間で店舗を倍増させるとの報道が紹介されていました。

 この報道は、11月4日には英文ニュースサイトに載っていたようですが、かつてブランドファッションブームの火付け役となったアルマーニにも火をつけるファストファッションSPAの動きから目が離せません。

 アルマーニエクスチェンジ(A/X)は、ジョルジオアルマーニ、エンポリオアルマーニで成功を収めたアルマーニグループが、アルマーニジーンズを立ち上げた後に、1991年、当時、ファッション界に旋風を巻き起こしたGAPに対し、「GAPへのメッセージ」としてアルマーニジーンズを核にヤングストリートを捉えたブランドとして立ち上げられたSPAブランドと記憶しています。
 その後、アルマーニグループの経営危機を救ったといわれる、シンガポールのファッション&ホテル王の大富豪、Ong夫妻に、1994年ライセンス供与(南北アメリカ大陸と日本以外のアジアでの生産および販売の権利を渡す)する形で、アメリカを中心に約10年間で95店舗まで成長しました。A/Xはアメリカでの定点観測店舗の一つでもあります。

 アルマーニエクスチェンジHP

 アルマーニ氏が自ら「ファストファッション」と位置づけてはおりますが、商品価格帯は50ドル~100ドルとH&MやZARAよりは少々高く、バナリパやカルバンクラインあたりとの比較が適切かとおもっていましたが、ファストファッション巨頭へのライバル心を感じます。
 今回、拡大にあたり、やはりOng夫妻との25%:75%の出資比率で合弁会社を設立していますが、契約には、アルマーニ側が将来、50%まで比率を上げる内容が盛り込まれており、業界では「足を向けては寝られない」恩義のある相手との噂ですが、権利奪回をもくろんでいる模様でもあります。

 アルマーニエクスチェンジ(A/X)も実質上、日本進出表明をしたことで、ますます、日本のファッションマーケットは面白くなりますね。

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November 16, 2005

ワールド上場廃止が業界に贈ったメッセージ

 11月15日、ワールドはMBOの成功を経て、いよいよ「上場廃止」となりました。

 14日に行われた経常利益前年比31%増と大幅増収増益だった9月期中間連結決算発表での寺井社長の気になるコメントを日経新聞と繊研新聞から拾いました。

 「日本のファッション産業は行き過ぎた部分最適化による水平分業になっており、全体最適モデルの構築が必要である。」

 「リスク分散が進み過ぎ、何が売れるかもわかりにくい、変化対応モデルになっていない」

 「今は、前(店頭)に近いほど利益を取っており、後ろ(川上)は利益を取るのが難しい」
 
 「全体最適モデルの構造改革はチャンスであり、多大なリスクもある。」

 ファッション業界の大問題をズバッと言い放っていると思います。
そして、顧客のために、全体最適を自己完結させなければ生き残れない、それには、時間とチャレンジが必要であり、株主のために、短期的な利益だけを追求していたら、成し遂げられない、というのが、ワールドの考え方であります。

 他の業界にも当てはまるかもしれませんが、小売店頭の顧客のこと(需要)が上手に把握できないため(必死でしようとしていない企業がいかに多いことか!)、アパレルメーカー、生産工場、原料メーカーと顧客から離れてゆけばゆくほど、需要の実情がわからなくなってしまい、その分、手探りで仕事をせざるを得ない状況。また、介在する企業がそれぞれムダや不合理のために、リスクヘッジを行っているのがまさしく業界の姿であり、そのしわ寄せを生活者が負わされていたり、うまくマネージメントできなかった企業がつぶれてゆくわけです。

 私も、この業界でなんやかんや商社、卸、小売と各流通段階を一通り経験させて頂きました。数々のムダ、不合理を見てきました。そのおかげかどうかはわかりませんが、結論として、いかに生活者に近いところで仕事をするかいかに生活者と企画生産現場の距離を出来るだけシンプルに短くするか、が継続的な成功のための必須条件であると思っています。

 ですから、このブログでは、生活者のためにそんな努力をしている企業の姿をニュースや記事で見つけては賞賛すると同時に、いいことはみんなでベンチマークしましょうよ、と訴えているわけですね。
 業界最適≠顧客最適?なんて冗談じゃない!

