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March 30, 2006

ラルフローレン、表参道出店でラグジュアリー市場に参戦

 29日の日経新聞と繊研新聞によると、アメリカ、ポロラルフローレン社の100%出資日本子会社、ラルフローレンリテールジャパンの世界最大級の直営店が30日、表参道にOPENとなります。
 表参道ヒルズに行かれた方はお気づきかと思いますが、ヒルズと同じ側の原宿駅よりにビバリーヒルズにありそうな白い建物が建設中でありましたが、それになります。

 ラルフローレンCEOはこれをきっかけに「直営店の多店舗化をしたい」と意気込みます。
同ブランドの日本のビジネスは、オンワード樫山グループのインパクト21を格としたライセンス商品の卸が中心ですが、今のところ1170億円(小売ベース)の日本の売上は世界の10%を占めます。他の成功した国際ブランドの事例を見てもまだまだ伸ばせると見るのは当然のことだと思います。

 日本では、POLO(ポロ)ブランドを筆頭に、トラッド、カジュアルのイメージが強いブランドですが、欧米では、コレクション、パープルレーベル、ブラックレーベルを含めてラグジュアリーブランドとしてのポジショニング確立に努めています。

 日本人はバーバリーと並んで、ラルフローレンのような上品なトラッド系ブランドが大好きな人種だと思います。そんな大御所ブランドがラグジュアリーに本格参入することによって、マーケットもますます活性化しそうですね。

 個人的にはカジュアルラグジュアリーとして大好きだったRRL(ダブルアールエル)の復活を望みますが・・・とにかくさっそく表参道の店、見に行ってみたいと思っています。

 <追記> TBしていただいたwowmさんのエントリーは今回のRL日本進出の意図をとてもわかりやすく書いてあります。どうぞご覧ください。 !&?びっくり&はてな
 また、OPEN当日の繊研新聞によるとRRLも並んでるらしいですね。早く行かねば!

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March 29, 2006

コムサイズム復権の狼煙(のろし)

 27日の繊研新聞、ファイブフォックスの核事業であるコムサイズムの業務改革の記事がありました。
 
 同社は、最大手の一社でありながら、株式公開を否定し、ホームページすら持たないなど、ディスクロージャー(情報公開)を行わないポリシーの会社のため、関係者以外からは、なかなか客観的な動向を知ることが少ないので、興味深く読ませてもらいました。

 簡単に前説をしますと、1993年(ワールドOZOCスタートの翌年)、かつてコムサデモードのファンであった団塊ジュニアファミリーをターゲットとして、同社初の本格的SPA業態としてスタートしたコムサイズムは、2000年前後に全盛期を迎えました。 時代の先を読んだ高粗利率、伝説的な「おたたみ」など徹底したVMDときれいで高感度の売場はデベロッパーから引っ張りだこ。そのため同業態はSCでも売上歩合12%以下の好条件、低家賃比率を実現。また、大型化による低人件費率とあわせて極めて低い損益分岐点を誇っていました。感性の割には低価格で高い回転率を実現していたところを見ると、ある意味日本の「ファストファッション」のさきがけといっても言いすぎではないかもしれません。

 同社の特徴は一言でいえば、DCブランド出身の日本独特の感性に基づいたアナログによるトップダウン伝道型。前期期末店舗数はコムサイズムだけで255店舗にもなるそうですが、POSは導入しながらもITによる業務を否定し、全体会議、対面、電話、ファックスなどアナログコミュニケーションにこだわります。

 今回の記事によると、同業態は、多店舗化した属人的なチェーンストアにありがちな、ヤングに偏りすぎた商品企画による客離れや、低価格化による客単価の減、多店舗化に追いつかない人材育成などにより、2003年あたりから既存店の売上に翳りが見えてきたために、

・低価格帯をカットして本来の客層にあわせた商品群の投入
・それまで1人あたり10-15店舗を見ていたトレーナー50人まで増員して
 1人あたり5店舗といったきめ細かい店舗教育の実践
・店舗作業の効率化による接客時間の増加

などあくまでもアナログ的な方策が功を奏し、ここに来て前年比二ケタ増が狙える体制が整ってきたとのことです。

 好調な新興SPA企業の多くがIT活用による店舗と本部のインタラクティブな情報交換をすすめる中で、アナログによる上意下達の伝道にこだわるファイブフォックス社のコムサイズムが次世代にむけてどれだけ成果を出し続けられるか・・・とても興味深く、今後も見守ってゆきたいと思います。

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March 28, 2006

先週の記事別アクセスランキング

先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-BEAMS(ビームス)がヤクルトのユニフォームをデザイン(06.02.28)

 コメント:22日のファン感謝デーのニュースでアクセスが集中。

2位-今年は住空間ファッションが面白い(06.03.23)

 コメント:起爆剤のIKEA1号店は4/23にOPEN!

3位-セオリーがプラダからヘルムートラングの商標権取得へ(06.03.19)

 コメント:ラング氏ご本人の復活にも門戸を開いているとか。

4位-百貨店でもセントラルバイイングが功奏(06.03.20)

 コメント:追い風に乗って百貨店の品揃え改革に期待します。
 
5位-OLに小6サイズが人気(06.03.22)

 コメント:今年はファッションビジネスのサイズ対応に注目です。

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March 27, 2006

ユニクロが就職希望者に店舗実習

 本日の日経MJによるとユニクロが新卒社員の採用過程に現場研修を取り入れるとのことです。

 2次選考通過者を対象に、自宅の近所のユニクロで3日間(1日4時間x3日=12時間)、掃除、商品陳列、接客、レジ打ちなどの作業を行ってもらい、そこでの仕事ぶりは選考の対象とはしないながらも、店頭を実体験した上で最終面接に臨ませるというものです。

