業界はサイズの需要に対応しているか?
先日の「大きいサイズの靴、クイーンズ卑弥呼」のエントリーにアクセスが絶えないところを見ると、いかに生活者の方々の関心が高く、探しているかがわかります。
本日の繊研新聞にも「クイーンズ卑弥呼」に関する卑弥呼 柴田社長の取材記事がありましたので、興味深く読ませていただきました。
かつて業界革命児、として頭角を現した同社も自身の反省も含めて「顧客の満足と靴業界の満足は相反している」と認めています。そう、靴、ジーンズ・パンツ、ドレスシャツ、子供服など、4サイズ以上ないと商売にならないアイテムの業界は、えてして「製造の理論」でビジネスが語られているものです。レディースシューズについても、25cmを越えると、靴底の型をサイズに合わせて大きくしていく規則性(グレーディングといいます)が崩れ、サイズごとにバランスのよい型を作らなければならないそうで、それ以下のサイズに比べ、効率が悪いそうです。
同じような話を、先週ある老舗の靴製造メーカーの社長さんと世間話をしている中で聞きました。「だから大きいサイズの靴はかわいくないんだ」と。なるほどな、と思ったものです。
そういえば、昔大きいサイズのメンズスラックスの生産を担当したことがありましたが、確かにウエスト100cmくらいになると、型紙を個別につくり、生地代もかかるので工場が嫌がり、単価もサイズごとに変えて製造していましたっけ。
しかし、卑弥呼が立派なところは、店頭での24.5cm以上の売上比率が17%にもなっていること(これはPOSデータを見ればわかります)、とあわせて、同社に就職を希望する学生さんに必ずアンケートをとるらしく、それによると24.5cm以上の学生が25%もいたことをクイーンサイズに取り組んだきっかけのひとつにしています。
これはいい教訓ですね。就職希望者や従業員は身近な大切なお客様、マーケティング対象であることを意外と忘れている企業が多いものです。(パート・アルバイトの面接でフリーターに失礼な態度の店長が多い、と悪名高い有名チェーン店があります。けしからん!)
非効率なものを切り捨てている場合ではありません。確実にマーケットは変わっています。他社がそんなことを考えていたり、中途半端にやっている間に、むしろ特化した方が戦略的にいいかもしれません。サイズマーケティングは業界ではその最たるものだと思います。
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