 ワールドの上場廃止は、業界に痛烈なメッセージを贈ってくれました。業界で働くすべての人たちがその本質をしっかりと受け止めるべきだと思います。これから日本に乗り込んでくる外資の猛者たちは、業界の慣習などお構いなしに、容赦なく、マーケットにストレートど真ん中、剛速球を投げてくるでしょう。
 「まずは業界の取引慣行を改善しよう!」なんて言って、業界の内を向いてる場合じゃなく、ワールドのように全体最適=顧客最適のために早く、行動を起こし始めなければならないわけです。

 報道によると、ワールドは、上場廃止、非公開化をしましたが、情報開示はいままでどおりに行い、コーポレートガバナンス・コンプライアンス体制を充実させ、「開かれた非公開企業」という新しい企業像を目指すとのことです。同社が業界の顧客最適のロールモデルになることを期待しています。

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November 14, 2005

先週の記事別アクセスランキング

先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。

  1位- 大きいサイズの靴、クイーンズ卑弥呼(05.10.14)

  コメント:大きいサイズでも、かわいい靴を待ってます!

  2位- IKEA(イケア)が日本のホームファッション業界を変える?(05.11.07)

  コメント:IKEAの日本進出は、日本のホームファッションの概念を
ひと皮剥くことでしょう。

  3位-どうなる?プレミアムジーンズブーム(05.11.08)

  コメント:ブランド乱立、まだまだ話題の多いアイテム群です。

  4位-バナナリパブリック日本出店を振り返って(05.11.04)

  コメント:日本のマーケットを研究したMDで、百貨店、セレクトショップの
       脅威となるか?

  5位-ピーチ・ジョン(PJ)が贈る最強の谷間(05.09.06)

  コメント:野口社長の著書「男前経営論」 も発売され、ますます注目の的。

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November 13, 2005

欧米マーケットに影響与えるファストファッション

ZARA(ザラ)やH&M(エッチアンドエム)など、コレクション並のトレンドデザインアイテムを同シーズンに低価格で販売してしまうファッションチェーンをユニクロは第二世代SPAと呼び、このブログでは、「ファストファッション」と定義づけております。

ヨーロッパ最大のファストファッションSPA、H&Mが、11月10日に世界22カ国400店舗でステラ・マッカトニーとのコラボレーションコレクションを発売しましたが、それに関する欧米の記事がネット上に上がって来ています。
去年の秋は、カールラガーフェルドと組んでコラボコレクションを500店舗で発売し、1時間以内に完売。それらの波及効果で、同社の売上は年間20%以上も上がったとされ、その第二弾として、400店舗、より大都市に絞っての発売ということで、注目されておりました。

 H&Mホームページのコレクション内容は >>>こちら

 各地のメディア、ブログなどによると、ニューヨークマンハッタン5番街やSOHO、ロンドンオックスフォードサーカスあたりでは、OPEN前から長蛇の列が出来、パニックの中、地域差はありますが、10分~1時間以内にマネキンも身包み剥がされている状態で、ほぼ完売だった模様です。あるイギリスのある記事には、「ハイエナに餌を与えている状態」とのことで、特にステラの出身のロンドンはすごかったようです。

 ロンドン在住の方のブログを発見しました。セールの状況の写真付きです。
>>>こちら

 また、早速一部の商品がeBayのオークションにも出品されているのは、面白いですね。

 一方、ミラノやパリでは、昨年ほどの行列ではなかったとの報道があります。ヨーロッパは、暖冬で今回の彼女とのコラボコレクションの1/4は防寒物とのこと。そんな、気象的な要因もあって、一部投資家筋は、同社の売上の伸びは、昨年ほどではないだろうと予想して、株は、売り気配もあるようです。それにしても、世界400店舗でOPEN前の行列とOPEN即完売の状況を作り上げるH&Mのすごさには脱帽です。