 インターンシップというよりも、就職前の学生に仕事の現実を知ってもらうことに重きを置いている模様です。
 
 一般的に、小売業では、新卒入社後、ほぼ全員が店舗に配属になります。しかしながら、ある意味当然なのですが、売上の半分を占める土日には休みが取れませんし、現場の仕事の細かさや泥くささも、手伝ってイメージと実際の仕事のギャップが理由で数年内に辞めてしまう人が少なくありません。
 
 そんなことで、これまで小売業ではパート・アルバイト出身で現場がわかるスタッフを即戦力として社員登用するケースも多かったと思います。確かに、そういった形の社員作りはこれからも有効であると思いますが、マーケットの主導権が製造側から生活者(リテール)側に移った今、もっともっと幅広く優秀な人材がアカデミックにリテールビジネスで活躍する時代になるのではないか、いや「ならねば」と思っています。

 「店舗で実習を通じて商売の楽しさなどを知ってほしい」(ユニクロ)

 そう、原点は人と人が接するところにある商売の楽しさ、それをどのように伝え、その先にある明るい未来(ビジョン)を見せてあげることができるか・・・

 日本の業界に課せられた大きな課題です。

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March 24, 2006

世界で働く人材

 22日、23日の繊研新聞にANF(アバクロ)日本法人立ち上げに関わり、同社が日本進出を見送った後、ギャップジャパン代表取締役に就任された田代俊明さんのインタビュー記事が掲載されていました。

 同氏はギャップジャパンの他に高級シューズのトッズジャパン、ジョージジャンセンの役員も兼務されており、日本人のファッション関係者として複数の外資系企業の役員を任されているという業界の逸材のひとりです。

 田代氏は名誉や報酬だけでなく、そんな働き方をすることで、世界に飛躍したいと考える業界の次世代の人材に自分の背中を見せたいと言います。

 日本のファッションマーケットは世界の中でも一流、世界に名をはせているデザイナーもいる。しかし、ビジネスとなると、人材はトップクラスの働き方が出来ていないし、評価もされない、国内の業界内でジョブホッピング(転職)を繰り返すだけの従来のステップアップの限界を指摘します。

 日頃ある外資系のブランド企業の社長さんや外資系企業専門ヘッドハンターの方々と親しくさせて頂いておりますが、それらの方々からよくお聞きするのは、やはりファッションに限らず、外資系企業の多くは実務担当の生え抜きの人が下から昇進で偉くなるケースは極めて稀で、ヘッドハンターたちの高所得マネージメントクラスのリストに載った限られた人たちが階層社会のように、企業間をキャリアという勲章を増やしながらトップクラスで転々とすることが多いようです。

 また国内外の国際的ファッション系リテール企業のトップクラスの方の経歴を見ているとビジネスを繊維業界としてではなくエンターテイメントビジネスと考え、違った業種と行ったり来たりされていることにも気付きます。
 
 そう、これから続々と日本に来襲する外資系リテール企業との競争はそんな発想の違うマネージメントがされている企業との競争になるのです。

 90年の初頭に需給バランスの逆転が起こり、05年にはいよいよ人口減が始まりました。完全な買い手市場の時代に「日本は異質なマーケットだから外資にはわからないだろう」と危機感を持たずにあぐらをかいていると、生活者に見放される時代もすぐそこに来ているかもしれませんね。

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March 23, 2006

今年は住空間ファッションが面白い

 22日の日経MJに「フランフラン」を展開するバルスの特集記事が組まれており、興味深く読ませていただきました。

 記事の高島社長のコメントから「(数年前に比べ)ファッションと住空間が別個にとらえられてきたのが、同じ目線で語られるようになった。雑誌などの影響もあるがたとえば自分の部屋をレストランやホテルなど「ハレ」の空間と同じように構成したい、というように豊かな空間やモノへのニーズは確実に増している。」

 10年ほど前に仕事でスウェーデン・ストックホルムへ行き来していたころ、同国の空間デザインと工業デザインセンスに惚れました。ヨーロッパの中で、いや世界の中でも、イタリアがアートの雄であれば、スウェーデンは工業デザインの雄であると、そして、どこにその秘密があるのか、興味を持ちながら、仕事の合間に大好きなキッチンウエアショップめぐりをし、シンプルだけど、形状のすばらしい商品をたくさん買い込んで来たものです。日本は狭いからこんなものは・・・とファッションインテリア商品に冷たい視線の同僚の言葉にうなづきながらも、いや、いずれは日本も・・・と思いをはせておりました。

 バルスのフランフランは、きっと彼らが日本のマーケットを変えてくれるだろう、当時日本に進出したアメリカのPier1(ピアワン)インポートは違うだろう、などと思いながら、そのころから注目しておりましたが、記事によると、ずいぶんコラボも増え、業態も増え、パリの見本市にJ-PERIOD(ジェーピリオド)も出展され、小売のバイヤーよりもデザイナーやレストランホテル関係者に人気だったそうです。これからはアジアだけでなく、欧州に打ってでるようですね。そう、バルスの商品は、北欧風で、日本市場にぴったりだと思っています。

 同日の日経MJに、私もコーヒーメーカーを愛用しているデザイン家電メーカー、デバイスタイルの記事も出ていました。ご存知のように、同社は、ケンウッドの企画部門で次々とシンプルだけれどもセンスのあるデザインでヒット商品シリーズを生み出した鈴木さんが独立して作られた「企画」と「営業」に特化し、その他の機能はアウトソーシングし、コスト削減して生活者にシンプルチックを提供する人気の異色メーカーです。

