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March 12, 2006

ブログ1周年コラム~ランウェイの向こうにあるもの

 昨日は、親しくお付き合いをさせていただいている雑誌社の方のご配慮で東京ガールズコレクション(TGC)を覗きにいってきました。(Mさん、ありがとうございました。)

 会場は主催者側発表約2万人の20歳前後の女性ファッションフリークに埋め尽くされ、なかなか熱いイベントでした。回を重ね、主催者と観客のイベントの楽しみ方がもっと合致してくれば、もっともっとゼイヴェルの大浜社長の意図する形になってくるだろうな、なんて思いながら、ファッション界における画期的なチャレンジを上(2階席)から下(ランウェイ横アリーナ)からいろんな角度から眺めて楽しんでおりました。入場されたお客さんすべてが、いろんなところからショーを楽しめるすばらしいイベントです。

 今回のTGCの40mにおよぶランウェイ(花道)を人気ブランドを着て歩くカリスマモデルを見ていて、あることを思い出しました。

 5年くらい前になりますが、H&M(エッチアンドエム)がアメリカに進出して、ニューヨークの5番街に旗艦店を出店した後のこと、すごい売れ行きとの話で、これは出張にあわせて、リサーチせねば、と行った時のことです。平日の午後に関わらず、すごい女性客。各フィッティングルーム前には5点以上の商品を手にもち並ぶ10人以上の、5番街のブランドショップや百貨店で買い物をしていそうな女性客。OPENから数ヶ月経っていたと思いますが、バーゲンさながらの様相。

 何が、その魅力なのかを知りたくて、ニューヨーク滞在の3日間、毎日、店に足を運んだものです。

 吹き抜けの店舗の一番高い階(確か4階)からパティオ状になった1階のエントランスからVMDの並ぶ通路を真っ直ぐ歩いていく女性顧客たちの姿を眺めていました。BGMにあわせてさっそうと歩く女性客。それが、ある時、私の目には、ランウェイを歩くモデルたちに見えたのです。きっと歩いている顧客も自分がランウェイを歩くモデルになった気になっているのではないか、そして、H&Mの経営者たちは、それを演出しているに違いないという確信。
 ちょうど偶然か、BGMにスウェーデンが生んだスーパースターABBAのダンシングクイーンが流れたものだから、H&Mの経営者たちがこの様を見たら、してやったり、NY制覇、感無量だろうな、と思ったものです。(その後、私の見たアメリカ、イギリスのH&Mの店には、大方、仮想ランウェイがあったと記憶しております。)

 この時、私は、ファッションビジネスの真髄とH&Mが世界一になる可能性を感じたものです。

 洋服を着るすべての人にそれぞれのランウェイ(花道)はあります。それは、ハレの場だけではなく、職場であったり、学校であったり、ストリートであったりするでしょう。生活者は自分自身のランウェイで、決して他人との比較での優劣ではなく、しかし、人前で最低限、恥をかくことなく、自分らしく輝くことを求めています。そしてそれを認められたいと思っているはず、と思います。

 ファッションビジネスの本質は、トレンドだろうが、ベーシックだろうが、顧客(生活者)をそれぞれのランウェイで勇気付け、輝かせること。そして、その継続的なお約束だと思っています。決して目先の流行やなんだじゃないだろうな、と。

 そんな本質がわかっていて、なおかつ、実践をする日々の積み重ねが、きっと生活者のこころを捕らえるのだろうなと改めて噛み締めている次第です。

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Comments

H&Mって「何かあるかな?」と思って足を運びつつ、
何1つ買わずに出てくることが多いお店なんですが、
ここでビジネス視点のH&Mに触れたとき、
もう結構な数行ってるはずの5アベの店舗を、
無償に客目線以外の視点で見てみたくなって、
先月、実際にNYまで見に行っちゃったんですよ。
(お会いする前日までNYいたのは実はそのため。)

H&M見てると、価格帯としては結構似てるのに、
RIOやSUZUTANが冴えない理由が分かりますね。

1周年おめでとうございます☆

Posted by: なおこ | March 13, 2006 04:01 AM

なおこさん

そうだったんですね、H&Mは単品を見るとそうでもないんですが(多分日本人にとってはZARAの方が向いているでしょう)、やはり仕掛けはすごいと思います。

就職活動がんばってくださいね。

これからもよろしくお願いいたします。

Posted by: taka | March 13, 2006 09:10 PM

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