 こんなH&Mの活躍を筆頭に、昨年、今年とファストファッションが欧米ファッションに与える影響がますます大きくなっているのを感じます。
 
 昨年のカールラガーフェルドのH&Mコラボに始まり、今年は、イギリスのファストファッションの雄、TOPSHOP(トップショップ)のロンドンファッションウィーク(コレクション)デビュー。
 また、パリコレを評したあるファッション評論家は、ファストファッションの影響で、売上を奪われている各ブランドが「魅せるものから、売れるもの重視に」確実に動いていると先日、日経MJ記事で述べているのを読みました。昨日の繊研新聞では、パリ市内の少なくなった百貨店(ギャラリーラファイエットやプランタンやボンマルシェ)は、同業よりも、ファストファッションとの差別化を図るための改装に投資をしているそうです。

 コレクションも百貨店も、煽られて、いわゆる「マジモード」になっているわけですね。

 ファストファッションには、使い捨てで、環境に配慮がない、というような批判もありますが、業界の目を覚ましてくれて、その分、いい意味で競争が起こり、生活者が豊かになれば、と思っています。
 日本では、1998年から2000年にユニクロブーム、ユニクロショックが、業界にいい刺激になったのは、記憶に新しいところです。それは、ベーシックアイテムの波でありました。
 今、次の波が欧米ファストファッションから起こっています。その波が日本にやって来るのも時間の問題でしょう。その時の担い手は・・・

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November 12, 2005

購買の決め手になるPOPを考える

 ご存知・ご利用の方も多いかと思いますが、カルチャーによって分類された本の陳列とそれを取り巻く雑貨が特徴の「遊べる本屋」ことヴィレッジヴァンガード、大手CDショップ タワーレコードは、店頭の手書きPOPの魅力で有名です。私もヴィレヴァン下北、タワレコ新宿は月に一度は、立ち寄って数時間過ごしてしまうくらい大のつくファンのひとりです。

 11日の日経MJにヴィレッジヴァンガードとタワーレコードのPOP(店頭広告)についての記事がありました。内容的には、以前からこの2社のPOP作りは流通業界では有名で、取材記事も多いので、特に目新しいものはありませんでしたが、いろいろ考えさせられることも多いので、取り上げてみます。

 両社とも、本部やメーカーが送り込んだ統一POPをつけるのではなく、各店舗のスタッフが独自に「手書き」で書いているのが特徴です。商品大好きなスタッフがイチ消費者として、心をこめて、創意工夫をし、顧客と対話するように、語り掛けるような調子で一生懸命書いていることがその魅力と効果の秘訣だと思います。記事にもあるように、POPを読んだお客さんが思わずニンマリしてしまう→商品を手に取る→それを見て、スタッフもモチベーションを上げ、よーし今度はこんなことを書いてお客さんを喜ばせてやろう、といった好循環になるわけです。好きこそものの上手なれ、の好例だと思います。

 さて、ファッション販売では、一般的に、接客販売中心、セルフ販売(+気付きの接客も含めて)中心にかかわらず、こういったPOPは敬遠されがちです。ブランドやショップの世界観を内装とVMDで表現しようとするため、「雑誌OOOO掲載商品」というPOPをつけたり、雑誌そのものを広げて置くくらいはするものの、無造作にPOPが増えると、売場が汚くなるから、とか、そんなの書いている暇があったら接客すべき、などから禁止しているところも多いようです。

 しかし、売上ノルマばっかりで、POPが書けるほどの、「商品大好き」スタッフが不足していたり、本部から店舗スタッフにお客さんが喜ぶ十分な商品情報が伝えられていなかったりするのが現実なのではないかと思います。

