従業員第一主義
最近、ある異業種の流通企業さんとのプロジェクトが始まりました。
「顧客第一主義」という経営理念を掲げる企業は多く存在しますが、同社は、「従業員第一主義」を唱えています。お客さんを大事にしよう!という前に、従業員がやりがいのある環境を作ろう、人を育てよう、そして、従業員がのびのびと、がんばって仕事をすれば、自然と顧客満足と企業収益はついてくる、というものです。
同社の資料をいろいろ拝見しても一貫していますし、訪店をしたりしても、セルフ販売中心なのですが、どこのお店に行っても、とてもスタッフが元気で、活気があり、好感を受けます。もちろん業績も順調のようです。現在依頼を受けている仕事の進め方にもそのイズムがはっきりと出ています。
元来、取引先にはほれ込みやすいところがありますが、久々に「目からうろこ」を感じています。
私が知っている、「顧客第一主義」を言うファッション企業の多くは、掛け声だけで、実際は売上至上主義で、従業員がノルマに追っかけられていたり、従業員教育や環境整備がないがしろにされているケースが多く、たとえ、研修やマニュアルが整備されていても、マニュアル化されすぎていて、がちがちになっており、顧客対応が無味乾燥していて、顧客としては違和感を感じるケースも少なくありません。
あるいは、ファッション業界では、商品(MD)至上主義的なところがありかもしれません。商品さえよければ売れるよ、と。
いずれにしても、従業員を信頼していないのか、販売マシーンとしてしか見ていないのが多くの企業の実態なのではないかと思います。
スタッフのモチベーションが上がった時の売上の上がり方を誰もが知っているはずなのに、なぜ、その逆をしてしまうのか・・・
余談ですが、先日亡くなられた経営学の父、かのピータードラッカーさんも「労働力はコストでなく、資源である」、という名言を残してします。従業員第一主義。むしろそっちの方が顧客満足が実現するのではないか?
そんな課題に触れることも今のプロジェクトの楽しみの一つであります。
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Comments
今回の「従業員第一主義」から外れるかもしれませんが、「人材教育」と言う事に関して私なりの意見を述べさせてもらいたいと思います。
少なからず部下を持つ身になって、人を育てる事に関して、迷いや悩みを持っていたのですが、ある人から「人間は生まれてきた時から何らかの『使命』を帯びて生まれてきたのだから、人それぞれの『長所』を活かしてやる事が上司の役割だよ」と言われて「目から鱗」が落ちた事がありました。
こちらのブログからTBしてあった「両国さくら」さんのブログを今日一日読破して印象に残った箇所がありました。
それは「人間はある年齢になったら、今までに得てきた『知識や経験』を次の世代に還元する使命がある」と言う内容です。
〔文面は正確でない事は了解願います〕
takaさんもこれから「この役割」を担う立場にあると思います。
私もこれを肝に命じて頑張ろうと思う今日この頃です。
Posted by: 桑田 | November 20, 2005 08:49 PM
桑田様
おっしゃる通りですね、昨年、独立したのは、20年近くinputして来たものをoutputする使命感を感じたこともその理由のひとつでした。もちろん、今もinputには余念ないつもりですが。
やはり、時間をかけて、若手を育て、組織が回り始めたのを見たときの喜びは最高の喜びの一つだと思います。今も、ビジネスのインキュベーション(孵化)や人材育成プロジェクトに関わっていますが、これからもいろいろな形で実現して行きたいと思います。
PS.さくらさんのブログ、いいでしょう。
Posted by: taka | November 20, 2005 09:43 PM