どうしてアパレル展示会場には試着室がないのか?
本日の日経MJの一面下段、「マーケット仕掛人」というコーナーに10年前、IFI(ファッションビジネススクール)で一緒に勉強した銀座M百貨店の紳士服バイヤーM氏のインタビュー記事が掲載されていました。
記事の内容は、苦心して自分でイタリアで買付けた生地を、ディテールにこだわって日本の工場で縫製し、毎年改良し続けているオリジナルのスーツが今年で4年目。百貨店といえども、中国製の量販型低価格スーツが増える中で、同企画は、有名ブランドなら4倍の価格がするクオリティの商品を10万円以下で販売し、徐々にではあるが年々売上が伸びているというものでした。
彼は、入社間もないころから、メンズ一筋だったと思いますが、昔から、アパレルメーカーの展示会場でトップスのみならず、ボトムスも「試着をするバイヤー」として有名だったものです。試着室がなくて、その場でズボンを脱いで、メーカーの担当者が慌てたという笑い話もあったそうです。
「どうしてバイヤーはみな試着をしないのか?どうして展示会場には試着室がないのか?試着しなけらばお客さんに自信をもって薦められないじゃないか」 10年前、講義の後にいった酒宴でよく口にしていたのを彼の「仕事に対する真剣さ」を印象付ける言葉として、今でも、覚えています。
あれから10年、今でも展示会場ではあまり試着室を見かけないような気がします。トップスだけでなく、ボトムスだってお客さんの立場で試着できるわけだし、異性向けの商品であれば、スタッフを同行させて確かめることだって出来るはずです。
そうすると、確かに、バイヤーはどういう基準で商品を決めているのでしょうか?相変わらず、メーカーが「これは売れるからご安心を、品揃えはお任せください」、という言葉を信じて発注しているのでしょうか?今でも一般的には、メーカー・バイヤー間で、顧客不在で品揃えが決まっているような気がしてなりません。
来月は、また、恒例の同窓忘年会で彼と会えると思いますが、その前に顧客と服を愛する彼が作った商品を銀座に見に行きたくなりました。
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