 実は、昔、アパレルチェーン店の服飾雑貨、バラエティグッズ、シューズのバイヤーをやっていたころ、メインのアパレルではなかったため、会社も寛容で、担当売場は、POPによるコミュニケーションを承諾してくれました。当時、デザイン学校に通うアルバイトさんなど、各店舗のスタッフ数名を売場担当にしてもらい、各店で、いろいろなことを話ながら、一緒に手書きPOPを作成して、チャレンジしました。結果はもちろん◎売上二桁増、カテゴリ-によっては倍になったものも。「自分が書いたPOPを見て多くの人が買ってくれてうれしかった、と涙を流しながらよろこんでいた子もいました。小売りの楽しみってこういうことじゃないかな、と思います。

 企業のメッセージやマスメディアもまだまだ威力はありますが、ユーザーの口コミの方を信用する人が多くなったと言われます。そんな時代に、お客さんの目線で「対話」し、思わず和やかな気持ちになってしまい、購買の決め手になる「ひと言」。購買後も、買ったお客さんが、「これってさぁ」と、ついお友達に話してしまいたくなる「ひと言」。情報が氾濫して、不安な生活者に自信を持たせ、友達との話題づくりにもなるヴィレヴァン式、タワレコ式、口コミ的POPを通じて、今、お客さんが何を望んでいるかをもう一度考え直すことが大事だと思います。 

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November 10, 2005

営業再生は取引先の協力あってこそ

 本日の日経新聞に「ダイエーどこまで変わる?(上)」という記事がありました。

 ダイエーはリベートなど悪しき商習慣で利益を作る古い体質のベテランを一掃し、若手を登用して意識を変えつつ前向きに再生中ではありますが、いまだ既存店の浮上は見られません。

 記事によると、高飛車なベテランバイヤーの抜けた商品調達部門は、取引先から「素人集団」と揶揄され、あるアパレルメーカー幹部には 「商談相手はこちらのいいなり。商売しやすくなった」 となめられている状況のよう。
 イトーヨーカ堂他、世の中がデザイン性志向になっているのに対して、ダイエーは、メーカーが用意した無難な定番商品を押し付けられ、それらが店頭に並んでいる模様です。

 残念ですね、こんな話。結局、ダイエーのリベートがいいとか悪いとかよりも、取引先もこんなレベルだったのか、と。力関係が変わるとなめるような、そんな取引先としか付き合えなかったからダメになったのか、と。

 世知辛い世の中ではありますが、国民の税金を使って再生している企業に対して、一緒になんとかしよう、若いスタッフを一緒に育てよう、そうして、将来、ともにいい思いをしようじゃないか、と考えてくれるのが本来のパートナーであって、いまだに定番だけ並べたって売れる時代じゃないことは、業界にいたらだれでもわかるはず。
 
 こんな記事を読んでしまうと、ダイエーは、まず方針を明らかにして(ユニクロのような外部にすべて任せるのか、試行錯誤しながら自分たちで再構築するのかの迷いが、取引先を不安にさせているという可能性もありますので)、やるのであれば、即刻、取引先の見直しを行うべきです。一緒に消費者の方を向いて、親身に考えてくれる取引先に入れ替えることが先決だ、と思います。

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November 09, 2005

業界はサイズの需要に対応しているか?

 先日の「大きいサイズの靴、クイーンズ卑弥呼」のエントリーにアクセスが絶えないところを見ると、いかに生活者の方々の関心が高く、探しているかがわかります。

 本日の繊研新聞にも「クイーンズ卑弥呼」に関する卑弥呼 柴田社長の取材記事がありましたので、興味深く読ませていただきました。

 かつて業界革命児、として頭角を現した同社も自身の反省も含めて「顧客の満足と靴業界の満足は相反している」と認めています。そう、靴、ジーンズ・パンツ、ドレスシャツ、子供服など、4サイズ以上ないと商売にならないアイテムの業界は、えてして「製造の理論」でビジネスが語られているものです。レディースシューズについても、25cmを越えると、靴底の型をサイズに合わせて大きくしていく規則性(グレーディングといいます)が崩れ、サイズごとにバランスのよい型を作らなければならないそうで、それ以下のサイズに比べ、効率が悪いそうです。

 同じような話を、先週ある老舗の靴製造メーカーの社長さんと世間話をしている中で聞きました。「だから大きいサイズの靴はかわいくないんだ」と。なるほどな、と思ったものです。

