百貨店でもセントラルバイイングが功奏
19日の日経新聞、大丸百貨店の山本社長のインタビュー記事。同社は、従来の各店仕入れから本部一括仕入へ移行し、上々の成果を上げているとのこと。
実際に、05年3-8月期、全店の婦人靴、紳士服売り場など5つの売り場で始め、対象売り場は売上前年対比8.2%の伸び、05年9月-06年2月期は25の売り場に広げ同5.9%の伸びを見せているとのことです。
百貨店の多くは、従来、顧客に近い各店の売場担当者が同じ会社ながら個々にアパレルメーカーに発注をしているケースがほとんどで、顧客の近くにいるというメリットがあるにもかかわらず、
・実は接客はアパレルの派遣社員に任せているので
どこまで体感できているかわからない。
・森(マーケット)を見るより木(自店)を見てしまっている。
・会社全体のバイイングパワー(購買力)を生かせず、
実はアパレル主導の品揃えになっている。
というようなデメリットがあり、百貨店の看板の集客力はありながら、多くの売り逃しをしているのが現状ではないか、と思われます。
このような課題への対策として、本部一括仕入=セントラルバイイングへの動きが大丸以外にも高島屋、松坂屋、阪急などで始まっているようです。
専門店チェーンでは、当たり前のことなのですが、セントラルバイイングにおいては、バイイングパワーを高めることも大事ですが、各店の客層の違いを知った上で、当初の品揃えの仮説を立てて初回投入を行い、売れ行きに応じて検証し、取引先との期中交渉はもちろんのこと、売上だけでなく、在庫管理をしっかり行い、店間移動も視野に入れて、適材適所を実現し、いかに売り切るかを取引先と二人三脚で実践することが大事ではないか、と思います。
また、一部の百貨店の婦人靴売場のICタグ実験の効果でも実証されたように、もっともICタグがあってもなくても、顧客の立場に立った「在庫管理」を行うことを忘れてはなりません。
景気も回復して追い風が吹いている今、このあたりの改革も進めば、百貨店はまだまだお客さんの期待に応えられると思いますよ。
関連エントリー-百貨店婦人靴売り場でICタグ本格稼動開始
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