 彼らも今年、イタリアミラノの世界最大の家具見本市「ミラノサローネ」に出展し、欧州マーケットを狙うそうです。やはり、デバイスタイルにも何か北欧的なものを感じるんですよね。

 何度もブログで触れていますが、今年は、工業デザインの雄、スウェーデン本家からIKEA(イケア)がやってきて、まもなく4月下旬にOPENとのこと。

 今年は、きっと住空間ファッションが注目されます。そして、バルス、デバイスタイル・・・日本企業も捨てたもんじゃない、と比較して楽しみたいと思っています。

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March 22, 2006

OLに小6サイズが人気

 20日の日経MJによると、百貨店の子供服売り場の150-160サイズが小柄な大人の女性客に人気で、平日の夕方にはキッズ売り場に自分用の服を購入する会社帰りのOLの姿が少なくないとのことです。

 最近は、自分の子供に昔ながらの可愛いらしい子供服ではなく、大人達が着ているテイストの服を着せたがる親が増え、大人向けブランドのメーカーが子供サイズの服を生産するケースが増えています。サイズさえ問題なければ、大人でも人前で十分着用に耐えられます。しかも大人用より安いときているから納得の話ですね(実は、原価の話をすると、生地代は確かに少なくてすみますが、その他のコストは同じなので、あまり割があわないんですけどね)。

 今回記事で紹介されていたのはGAPキッズ、セオリープチなど。セオリープチのスーツは価格もジャケット3万4650円パンツ2万1000円とそれなりなんですが、購入客の5割は大人の女性客だそうで、同ブランドは、試着用に大人のパンプスも用意しているとか。

 アメリカでは多くのブランドが大人の小さいサイズの服、petit(プチ)サイズのラインを展開しています。今後、ニコラとマルキューの狭間のポストニコラ世代マーケットもにらみながら「小さいサイズの服」マーケットも新しい展開を見せそうですね。

 関連エントリー-ファッション業界でサイズ対応が始まる

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March 21, 2006

先週の記事別アクセスランキング

先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-第2回 東京ガールズコレクション日程決定(05.12.07)

 コメント:前回に引き続き多くのアクセスを頂きました。先日の繊研新聞の1面に、
      生活者視点のTGCと業界視点のJFWが明暗のように取り上げられて
      いたのが印象的でした。

2位-ファストリはコントワー・デ・コトニエをどう活かせるか(06.02.17)

 コメント:世界のノウハウを活かし一皮も二皮もむけるユニクロを期待しています。

3位-サマンサタバサのプロダクトプレースメント(06.03.13)

 コメント:生活者心理に徹底的に訴えるマーケティング力に妥協が感じられません。

4位-アパレルのノウハウを異業種に活かす(06.03.15)

 コメント:視点を広くもてば、活躍の場はどんどん広がると思います。
 
5位-ユニクロ6000億円達成に必要なこと(06.03.16)

 コメント:生活者視点でマーケットの隙間に入り込む余地はまだまだあると思います。

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March 20, 2006

百貨店でもセントラルバイイングが功奏

 19日の日経新聞、大丸百貨店の山本社長のインタビュー記事。同社は、従来の各店仕入れから本部一括仕入へ移行し、上々の成果を上げているとのこと。

 実際に、05年3-8月期、全店の婦人靴、紳士服売り場など5つの売り場で始め、対象売り場は売上前年対比8.2%の伸び、05年9月-06年2月期は25の売り場に広げ同5.9%の伸びを見せているとのことです。

 百貨店の多くは、従来、顧客に近い各店の売場担当者が同じ会社ながら個々にアパレルメーカーに発注をしているケースがほとんどで、顧客の近くにいるというメリットがあるにもかかわらず、

・実は接客はアパレルの派遣社員に任せているので
 どこまで体感できているかわからない。
・森(マーケット)を見るより木(自店)を見てしまっている。
・会社全体のバイイングパワー(購買力)を生かせず、
 実はアパレル主導の品揃えになっている。

 というようなデメリットがあり、百貨店の看板の集客力はありながら、多くの売り逃しをしているのが現状ではないか、と思われます。

 このような課題への対策として、本部一括仕入=セントラルバイイングへの動きが大丸以外にも高島屋、松坂屋、阪急などで始まっているようです。

 専門店チェーンでは、当たり前のことなのですが、セントラルバイイングにおいては、バイイングパワーを高めることも大事ですが、各店の客層の違いを知った上で、当初の品揃えの仮説を立てて初回投入を行い、売れ行きに応じて検証し、取引先との期中交渉はもちろんのこと、売上だけでなく、在庫管理をしっかり行い、店間移動も視野に入れて、適材適所を実現し、いかに売り切るかを取引先と二人三脚で実践することが大事ではないか、と思います。

 また、一部の百貨店の婦人靴売場のICタグ実験の効果でも実証されたように、もっともICタグがあってもなくても、顧客の立場に立った「在庫管理」を行うことを忘れてはなりません。

 景気も回復して追い風が吹いている今、このあたりの改革も進めば、百貨店はまだまだお客さんの期待に応えられると思いますよ。

 関連エントリー-百貨店婦人靴売り場でICタグ本格稼動開始

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March 19, 2006

セオリーがプラダからヘルムートラングの商標権取得へ

 18日の日経新聞、繊研新聞によると、セオリーを展開するリンクセオリーホールディングスは、3月末までに、ハイファッションで名高い「ヘルムート・ラング」の商標権をプラダから取得するとのこと。