 そういえば、昔大きいサイズのメンズスラックスの生産を担当したことがありましたが、確かにウエスト100cmくらいになると、型紙を個別につくり、生地代もかかるので工場が嫌がり、単価もサイズごとに変えて製造していましたっけ。

 しかし、卑弥呼が立派なところは、店頭での24.5cm以上の売上比率が17%にもなっていること(これはPOSデータを見ればわかります)、とあわせて、同社に就職を希望する学生さんに必ずアンケートをとるらしく、それによると24.5cm以上の学生が25%もいたことをクイーンサイズに取り組んだきっかけのひとつにしています。

 これはいい教訓ですね。就職希望者や従業員は身近な大切なお客様、マーケティング対象であることを意外と忘れている企業が多いものです。(パート・アルバイトの面接でフリーターに失礼な態度の店長が多い、と悪名高い有名チェーン店があります。けしからん!)
 
 非効率なものを切り捨てている場合ではありません。確実にマーケットは変わっています。他社がそんなことを考えていたり、中途半端にやっている間に、むしろ特化した方が戦略的にいいかもしれません。サイズマーケティングは業界ではその最たるものだと思います。

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November 08, 2005

どうなる?プレミアムジーンズブーム

 本日の繊研新聞に月例ですが、10月のアメリカ大型店売上高データが掲載されていました。

 原油高、ハリケーンの影響がアメリカ経済を揺るがすといわれて、消費者信頼度指数は下がっているものの、アメリカの大手チェーンストアはウォルマートやターゲットなどのディスカウンター、ヤング向けカジュアルチェーン店は秋物が後半大きく動いて順調のようです。

 GAPやLIMITEDの既存店売上前年割れ(前年比95%前後)を尻目に、アバクロの131%(A&Fは120%ですが、ホリスターの134%とキッズのアバクロンビーの176%が牽引しているようです)、アメリカンイーグルの117%はここのところ何ヶ月も連続で絶好調の模様です。
 この2社(A&FとAE)が連続して好調な要因としては、レギュラーラインの強化とともに、高価格帯のヴィンテージ風プレミアムジーンズの導入が大きく寄与しており、そのあたりをないがしろにしていたことが、GAPやLIMITEDの不振に表れているようです。

 ところで、90年代後半アールジーンズの登場と、2000年のセブンのブームから始まり、ここ2年のセレブブームで最高潮を迎えたプレミアムジーンズブーム。 今年の初秋にラスベガスで開催された06年春向けMAGIC(世界最大のファッショントレードショー)でも、新ブランドの代理店争奪戦があったり、プレミアムジーンズは人気の的だったようですが、ここにきて来春にむけては、踊り場に差しかかっている模様です。

 先日、プレミアムジーンズなどもインポート販売しているある専門店チェーンの幹部の方と話をしましたが、トゥルーレリジョンは、はきやすい素材とシルエットで客層の裾野を広げ、引き続き売れているが、その他の老舗、新興ブランドは大苦戦、とおっしゃいます。

 先週の繊研新聞の記事(10月31日付け)でも、セブン・フォー・オールマンカインドの日本の代理店でもあるカイタックインターナショナルが持つアメリカLA最大規模のデニム工場の受注も8月までの月あたり40万本ペースから9月は27万本(70%)程度に落ち込み、日本の岡山地区の対米デニム生地輸出も落ち込んでいるとのこと。やはり、ブームにあたり、ブランドが乱立したことが停滞の要因と見られます。

 ブームはいつしかピークを過ぎ、停滞するものですが、いろいろなチャレンジャーブランドが、素敵な商品をマーケットに送り出してくれましたから、これからは、淘汰を経て、安定期を迎えるものと思います。

 そういえば、そんなブームの下地を作ったと言っても過言ではない、リーバイスのプレミアムライン LEVIS REDですが、そのデザインチームが拠点をロンドンからLAに移すと聞きました。彼らの目の付けどころは確かだと思いますので、そういった意味でもまだまだ発信基地としてのLAダウンタウンからは目が離せないですね。

