SCを中心に「ローリーズファーム」や「グローバルワーク」といったSPAで快進撃を続ける東証一部上場企業ポイントの強さに迫る連載記事が、昨日から繊研新聞で始まっていますが、本日の店頭情報をいかに取るか、という記事はとても興味深いものです。
ファッション業界でも「店頭起点」が叫ばれて久しいですが、依然、上手に出来ている企業は少ないと思います。
つまり、叫べば叫ぶほど、精神論的になり、店頭スタッフへの負荷が増え、そのしわ寄せが顧客サービスの低下などとしてあらわれ、成果が出ない、といったのが、多くの現場の現状ではないでしょうか?
ポイント社は、等身大MD(関連エントリーは>>>こちら)は守りながらも、企画生産業務を繊維商社にアウトソーシングし(但し、投げっぱなしではなく、かなりの二人三脚型)、在庫調整も含めて、同社に依存して身軽になりながら、リテーラーの動脈といわれる情報システム、物流、店頭といった部分をしっかりコントロールしている模様です。
特に、重要なのは、情報システムや物流を店頭の鮮度管理と店舗作業軽減を重視して考えれれているため、余裕が出来た店舗スタッフは、等身大MD持ち前のMDプレゼンや、データでは見えない、店頭の顧客の動向を本部に伝えることに集中できている、ということです。
店舗から本部へ、営業日報や営業週報という類の報告書類が、各企業にあると思いますが、この使い方をめぐっては、試行錯誤しているのが現状ではないでしょうか。
やはり、店舗スタッフには、売ることにプレッシャーをかけ、戦果報告や言い訳をさせるではなく、来店客の動向をよく観察すること、そこで得た気づきがいかに業務改善に生かせるか、を理解してもらい、それに対する意欲は、評価すべきである、と考えています。
以前も紹介した、パコアンダーヒルさんの「ついこの店で買ってしまう理由(わけ)」にも大変わかりやすい文章がいくつかありますが、その中で私が好きな助言の中に、
「客は自ら工夫して商品を検討する」
というフレーズがあります。つまり、店頭で、顧客が、どういう風に商品を手に取り、どういう場所で、どういう風に比較して検討しているか、をよく観察しなさい、ということです。
顧客は店頭で、お店の提案に反して、実に、自分に快適な方法で、工夫して、そういった行為をしていることが多いことか?
そこには、本部ではわからないカイゼンのヒントがたくさん詰まっている、というのは、経験的に非常に共感・実感できることです。そんな、些細なことでも、日報や週報に書き込んでもらうことで、明日への商品・サービス改善ができるのではないか、と思います。
ちなみに、世界のSPAのベストプラクティス、スペインのZARAの世界全店の店長の毎日の最も重要な仕事は、店頭で感じたことを、スペインの本社のバイヤーたちにメールで伝えることだそうです。バイヤーたちは、POSと同時に、独自のソフトで整理されたこれらの情報を毎日見て、毎週の生産計画に反映されているということです。
何が大事か?をおさえていれば、明日からすぐ実行できることもありそうです。
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