 ヘルムートラングは、ご存知の通り、オーストリア出身のデザイナーブランドで、「ミニマリズム(※注)の旗手」として80年代から90年代にかけてパリコレを中心に活躍し、世界のハイエンド百貨店・専門店売場に並んでおります(日本では伊勢丹新宿・西武渋谷など)。99年プラダが51%取得、04年に完全子会社化。その後、売上もピーク時の1/3に落ち込み、赤字でプラダグループの損益の足を引っ張っていたようで、ミニマリズム再燃?の追い風にも関わらず、05年春以降のパリコレには出ず、ラング氏ご本人も05年1月に退任していたようで、今回の買収は、リンクセオリーによるヘルムートラングブランドの再生ビジネスになる模様です。同社は、2007年春夏、NYで新生ヘルムートラングを再スタートする予定とのことです。

※注 ミニマリズムとはあまり装飾をせず、デザインはシンプルながら、素材感やカットやシルエットで感性を伝えるスタイル、といったらよいでしょうか。HLの場合、素材も合繊や機能素材もよく使っていたと記憶していますが。

これからリンクセオリーがヘルムートラングをどう再生させるかの考察は、両国さくらさんのファッション・イン・ファッションで詳しくかつ興味深い展開がされているので、どうぞそちらもご覧ください。

 私も、ヘルムート・ラングは、こなし方によって、普及性、シナジー効果は十分にあると見ており、今回の買収は、セオリーにとっても、ユニクログループにとっても面白いチャレンジ、いい買物になると期待しています。

 ファストリの潤沢な資金を背景に、リッキー佐々木さん(リンクセオリーの社長)という世界のファッション戦略の通訳者をパートナーにした柳井会長のところへは、これからも面白い話が持ち込まれることになると思いますが今後も楽しみにしています。(ある日本人ブランドの権利奪回作戦もうまくいくといいですね。)

 ところで、権利を譲渡する側のPRADA(プラダ)にも興味深い話題があります。よろしかったら、本日2つ目のエントリーもお読みください↓↓↓↓。

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PRADA(プラダ) for H&M(エッチアンドエム)が実現するとファッションの民主化が進む?

 04年カールラガーフェルド、05年ステラマッカトニーに続き、06年のコラボパートナーが注目されている世界最大のファストファッションの雄、H&M(エッチアンドエム)。ステラのコレクション発表後、昨年の11月末ごろからご存知 “PRADA(プラダ)” の名前が囁かれ始め、2月の中旬には、第一回目の話し合いが持たれたのではないか?というファッション系のネット記事を読みました。

 FASHION WEEK DAILY

 記事によると、PRADAもH&Mもこの事実を正式に認めていないようなので、まだ噂の域を越えていません。しかしながら、実現したら、過去2回以上のインパクトとなり、とても面白いことになりそうだと、その後、関連情報を追っている次第です。

 この間に、その可能性に対する興味深いブログのコメントを見つけましたので引用コメントしたいと思います。このブログの実態は詳しくはわかりませんが、Manoloさんというシューズブロガーの方のもののようです。

 Manolo's Prada Blog

"If this it were to happen the Manolo would consider it not only terribly exciting, but also and more importantly, one of the milestones in the continuing democratization of the fashion."

 「これが実現したら、それ自身が極めてエキサイティングだ、というだけでなく、それよりも重要なこととして、進みつつある『ファッションの民主化』の歴史的な一ページになるであろう(小生訳)。」

 このフレーズのニュアンスにとても共感できます。

 プラダは、ハイファッションの中で、工業用ナイロンという極めて庶民的な素材で、「手の届くラグジュアリー」を実現し、一躍有名になりました。そういう意味で、プラダ自身も「ファッションの民主化」に大いに貢献した存在であったと思います。

 PRADA for H&M 是非実現して欲しいですね。

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March 16, 2006

ユニクロ6000億円達成に必要なこと

 本日の日経新聞、繊研新聞によると、ファーストリテイリングが今秋からダイエーなどで展開するユニクロよりも低価格の新業態を運営する専門会社を今月中にも設立するとのことです。社名は、株式会社GU(ジーユー)、その名の由来は「自由(じゆう)」をアルファベットにあてたそうで、繊研新聞によると、それが店名になるかどうかわからない、また、マーチャンダイジングについては、ファストリのホームページプレスリリースを読む限りでは、

「アウターから、インナーに至るまでフルラインを企画・生産し、子供から大人まであらゆる方にご支持頂ける、カジュアル衣料品ブランドを提供する製造小売業(SPA)を志向してまいります。」

とあるだけで、業界内での噂話でも、アメリカの業態視察を終えたばかり・・・などその中身はまだまだ未定の部分が多い模様です。

 また、15日の日経MJに、ユニクロのレディース商品だけを抜き出した約80坪の店を自由が丘にOPENし、商品は既存店とほぼ同じでも陳列、スタッフの服装、接客・・・売場環境に気を配ったレディースショップとしての実験が始まっているとのことです。

 今後のまちづくり三法改正後のいわば「ポストSC時代」の成長戦略を考えると、各社30-40坪の小型新業態の開発に躍起で、ユニクロもユニクロキッズやボディバイユニクロ(レディース下着)の出店を始めています。

 しかし、私は、このレディース特化店舗の多店舗化が、同社のユニクロ業態を格とした2010年、年商6000億円戦略達成のカギを握る本命ではないか、と見ています。

 レディース客層を10代から50代まで幅広く取り込む、ベーシック+トレンドファッションのカテゴリーキラー・・・アメリカで言えばある意味、LIMITED(リミテッド)のような。日本的にいうと、かつてのアニエスベーやナイスクラップ、はたまたナチュラルビューティの廉価版かもしれません。立地は、日本全国のSCおよび駅前路面店です。その業態での実験商品はもちろん既存のユニクロにもかけがえのない情報源になるでしょう。
 
 ただ、一つだけ、屋号は変えたほうがいいと思います。たとえばUNIQLOのイニシャルをとってU(ユー)とか。それって丸井のRU(アールユー)みたいですか?