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November 07, 2005

先週の記事別アクセスランキング

 先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。

 1位- 大きいサイズの靴、クイーンズ卑弥呼(05.10.14)

  コメント:靴もファッションに合わせて気軽に履き替えられるトレンドスピードと
      低価格化がビジネスチャンスになりそうです。

 2位- ピーチ・ジョン(PJ)が贈る最強の谷間(05.09.06)

  コメント:電車に乗っていても毎日PJの広告は目に飛び込んできます。
      ユニクロも黙ってられないランジェリーマーケット。
    
 3位- 元ユニクロ首脳が企業再生ファンド共同設立(05.10.28) 

  コメント:本当の企業の強みにフォーカスした「営業再生」を応援します。

 4位-渋谷109が果たすブランドインキュベーション~109ステージ(05.11.01)

  コメント:こんなチャレンジの場をどんどん作って行くこと・・・
      全国のデベロッパーにお願いしたいです。
 
 5位- ファッションストアの顧客満足と物流改革(05.10.30)

  コメント:生活者が素敵な商品に出会う、そんな演出も物流改革あってこそ。

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IKEA(イケア)が日本のホームファッション業界を変える?

本日の日経MJの1面は、いよいよ2006年4月に船橋ザウス跡に出店の決まった、世界最大のホームファッションSPA、スウェーデンのIKEA(イケア)の特集でした。

以前もこのブログで取り上げましたが、80年代、アクタスをパートナーにして失敗した苦い経験を活かしての独資での再チャレンジとなり、非常に楽しみです。

関連記事1
関連記事2

インテリアやキッチンウエアが好きなもので、仕事でアメリカ、台湾、香港に行った際には時間を見つけてはIKEAに立ち寄って、お土産に買って帰っては喜ばれたものです。いろいろな商品の原産国を見ては、へぇ、いろんな国で作っているんだ、刃物は日本から輸入しているんだ、などとぶつぶついいながら、私をお店にいながらにして世界旅行をしている気分にさせてくれたものです。(GAPを初めてアメリカで見たときにも同じことを思いましたっけ) 

あるとき、大学時代の集まりで、そんな話をしていたら、「(人口たった800万人の)スウェーデン企業がビジネスを発想するとき、それは常にグローバルビジネスなんだ」 私が学生時代にお世話になったグローバリズムを専門とする国際経済の教授はそう、教えてくれました。

世界で調達して世界に売る。アメリカや日本のように豊かなマーケットを持たない、小国は、生まれながらにしてグローバルビジネス発想を体得し、来るべく国際化時代の先端を行っていたのでしょう。ファッション流通で言えば、IKEAやH&Mにその発想を見ることができます。

記事では、IKEAダルビッグCEOは「日本の消費者のサービスや品質への要求レベルは承知」、としながらも、「(日本のマーケットにおいて)家具は鎖国されていた。日本の競合他社の家具は品質にくらべ高い」と言い切っています。また、それを迎え撃つ最右翼郊外型ホームファッションSPA「ニトリ」の似鳥社長は、「影響は避けられない」が、「若者に受けても組み立て家具は50才以上の層に受け入れられるか?」と言います。 IKEAはもちろん「組み立てサービス」など、日本のマーケット、消費者に合わせた手を打ってきます。

確かに、日本のホームファッションはまだ未開のマーケット。都心部ではバルスのフランフラン、郊外ではニトリやアイリス大山のシンプルスタイルといい意味で競争をし、マーケットを豊かにしてくれれば、と思っています。

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November 04, 2005

バナナリパブリック日本出店を振り返って

昨日、横浜に行ったついでにバナナリパブリック(バナリパ)のランドマークタワー店を見てきました。
これで、銀座、六本木に続き、3店舗見たことになります。

アメリカのバナリパファンの私の感想としては・・・
内装、世界観は上手にアメリカのそのものを再現し、商品は、シルエット変更、素材変更、日本別注を行い、日本のクオリティに合わせたというだけあって、素材、細部に渡って上出来!ただし、アメリカの価格を知ってしまっている私としては、もう少しなんとかならないかなあ、という印象です。

