靴業界にも大きな再編の波が
本日の日経新聞によると流通企業再生会社リヴァンプは、ゴールドマンサックスと組んで、ナイキ、アディダスに次ぐ靴卸業界第3位のトークツを買収すると発表しました。買収額50億円(トークツの年商は220億円)の模様で、リヴァンプ15億円、ゴールドマンサックス15億円出資する会社が受け皿になる模様です。将来、株式公開による利益を見込んでいるととのこと、ロッテリア(外食)、フージャース(マンション)もいいですが、よりファッションに近い企業でのリヴァンプの腕の見せ所ではないか、と期待しております。
一方、イオングループはAsbee、H2Companyなどを展開する名証2部上場のツルヤ靴店の第三者割り当てを引き受け、21%に相当する株式を取得し、資本提携をすることを発表しました。
ツルヤは、婦人靴専門店を除くと東京靴流通センター、SHOE PLAZA、フットアップ、SPCなどを展開するチヨダ、ABCマート、ユニクロ傘下のワンゾーン、イオングループのニューステップ、に次ぐ業界第5位の靴専門店チェーンで、同じイオングループ内のニューステップと合わせれば、ABCマートに迫る売上規模になります。
また、ツルヤは、イオンとの提携により、イオングループが開発するSCへの出店機会が得られますね。
来年以降、靴業界も大きな再編の嵐が吹き荒れそうです。
シューズビジネスは、アパレルに比べると国内皮革産業保護の輸入規制、中間流通の多さ、サイズが多いことによる高い在庫リスク(長いサイトの支払手形)、低い商品回転率で、リスクの高いビジネスです。
最近では、アパレルSPAがファッションとコーディネートできる靴の開発も進めており、靴業界の従来の発想が通用しなくなっているとも言われます。先日も、靴製造メーカーの社長さんとそんな話をしておりました。
これらの再編が引き金になり、より生活者最適な商品提供、売場提案ができるよう、マーケットが活性化されれば、と思います。
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Comments
靴業界再編の内容みました。元そのターゲットになった会社にいた者ですが、成るほどと思います。靴業界は一種独特です。朝礼時には手を前に組めだの、何か昔の丁稚奉公時代を思わせる感じを宿命として引きずっております。業界自体が啓蒙や発展の後押しをする意識が無かったか若しくは、できなかったかが問題ではありませんが、他の業界から敢えて比較させていただきますと、全体的に程度の低い業種であることは間違いありません。思案はどうであれば外部からの刺激によって、業界が活性することを願っております。
Posted by: kaiko | January 27, 2006 02:33 PM
kaikoさん
コメントありがとうございます。
アパレル業界からシューズのバイイングをしていた経験者として、kaikoさんがおっしゃっていることは、なるほど、とうなずける部分もあります。
ABCマートの創業者の三木会長も、私の昔の上司も、また私の知る多くの方がアパレル業界から靴業界に参入され、成功を収めていらっしゃいます。
もっとも、「業界」という言い方はもう、よくないかも知れません。キーは「生活者」ですからね。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | January 29, 2006 12:50 AM
返事有難うございました。お伝えすることを今更ながら忘れていたことですが、この業種に入ってから得意先のレディース製靴業者に一年間製造現場でのOJTを受け、実際に現場の方と寝起きを共にする程の経験と、その全工程を司る型紙製作まで身につけ最後には煩雑としたこの業種で懸案となっていた靴仕入生産管理システムを構築するまでに至りました。飽く迄システム製作は私の本業ではなかったのですが、流れから考えて当時ではそうなる必然性があったものと思われます。そのような体験を経た者から発したことでしたが、そのシステムの御蔭で今の私があるのかもしれません。さて、そこで靴の業界(敢えて言います)の縮図を感じ取り、参入され成功を収めている方々はどのような政策、方針をもって現場を的確に捌いていらっしゃるか特にお聞きしたいところです。トークツでなくともオギツ、マドラスなど早々たるメンバーが他にも存在しておりますが、次の進展があるのかどうかなど、特に興味があります。金が全て見たいな胡散臭い現風潮に物を申したい気分ですので、ご意見賜れば幸甚です。
Posted by: kaiko | January 30, 2006 12:03 PM
kaikoさん
またまたコメントありがとうございます。
皆さんいろいろな努力をされていますが、共通するのは、
・既存の流通慣習を壊して、ナカヌキをされている
・ナカヌキによって生活者との距離が短くなった
・ナカヌキで生み出した利益の多くをブランディングの
ための販売促進費に回している。この販促費はすべて
生活者の目に見えるものに集中投下している。
というところではないか、と思います。
多分、「業界」ではなく、「生活者」を中心に考え始めた時に大きく変わると思います。
「できない理由ではなく、できる方法を考える。」
仕事をする上で、私の好きな言葉です。彼らがこれを実践した結果だと思います。
これからもよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | January 30, 2006 07:11 PM