 関連エントリー-ファストリ、ダイエーでの低価格業態出店決定(06.1.27)

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March 15, 2006

アパレルのノウハウを異業種に活かす

 本日の日経新聞によると、総合人材サービスのインテリジェンスはインテリア業界向けの人材紹介事業を始めるにあたり、ファッションに明るい人材として、アパレルや服飾雑貨の商品企画、販売経験者の転職を促進するとのことです。

 背景には、ここ数年アパレル、服飾雑貨企業のインテリア市場参入が増え、競争が激化しているのに対し、既存企業がそれに対抗するために、ファッション業界に明るく、流行に敏感な人材を集める傾向があるようです。

 また、何度もこのブログで、ご紹介していますが、この春のIKEA(イケア)の日本再進出により、生活者を取りまく日本のホームファッションが急速に活性化すると思われます。その際、当然、アパレルを中心とするファッション業界のノウハウがキーポイントになってくると思います。

 ファッション業界にどっぷりつかっていると、意外と気がつかないかもしれませんが、親しいファッション系のシンクタンクは、今やクライアントの半分以上は、異業種だと言います。私自身も何社かの異業種のクライアントさんがいらっしゃいます。皆さん、鮮度とスピードで生活者の心理に訴えるファッションビジネスのノウハウを羨んでいらっしゃいます。

 極めて単純に考えても、生活者の購買頻度が多く、商品回転率の高い商品を扱っているほど、鮮度とスピードを求められ、そんな競争にさらされた業界が、その他の業界に伝授できるノウハウは少なくない、という話です。
 
 今年は、ホームファッションと靴業界でアパレルファッション業界のプロが活躍する年ではないか、と見ています。

 関連エントリー‐IKEA(イケア)が日本のホームファッション業界を変える?(05.11.07)

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March 14, 2006

先週の記事別アクセスランキング

先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-第2回 東京ガールズコレクション日程決定(05.12.07)

 コメント:11日のイベントオープニングは、木村カエラのCircleをBGMでアプワイザー・リッシェを
      着たエビちゃん。なかなか決まってましたね。

2位-アバクロ日本進出延期(05.12.13)

 コメント:アメリカ市場での勢いはとどまるところを知らず。
      日本のANF立ち上げ予定メンバーはGAPジャパンに参画した模様です。

3位--ファストリはコントワー・デ・コトニエをどう活かせるか(06.02.17)

 コメント:まだ、なかなか情報が少ないようで、サーチエンジンからよくアクセスがあります。

4位-ハニーズが極めるデマンドチェーンマネージメント(06.03.07)

 コメント:日本のファッションビジネスのひとつのベストプラクティスになっています。
 
5位-冬物商戦後半で明暗分けたSPAと集荷型ストア(06.03.06)

 コメント:答えは、業界を見ているか、生活者を見ているか、
      そして生活者との距離、に尽きます。

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March 13, 2006

サマンサタバサのプロダクトプレースメント

 先週末11日の日経新聞、「ヒットの舞台裏」に、サマンサタバサリミテッドが行う、いわゆる「プロダクトプレースメント」の事例が掲載されていました。

 人気となった同社の宝飾品シリーズ、アールbyサマンサティアラ は、TBS系ドラマ「輪舞曲-ロンド-」と組み、チェ・ジウ、イ・ジョンヒョンに劇中で見につけさせ、従来よくある単なる「貸し出し商品」ではなく、番組作りの段階から放送局と打ちあわせを行い、販売促進策を決めていったそうです。
 ドラマを見て、欲しいと思った顧客がすぐに購入できるよう、自社のインターネットサイト、ケイタイサイト、TBSサイトで購入サイトを待ち受けていた模様で、百貨店などでも販売はしておりますが、ネットでの販売実績が7割にも達するとのことです。
 アクセサリーのみならず、バッグの「サマンサタバサ」でも主人公と恋人を橋渡しする犬の首輪やキャリーバッグに使われているとのことです。

 冬ソナのポラリス、フィギュアスケート金メダリストの荒川静香選手のラ・ザールの「スリーストーンダイヤモンド」ピアスの事例を見ても、高額アクセサリーのプロダクトプレースメントはとても効果的なようですね。

 もっとも効き目のある手法に集中投資される・・・またしても、寺田社長は「しかけ」がうまい方だな、とうなづかされたものです。

 しばらくプロダクトプレースメントはブームになりそうですかね。

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March 12, 2006

ブログ始めて1年経ちました。

 おかげさまで、ブログを始めて1年が経ちました。この間多くのエントリーを続けられたのも、ひとえに多くの方々のコメント、TB、アクセス数のおかげだと思っています。心より感謝申し上げます。

 さて、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、ブログの左側の「カテゴリー」は、エントリー記事を私なりに、
 
 日本のファッション流通の“現在(いま)と未来”を考える「キーワード」
 
 で分類して、「目次」に見立てたものです。

 1年を経過し、今年の時流にあわせて、2つだけ見直し、変更しました。
 ひとつは、従来の「SC時代」をまちづくり三法改正により変わる商圏を意識して、「ポストSC時代」としました。
 もうひとつは、 「ファストファッションの挑戦状」 を追加し、今後、ZARA(ザラ)、H&M(エッチアンドエム)などのファストフードならぬ「ファストファッション」が着実に世界のファッション業界に及ぼしてゆく影響を意識的に取り上げていきたいと思っています。

 よろしければご興味のあるカテゴリーのところからでも是非ご覧いただき、これからのファッションビジネスを考える上でのご参考になれば、と思っています。

 これからも、「生活者に近づくファッションビジネスのチャレンジ」を当ブログのテーマとし、エントリーを続けていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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ブログ1周年コラム~ランウェイの向こうにあるもの

