カルティエ訴訟判決-ブランド品のリメイクは違法
12月26日付け繊研新聞によると、去る20日、東京地裁が、高級時計ブランド、カルティエの真正品(本物)に、カルティエの許可を得ず、第三業者がダイヤをはめ込んだ、ブランド加工商品に対し、商標権侵害、違法と判決を下したとのことです。
業界的に言えば、いわゆる「リメイク品」の是非に関しての初めての判例となるとのことで、今後、ファッション業界に波紋を呼びそうです。
これは、銀座「とらや」がカルティエの時計に独自にダイヤを埋め込み、「アフターダイヤ」「後付ダイヤ」などとして販売していたものに対し、カルティエインターナショナルが「どこの誰が責任をもって生産、販売しているかを示す出所表示や品質保証の機能を持っているが、加工品ではその責任を果たしようがない」と、販売中止、商品の破棄、損害賠償を求めていたものです。
並行輸入にしても、リメイク品にしても、商標権問題の結論は、やはり、どのように仕入たか、ではなく、
「商標権者が保証しうる品質を備えているか?」
がポイントということですね。
そうすると、これからは、ブランド商品を買ってきて、リメイクやダブルネームなどにより、原型を崩す加工を勝手にやってしまうと、訴えられたら勝ち目はない、とのことで、そのような行為をされている会社は、注意が必要です。
実は、過去に、ある案件で、リメイクをしようとして、弁理士さんに注意をされ、中止したことがありました。実際は、世の中には、商標権者が目をつぶっているリメイク品事例がほとんどなのですが、上記の観点で、判例はないが、まずい、ということだったのです。
その際、リーバイス501リメイクのような、古着はどうなのだろう、と議論をふっかけてみました。古着には、消尽説や用尽説などがあって、一度正当に消費されたものは、商標権者の権利の至るところではない、という説があるらしく、中古ソフトなどをめぐる問題では、この説を用いる方もいらっしゃるようです。果たして、アパレルについては、やはり、判例を待たないとなんとも言えない、ただし、上記の「商標権者が保証しうる品質」がポイントになるのでは、とコメントされていました。
業界には、相手が目をつぶっているうちは大丈夫的な行為も少なくありません。
このカルティエ訴訟も、あるブログによると、当初は、和解ですむところ、被告が弁論準備期日に無断欠席を重ねたことにより、判決を下さざるを得ない事態になったという裏話があるようです。そんな理由で、業界であいまいになっていることに、白黒ついてしまうこともあるもんだな、と思ったものです。
いずれにせよ、「生活者利益を高める」モラルと正義がポイントではないでしょうか。
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Comments
はじめまして。
今年はアパレル業界での
意匠をめぐる裁判が目立ったような印象で
今後もこうした紛争が増えてくるのでは
ないかという感じがしております。
今後ともファッション業界の話題について
ブログを拝見したいと思っております。
よろしくお願い致します。
おおつか
Posted by: 駒沢公園日記 | December 27, 2005 12:15 PM