専門化する専門店
ここのところ、昨年から始まった人口減、少子高齢化の中で、流通企業があるべき姿を模索する記事が新聞雑誌問わず各誌で目立っています。
先週末ではありますが、18日の日経新聞に衣料・靴専門チェーンの特定顧客に専門化(特化)した業態開発の記事がありました。キッズ業態を開発するユニクロ(業態名;ユニクロキッズ)にライトオン(業態名;MPS)、レディース靴に特化するABCマート(業態名;ヌオヴォ)などなど。
その昔、一般的にマスマーケットを狙ったチェーン店の店舗数の限界点は1200店と言われていました。日本のファッション業界では、「しまむら」がまもなく1000店舗に達しようとしていますが、ユニクロですらまだまだ折り返してまもないところ、今回の専門化小規模業態は、人口減、まちづくり三法の改正を睨んだ、都心型店舗開発の意味合いが大きいようです。
そうすると、ローリーズファームのポイントが1業態の限界に設定しているように、そこそこボリュームのある商圏を埋め尽くすといわれる100店舗がひとつの目標、というところでしょうか。
今回の日経新聞の紹介されていた企業の中で、全く違う意味合いを持っているのはユナイテッドアローズ(UA)のグルーンレーベルリラクシング(GLR)の派生業態、メンズの「オドナタ」とレディースの「ファサードグリーン」でしょう。
以前もUAの24店舗限界説はこのブログで紹介しましたが、より大きなファミリーマーケットを取り込もうとスタートしたGLRは、同社の2011年、年商1000億を狙う昨年の中期計画では、60店舗構想が打ち出されておりました。果たして、一転、GLR業態では、チェーンストアオペレーションに取り組むのか?と見ておりましたが、GLR24店舗を目前にして、2つの派生業態を打ち出したところは、とても興味深いところです(24x3=72?)。
UAは、ブランドの希少価値とMD(人間)の感性とこだわりの目が行き届く店舗数の限界を2ダースと定め、それを越える出店はしないと公言しています。400億円規模になった東証一部上場のセレクトショップも、クロームハーツや基幹業態のUAはまだわかりますが、倍以上の1000億円を1業態24店舗を限界とする複数業態で達成しようというところが世界広しと言えども、UAだけかもしれない、ユニークでチャレンジングだと思っています。
しかし、UAが先だって立ち上げた束矢部(たばやぶ;富裕層向け外商的クラブ)は、その後、あわてて某百貨店が同様のサービスを発表するなど、百貨店のお株を奪う、半歩リードするような存在になっていますから、派生していった各ブランドが、将来一堂に集う「UAファッション百貨店」構想(銀座、新宿、梅田あたりに、なんて私の勝手な想像)による大台達成も夢ではないかもしれませんね。
今後の同社の展開に注目しております。
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