営業再生は取引先の協力あってこそ
本日の日経新聞に「ダイエーどこまで変わる?(上)」という記事がありました。
ダイエーはリベートなど悪しき商習慣で利益を作る古い体質のベテランを一掃し、若手を登用して意識を変えつつ前向きに再生中ではありますが、いまだ既存店の浮上は見られません。
記事によると、高飛車なベテランバイヤーの抜けた商品調達部門は、取引先から「素人集団」と揶揄され、あるアパレルメーカー幹部には 「商談相手はこちらのいいなり。商売しやすくなった」 となめられている状況のよう。
イトーヨーカ堂他、世の中がデザイン性志向になっているのに対して、ダイエーは、メーカーが用意した無難な定番商品を押し付けられ、それらが店頭に並んでいる模様です。
残念ですね、こんな話。結局、ダイエーのリベートがいいとか悪いとかよりも、取引先もこんなレベルだったのか、と。力関係が変わるとなめるような、そんな取引先としか付き合えなかったからダメになったのか、と。
世知辛い世の中ではありますが、国民の税金を使って再生している企業に対して、一緒になんとかしよう、若いスタッフを一緒に育てよう、そうして、将来、ともにいい思いをしようじゃないか、と考えてくれるのが本来のパートナーであって、いまだに定番だけ並べたって売れる時代じゃないことは、業界にいたらだれでもわかるはず。
こんな記事を読んでしまうと、ダイエーは、まず方針を明らかにして(ユニクロのような外部にすべて任せるのか、試行錯誤しながら自分たちで再構築するのかの迷いが、取引先を不安にさせているという可能性もありますので)、やるのであれば、即刻、取引先の見直しを行うべきです。一緒に消費者の方を向いて、親身に考えてくれる取引先に入れ替えることが先決だ、と思います。
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Comments
takaさんのご意見に賛同致します。
「高飛車なベテランバイヤー」については取引先の担当が嘆いていた事を思い出されると共に会社の方針でダイエーとの取引中止が決まった際のダイエーバイヤーの表情は一生忘れられないと言っていました。
その辺の過去からの積もり積もった事があるのは想像に難くありません。
それとは別に社長に就任された樋口泰行さんは日本HPのCEO時代から個人的に注目しておりました。
樋口さんの著書である「愚直論」に感銘を受けたからです。
阪大→松下電器→ハーバードMBAと言うエリートコースながら「普通の人」が努力して今の地位を築いてこられたのだなと言う感想を持ちました。
もし時間と興味がありましたら一読ください。
Posted by: 桑田 | November 11, 2005 08:16 PM
桑田様
コメントありがとうございます。
チェーンストア向けの営業、チェーンストアのバイヤー、両方経験していますので、駆け引きやパワーゲーム的なものがあるのは当然わかります。特に、ダイエーやイトーヨーカ堂あたりの取引先には、いろいろな思いがあるのはわからないでもないですけどね。
そう、「愚直論」は読みたいと思っていた本の一つでした。
またよろしくお願いします。
Posted by: taka | November 13, 2005 05:18 PM