トリンプの「八ヶ岳MD」
1月12日付け繊研新聞のランジェリーメーカー&SPA企業のトリンプインターナショナルジャパンの記事を読んで。
「八ヶ岳MD」とは、さすが、早朝会議によるスピード経営、ノー残業で有名な同社の吉越社長らしいネーミングですね。以前、このブログでも、同社の「売り切り御免トコロテン戦略」をご紹介しましたが、それをプロダクトライフサイクル曲線の側面から見たネーミングであります。
今や、ピーチジョン(PJ)などが火をつけたファッションとランジェリーの垣根崩しは、いわゆる肌着業界にも「鮮度重視」の影響を与えています。トリンプも同社のSPA業態、AMO‘S STYLEなどで、従来の販売期間想定を半分に短縮する単サイクルMDを実践しており、直営店既存店売上高は、32ヶ月連続増収増益とすばらしい数字に支えられ、会社の決算も20期連続の増収増益も見えた、とのことです。
季節商品の販売期間を6ヶ月から2-3ヶ月に、スポット商品を3ヶ月から1ヶ月に短縮設定し、企画数は2倍に増えたものの、店頭の鮮度を維持して、在庫と、最終見切り損を減らした、というファッション販売の近代手法を取り入れたもの。
ファッションでは、一般的に、追加をかけなかった場合、新商品投入から、2-3週が売上のピークにあたり、その後、店間移動を駆使しても、売上点数はゆっくり下降に向かいます。それを、1企画あたりの生産数を7割に押さえ、下降を新商品の投入でカバーするというもので、それぞれのプロダクトライフサイクル曲線を重ね合わせると、八ヶ岳連邦のように見えることから「八ヶ岳MD」と命名しているようです。
この手法は、従来なら、作り手の視点で、プロパー、バーゲンを軸に考えられていたファッション業界を、いつも新鮮な売り場の維持と、今買わないと売り切れるという顧客心理側面から実践したもので、109やヤングカジュアルファッション、海外ファストファッションでは主流になっています。
ますますワクワクする売り場作りへ、業界各社のチャレンジは続きます。
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