 業界では、アメリカ本国主導とは言え、GAPジャパンの10年の経験を活かし、よく日本のマーケットを研究している、と◎の評価をしている人が多いです。百貨店、セレクト系の方々には、間違いなく脅威になると思われます。また、「バナリパがここまで出来るのなら、同じ手法でGAP本体もこれからまだまだよくできるだろう」と評価している人もいます。

 繊研新聞など業界紙によると、売れ行きは上々とのこと。六本木はカジュアル、日本橋はビジネス、横浜は観光客、銀座は全般的に満遍なく売れているということで客層もそれぞれ、どんぴしゃ。ベーシックよりもトレンド性の高いものが売れているらしく、これはうれしい誤算だったそうです。
 
 バナリパに限らず、これから日本に進出してくる外資系SPAは、世界で2番目においしいマーケットをめがけて、全力で日本の生活者、マーケットを研究して、切り込んでくるはず。バナリパの成功を見て、日本企業は何をすべきか?真剣に危機感をもって考える必要がありますね。

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November 03, 2005

ファッションではユーザー向けプレシーズンフェアってのは難しいだろうか?

 今日は、あるアパレルブランドx音楽コラボプロジェクトのパートナー企業がいくつか本業で出展しているとのことで、横浜パシフィコで行われている楽器フェア(11月3日~6日)に招待されて行ってきました。このフェアは、楽器業界の業界関係者のためのフェアではなく、一般のエンドユーザーが、楽器屋さんを飛び越えて、楽器・技術の新作や業界に接することのできるフェアになっています。1000円の入場料はかかりますが、ファミリー、カップル、友人同士が連れ立って、大変盛況でした。

 ファッション業界にもこんなユーザー向けのプレシーズンフェアがあっても面白いな、と思いました。そういえば、スキーウエアの量販店(ヴィクトリアやミナミ)あたりは、かつて単独でユーザー向けに「受注会」ってのをやっていたな、と思いましたが、すぐに製品が作れてしまうアパレルなどでは、出来るだけ時期を引き付けて生産したいだろうし、また、プレシーズンで見せ合うとパクリ合戦になってしまい、嫌がる企業も多いのかな、と思いました。

 今回のフェアで、当事者ではない、業界の別の方からちょっとした裏話を聞きました。今回は出展しているある会社(新興のそこそこ大手)が、前回のフェア開催にあたって、

 ・ユーザーが、楽器を始めて手にするのは中学生や高校生のころが多い。
  大人はともかく、中高生から1000円の入場料をとるのはいかがなものか?
  中高生は無料にして、そういった客層をもっと動因すべきである。
 ・おとなしい楽器フェアでは盛り上がらない、有名なミュージシャンを呼ぶから、
  会場でライブイベントをやらせてくれ

 と要求し、主催者側と衝突、要求が受け入れられず、前回はその会社は、出展をボイコット。同社なしのフェアは、しらけた場になった、とのことです。

 今回は、この会社側の要求が通り、中高生と70歳以上は無料、ミュージシャンのCharさん他ライブイベントが予定されています。
 
 その会社は、プロジェクトのパートナーの一社であり、おもしろい会社だな、と思っていた先ですが、そんな話を聞いて、ますます好きになりました。 

 楽器業界は、女性アマチュアバンドが増え、おかげで、そこそこ業績が上がっているようです。確かに、女の子の来場者も意外とおり、NANAのような格好をしている女の子もちらほら見かけました。

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November 02, 2005

ケイタイが可能にするオン・デマンド・ショッピング

 ライブドアがセシールの買収を発表して以来、各紙、通販ビジネスの関係の記事が多いなあ、と思いながら、記事を見つけては、すみずみまで読んでおります。
 特にPCよりもケイタイ関連の動きが見逃せませんね。手軽にアクセスできるので、テレビを見ながら、ラジオを聴きながら、雑誌を見ながら、電車の社内広告を見ながらのオン・デマンド・サーチが可能になります。