 昨日は、親しくお付き合いをさせていただいている雑誌社の方のご配慮で東京ガールズコレクション(TGC)を覗きにいってきました。(Mさん、ありがとうございました。)

 会場は主催者側発表約2万人の20歳前後の女性ファッションフリークに埋め尽くされ、なかなか熱いイベントでした。回を重ね、主催者と観客のイベントの楽しみ方がもっと合致してくれば、もっともっとゼイヴェルの大浜社長の意図する形になってくるだろうな、なんて思いながら、ファッション界における画期的なチャレンジを上(2階席)から下(ランウェイ横アリーナ)からいろんな角度から眺めて楽しんでおりました。入場されたお客さんすべてが、いろんなところからショーを楽しめるすばらしいイベントです。

 今回のTGCの40mにおよぶランウェイ(花道)を人気ブランドを着て歩くカリスマモデルを見ていて、あることを思い出しました。

 5年くらい前になりますが、H&M(エッチアンドエム)がアメリカに進出して、ニューヨークの5番街に旗艦店を出店した後のこと、すごい売れ行きとの話で、これは出張にあわせて、リサーチせねば、と行った時のことです。平日の午後に関わらず、すごい女性客。各フィッティングルーム前には5点以上の商品を手にもち並ぶ10人以上の、5番街のブランドショップや百貨店で買い物をしていそうな女性客。OPENから数ヶ月経っていたと思いますが、バーゲンさながらの様相。

 何が、その魅力なのかを知りたくて、ニューヨーク滞在の3日間、毎日、店に足を運んだものです。

 吹き抜けの店舗の一番高い階(確か4階)からパティオ状になった1階のエントランスからVMDの並ぶ通路を真っ直ぐ歩いていく女性顧客たちの姿を眺めていました。BGMにあわせてさっそうと歩く女性客。それが、ある時、私の目には、ランウェイを歩くモデルたちに見えたのです。きっと歩いている顧客も自分がランウェイを歩くモデルになった気になっているのではないか、そして、H&Mの経営者たちは、それを演出しているに違いないという確信。
 ちょうど偶然か、BGMにスウェーデンが生んだスーパースターABBAのダンシングクイーンが流れたものだから、H&Mの経営者たちがこの様を見たら、してやったり、NY制覇、感無量だろうな、と思ったものです。(その後、私の見たアメリカ、イギリスのH&Mの店には、大方、仮想ランウェイがあったと記憶しております。)

 この時、私は、ファッションビジネスの真髄とH&Mが世界一になる可能性を感じたものです。

 洋服を着るすべての人にそれぞれのランウェイ(花道)はあります。それは、ハレの場だけではなく、職場であったり、学校であったり、ストリートであったりするでしょう。生活者は自分自身のランウェイで、決して他人との比較での優劣ではなく、しかし、人前で最低限、恥をかくことなく、自分らしく輝くことを求めています。そしてそれを認められたいと思っているはず、と思います。

 ファッションビジネスの本質は、トレンドだろうが、ベーシックだろうが、顧客(生活者)をそれぞれのランウェイで勇気付け、輝かせること。そして、その継続的なお約束だと思っています。決して目先の流行やなんだじゃないだろうな、と。

 そんな本質がわかっていて、なおかつ、実践をする日々の積み重ねが、きっと生活者のこころを捕らえるのだろうなと改めて噛み締めている次第です。

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March 10, 2006

ファッション業界でサイズ対応が始まる

 8日の日経MJに丸井がサイズの大きい女性向けの自主編集売場 「マルイモデル」 を展開するとの記事がありました。一般アパレルで13号~23号、ジーンズは32インチ~40インチ、靴は24.5~26センチを品揃えし、店内はセレクトショップのように高級感があり、センスのよい内装、VMDを施すとのことです。

 よくアパレル業界や靴業界の方々と、日本人の体型の変化に対応して、いわゆる大きいサイズの展開をしないのですか?という話をするのですが、「あぁ、やってるよ」、「でもあんまり売れないんだよね」、という言葉が返ってくるものです。

 先日、長年大きいサイズに特化している、という服と靴のお店それぞれを見る機会がありました。大きいサイズの服屋では、ホンジャマカの石塚さんが着ていそうなメインVMDがヤケに印象的でした。

 大きいサイズの靴店については、確かにサイズバリエーションは見事なものでありましたが、たぶんこの店は10年前もこんな感じだったでしょうし、おそらく5年後に来ても同じ品揃えなんだろうな、と思いながら店を見ていたものです。

 卑弥呼がQUEENS卑弥呼という大きいサイズの婦人靴の業態をスタートしたことは、以前このブログでも取り上げましたが、先日読んだ、ユナイテッドアローズの中長期成長戦略の記事。主業態のUAから若い層をターゲットにした新業態「BYユナイテッドアローズ」を分離させることによって、もともとのUA業態は、その「らしさ」を追求する、そして、「大人」に幅広く対応するため、サイズにも対応をしたい、という一文がありました。

 ポイントが、ローリーズファームやグローバルワークの年代を卒業した生活者向けにそれぞれアパートバイローリーズ、アンダーカレントというブランドを立ち上げますが、これらの新業態についての記事の中にも、同社が得意とする高感度で、買いやすい中間価格帯を狙いますが、「年代に合わせたサイズ対応」のキーワードをしっかりを読み取ることが出来ます。

 業界は、正直、これまで、効率重視によって、モデルばりにスタイルがよくなってきている日本人女性やスポーツマン体型のナイスガイが増えているのに、また、歳をとって、少し体型が変わっても素敵でいたい人が多くなっているにもかかわらず、対応が遅れていたり、配慮が足りなかったと思います。

 今年は、ZARAなどの外資SPA企業の刺激も手伝って、ようやく業界が生活者のサイズ&感性のニーズ・ウォンツに目を向けて動き始めたな、という気がしています。

 そう、センスのいい「大きいサイズ」=「モデルサイズ」という表現が実に生活者の心をくすぐりますよね。

 関連エントリー-業界はサイズの需要に対応しているか?

