イオン、スイカ導入へ 電子マネー決済とその先にあるもの
昨日の日経新聞によると、流通最大手のイオンとJR東日本は13日、包括的業務提携に合意し、その一環として、07年1月をメドに、JR東日本エリアのイオングループ店舗にSuica(スイカ)を導入するとのことです。
このイオンの動きは、先だって、セブン&アイ(イトーヨーカドーグループ)が、07年春にエディ、スイカに次ぐ第三の電子マネーを発行することを発表したことをかなり意識したものであることは、ファッション業界屈指の専門家ブログ、ファッション・イン・ファッションの両国さくらさんも、さすが、昨日のうちに取り上げ、興味深い指摘をしておられました。
しかし、今年、この電子マネー関係のニュースは、本当に、めまぐるしく、日進月歩、企業が先を争うように取り組みを打ち出した、もっともホットなトピックの一つであったと思います。
年間300兆円の個人消費のうち、千円札や硬貨が決済される少額決済市場は、約60兆円。これを奪い合う形で、エディ、スイカの双璧に、セブン&アイが参入。これらのプリペイド電子マネーに対して、UFJニコス、JCB、三井住友カードが、クレジットカードと連動して、後払いケイタイ決済サービスをスタートさせました。
これらの決済手段に対して、スーパー、コンビニ、ファミレス、航空会社、ガソリンスタンド、ドラッグ、カメラ量販、CDショップなど各社が3陣営にわかれ、今のところ互換性のないまま、それぞれ同盟企業を増やして勢力争いを繰り広げている構図。来年には、生活者包囲網は完成し、どの陣営に入るのか、選択がせまられる勢いです。その前に、生活者最適を考えたら、統一されるべきなのですが。
しかし、この電子マネー、ケイタイ決済のその先にあるものは・・・
1998年、アメリカで暮らしていた私の目に映ったのは、人々がスーパーで使っていた、1枚の磁気カード(ICだったかもしれない)。銀行のキャッシュカードに、航空会社、クレジット会社、スーパーマーケット、ドラッグストア、ガソリンスタンドのロゴが入っており、この1枚で、日常のお金の出し入れ(ATMだけでなく、スーパーのレジでも現金に引き出し可)、通常の決済、クレジット決済、各社のポイント、マイレージをためることができるもの。
ガス、水道、電気、電話、ケーブルテレビも引き落としにしておけば、キャッシュレスで生活ができ、毎月の銀行口座の使用明細が1ヶ月分の家計簿に。
お判りでしょう。
・財布を分厚くしている、たくさんあるカードを1枚に
・毎月、複数来る請求明細を1枚に
これが、7年前のアメリカの生活者包囲網の動きです。このカードをケイタイに置き換えてしまえば、数年後の日本の姿が見えるのではないでしょうか?
そして、請求明細を1枚にまとめる企業が、顧客の消費行動のモニタリングを行うことができ、未来のマーケティングの覇権を取る、というシナリオです。
しかし、FSP(ポイントカード)の顧客購買情報もマーケティングに活かせず、単なる割引に合戦になっている日本では、電子マネー運営会社やクレジットカード会社が企業から取る決済手数料収入が関の山で、そこまでやりきれる企業がどこまであるのか疑問ですが・・・。
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