 私は、事務所にいるとき、J-WAVEを聞きながら仕事をすることが多いのですが、この曲なんだっけ?と気になる曲が流れると、ケイタイサイトの「J-WAVEリアルタイムオンエア」にアクセスすると、その曲名とアーチストを知ることが出来ます。曲によっては、そのサイトからCDも買えるようです。
 ラジオオンエア中も、基本的に番組はライブですから、パーソナリティが話したことに対して、リスナーがケイタイメールでコメントをしたり、リアルタイムコミュニケーションをしているコーナーも少なくありません。

 ケイタイでモノが売れるわけがない、と立ち上げの際に多くの人から反対を受けたゼイヴェル。girlswalker.comは、その反対を覆し、誰もが一目をおく日本一のケイタイ通販サイトとなり、真骨頂としては、ファッションショーを見ながら気に入った商品をその場でケイタイで買える、というイベントを成功させました。

 昨日から日経新聞で始まった「通販革命」という連載記事によると、ビッターズなどでおなじみのディー・エヌ・エー(DeNA)は、テレビ局と連動して、番組で紹介した商品を販売するケイタイサイトに力を入れているようです。

 また、ネットやモバイル通販のすごいところは、企業からの情報だけでなく、そこに購買経験者のコメントを客観的な口コミ情報として付加できるところですね。

 アマゾンスキャンサーチは、CDショップで気になったCDのバーコードをアプリでスキャンすれば、購入経験者のコメントを読んだ上で、アマゾンのサイトで購買できてしまう機能を持つそうです。
 
 テレビ番組が特集で紹介した健康食品や、ドラマで人気芸能人が着用している商品を、これいいな、と思ったその瞬間ケイタイで買えてしまう時代ももうすぐそこに来ているのかもしれません。

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November 01, 2005

渋谷109が果たすブランドインキュベーション
~109ステージ

10月31日付け日経MJ記事より

 以前もこのブログでご紹介しましたが、渋谷109(マルキュー)が昨年5月に7階の飲食フロアーを改装し、明日のファッションブランドを育てようと、始めたブランド・インキュベーション(孵化)プロジェクト、
「109ステージ」(関連記事)。
 審査で選ばれた会社または個人に対し、10坪のスペースを1年間、売上歩合14%、内装費はマルキューもちという好条件で賃貸し、1年間で成果を出したら継続をさせるというものです。

 1期生の中で、唯一営業継続を勝ち取ったブランド、「ギルフィー」に加え、今年の9月からは、2期生として、「ゴールズインフィニティ」と「ヴォルチカ」の2ブランドがOPENしています。

 ギルフィーもそうですが、2期生の2ブランドも、もともとは、ブランドアパレルやショップオリジナル商品の生産をアウトソーシングで請け負う、東京のOEM(Original Equipment Manufacturing)生産メーカーさんです。

 アパレルや雑貨のOEMメーカーさんは、私の周りにも、少なからずいらっしゃいますが、彼らは、みなさんがご存知の有名ショップやブランドのために、2人3脚で、デザインも一緒に考えながら、フットワークよく、日本と中国、韓国を行き来し、寝食も惜しんで短期間で売れ筋を作ってくる業界の縁の下の力持ちです。

 SPA(製造小売業)というと、アパレルが直営店を始めたり、小売チェーンがPBを作ったり、いろいろな形態があります。しかし、ブランドとの取り組みでノウハウを蓄積し、売れ筋のQR(クイックレスポンス)を身上とするOEMメーカーがSPAを始めることが、一番短期成功確率が高いのではないか、と思っています。

 そんな理由で、今後、渋谷109のような「場」の提供と、ファンドのファイナンス機能、経営支援機能が加わって、さらに有機的なSPAインキュベータープロジェクトが業界に広がることを夢見ています。

 先日紹介した元ユニクロ幹部の共同ファンド、リヴァンプさんには、再生だけでなく、ぜひ、そんなインキュベーターにもなって欲しいですね。

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