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March 07, 2006

ハニーズが極めるデマンドチェーンマネージメント

 昨日、6日の日経MJの1面全面および3面に急成長を続けるヤングレディースファッションSPAハニーズのオペレーションが特集されていました。

 今回の記事の内容は、

・店頭場からの体系的な情報の吸いあげ
・生活者に近い全社員参加型MD
・効果的なストリート定点観測
・徹底して週間単位で手を打つ業務サイクル
・4週間QR生産
・大卒社員活用による早期店長育成

など、もともと同社は業界のベストプラクティスのひとつとして業界誌やビジネス誌でたびたび紹介されている内容ばかりで、決して目新しいものはありませんでしたが、同社の成長の理由が、業界外の方、これからファッション業界を志す方にもとてもわかりやすくまとめられていますので、次世代ファッションビジネスの事例として是非お読みになることをお勧めします。

 同社の事例を読んでいると、いつも私がもっとも尊敬するファッションビジネスマンのひとり、リミテッドグループ創業者レス・ウェクスナー氏の言葉を思い出します。

  「デザインの天才はいらない。必要なのは頑固で綿密で努力するリサーチャーであることだ」

 そう、江尻社長率いるハニーズは、流行は作り出さないかもしれないけれど、もっとも生活者に素直に向かいあい、アカデミックにファッションビジネスを考え、可能な手は、ことごとく実践している様子が伺えるのです。

 リミテッドが、ZARA(ザラ)が、H&M(エッチアンドエム)がハイスピードでマーケットに対応するために行なっている手段をことごとくベンチマークしているのか?あるいは正しい手法を普通に追求していくと結果的に誰もが行き着く方法なのかもしれません。レス・ウェクスナー氏はこうも言いました。

 ”Do the right things in the right way.That's it”

 (生活者のために)正しいことを正しい方法で行えばよい。生活者を起点にデマンドチェーン発想で躍進するハニーズ社。 記事にもあるように、急激な出店がアキレス腱になっているかもしれませんが、従来のファッションビジネスとは違うことを、見せつけて乗り越えて行って欲しいと思います。

 関連エントリー1 -ハニーズ東証一部に上場(05.05.02)

 関連エントリー2 -ハニーズは日本のH&Mになれるか(05.07.14)
 
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先週の記事別アクセスランキング

先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-英雑貨チェーン「アクセサライズ」日本上陸(06.02.27)

 コメント:イギリスチェーンが日本の大人の服飾雑貨マーケットを刺激するか?

2位-アバクロ日本進出延期(05.12.13)

 コメント:相変わらず、SNSコミュニティで大人気ですね。

3位-ZARA(ザラ)ジャパン スペイン本社100%出資へ(05.12.22)

 コメント:中国でも1号店オープンし、やはりモデルばりのお客さんで賑わっている模様です。

4位-ファストリはコントワー・デ・コトニエをどう活かせるか(06.02.17)

 コメント:日本では100億円、世界で500億円の長期戦略だそうです。

5位-レディースビジネスのノウハウをメンズに活かす(06.03.01)

 コメント:女性の視点でメンズマーケットが活性化することを期待しています。

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March 06, 2006

冬物商戦後半で明暗分けたSPAと集荷型ストア

 先週あたりにファッション流通各社から報告された2月度の月次報告を見ていて、自ら週間単位で商品開発を行っているSPA企業とシーズン単位でメーカーから商品を集荷するチェーンストアの力の差をまざまざと痛感させられました。

 一般的に、百貨店、GMS、NB集荷型チェーンストアの多くは、夏にしろ冬にしろ、後半戦は、メーカー在庫の放出品、セール玉による売上アップと利益アップをあてにしていることでしょう。それゆえに、そのころ必要な商品は、シーズン前には、わざとつけないのが暗黙の了解になっていたりします。

 この冬は、寒波のおかげで、コート、セーター、マフラーなど、いわゆる防寒ものがよく売れて、昨年11月、12月の冬物商戦、ファッション流通各社は、例年にない好調な売上を記録しました。

 ところが、1月後半、2月は、アウターの「玉切れ」を理由に売上前年割れを説明する企業が少なくありませんでした。おそらく、2月の落ち込みも、11月、12月のリザーブ分でまかなえているでしょうから、それほど深刻に考えていらっしゃらない、のど元過ぎれば・・・の企業も多いかと思います。

 改めて思いますが、「玉切れ」(=メーカーに在庫がない)はお客さんに対しては、説明にならないですよね。次世代リテールビジネスでは無能を認めているようなものかもしれません。

 同様に、集荷型ストアは、いわゆる端境期に弱いと言われます。もちろん、メーカーさんは、販売期間の短い商品にリスクは張りたがらないし、ストア側もリスクを負いたくないわけで、なかなか暖かくならなかったり、残暑となると変化対応し切れずに、売上を落としがちです。

 一方、ポイントなど、好調SPA型企業は、逆に、こういうときに立派な数字を残されますね。週間単位でMDを組まれているからこその臨機応変の仕掛けが功を奏しているのだと思います。だから、周りが売れている時は、ますます売れるというものです。

 ここらへんの違いに焦りを感じて、ヴァーチャルSPAを模索する大手GMSのチャレンジが始まっていますが、大上段から入らず、仮説検証に基づくリスクを張った上で、「お客さんとの距離」を見直すところから始めることが現実的ではないかと思います。

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March 03, 2006

来週のTGC x GEISAI#9は熱くなりそう

 今週の初めに繊研新聞に折り込まれた繊研h(アッシュ)という月刊のハイエンドファッションフリーペーパー。普段は、さっと眺めて終わりなのですが、いよいよ来週に迫った、3月11日東京ガールズコレクション(TGC)と3月12日GEISAI(ゲイサイ)#9でコラボをすることになったゼイヴェルの大浜社長と現代美術アーチストの村上隆氏の対談記事に目がとまり、じっくり読んでいたら、久しぶりに胸が熱くなりました。

 海外で名を上げ、逆輸入的に日本のアートを盛り上げている村上隆氏がTGCのどこに、可能性を感じたか、という部分で、(以下引用)
 「そもそもモード界で何でコレクションをやるのかと考えると、プレスやジャーナリストにランウエーの特等席を準備して、彼らを丁重にもてなし、媒体のページを割いてもらいメディアへの多く大きい露出をさせたい、というゴールがあるから。そしてそれがブランドそのものの売れ行きへと直結していく。では、TGCのショーのゴールは?と言えば、媒体を介さない直接お客様へ向けたプレゼンテーションとなっている。つまり、ショーの最中に商いが成立しているという大きな革命ですよね。」(引用終わり)

 同氏は、ある意味、生活者不在のハイファッション暗黙のヒエラルキーを指摘し、それを 生活者を上にしてひっくり返そうという試み であるところがすごい、と誠に的確にTGCのチャレンジのすごさを評価しているわけです。

 また、大浜社長のコメントで、「TGCを海外に持っていく話もあって我々も見せたい気持ちはありますが、まずは5年、10年日本で続けていって、海外から日本に来てもらいたい。」とのくだりを読んでいる時、音楽業界のフジロックフェスティバルのことが頭をかすめました。海外からリアルクローズの新鋭デザイナーを招聘して、「ファッションのフジロック」ってのも悪くないですよね。

 そう、お二人が指摘されているように、マルキューブランドはじめ、東京ファッションが世界のバイヤーから注目されている昨今、もしかしたら、海外に出て行かなくとも、東京にいること、東京で成功すること、そして海外から人を引き寄せる魅力を発信し続けることが、インターナショナルなことだ、なんて時代ももう来ているんじゃないかな、と感じ、胸が高鳴ったものです。

 来週末そして、その後、彼らに何が起こるか、とても楽しみです。

 ゼイヴェル TGCxGEISAI#9 プレスリリース記事

 関連エントリー 第2回 東京ガールズコレクション日程決定(05.12.09)

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March 02, 2006

ZARA(ザラ)中国本土1号店開店

 ローリングストーンズが4月に中国公演決定とのニュースを聞いた矢先、3月1日の繊研新聞によると、去る2月24日、スペインのファッションSPA企業、インディテックス社のZARA(ザラ)が上海に中国1号店をOPENしたことについての記事がありました。

 インディテックス社のホームページのプレスリリースも併せて読むと、上海のもっとも盛んなラグジュアリーブランドも密集するショッピングエリアに、2つのお店をぶち抜いて30メーターの間口を確保した2層600坪のメンズ・レディ-ス・キッズフルラインの大型店で、記事によると今年 上海と北京にもう一店舗づつOPENするようですね。

 記事によると価格は、スーツとシャツの価格を見る限り、ほぼ日本と同じくらいの模様、原産国はポルトガル、モロッコ、中国など、とあります。

 もともとヨーロッパをマーケットの中心に位置づけ、スペインをメインに、地中海沿岸諸国で生産を行って、その他の地域へもFEDEXなどと提携して空輸していた同社。62カ国2700店舗体制の世界戦略の中で、日本のほかにマレーシア、シンガポール、タイ、インドネシア、フィリピンに35店舗と、アジアへの出店も加速しているようです。今回の中国出店が、マーケットだけでなく、ソーシング(生産)活動の意味でもアジア戦略の拠点作りの布石になるのではないか、とちょっと興味深く見守っています。 

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March 01, 2006

レディースビジネスのノウハウをメンズに活かす

 1日の日経新聞に2つの興味深い記事が載っていました。

1.大手婦人下着メーカー、「トリンプ・インターナショナル」が、2月中旬に男性向け補正下着ロングガードルを約50店舗で販売したところ、月末までに完売したとのこと。これは、いわゆる美脚パンツを履く男性がヒップラインをきれいに見せる目的で支持されているとのこと。

2.人気バッグブランド、「サマンサ・タバサ」が今秋、男性向けバッグブランド「サマンサキングズ」を立ち上げ。旅行、ビジネスバッグほかネックレスなどをメンズ専門の直営店で展開し、5年後に年商50億円を見込む、とのこと。

 共に、
 ①レディースマーケットで成功した
 ②女性が活躍している会社が
 ③その感性で、新しいメンズマーケットを開拓しよう
という試みです。

 以前も紹介しましたが、3月18日には、渋谷109②(マルキューツー)にメンズフロアが登場しますし、それに先駆けて、ラフォーレ原宿には、既にメンズショップ群が入居済みです。

 関連エントリー109(マルキュー)にメンズフロアデビュー(06.02.01)

 一昨年、昨年から好況なメンズマーケット。もともとは比較的保守的なところがあることは、業界も認めるところではありますが、成熟した生活者は変化を期待している、待ちわびている、と思います。

 今年は、そんなメンズも、ファッショナブルで、スピード感のあるレディースファッションビジネスによる新しい切り口で活性化してゆく、とてもエキサイティングな年になるな、と楽しみにしています。

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