冬物商戦後半で明暗分けたSPAと集荷型ストア
先週あたりにファッション流通各社から報告された2月度の月次報告を見ていて、自ら週間単位で商品開発を行っているSPA企業とシーズン単位でメーカーから商品を集荷するチェーンストアの力の差をまざまざと痛感させられました。
一般的に、百貨店、GMS、NB集荷型チェーンストアの多くは、夏にしろ冬にしろ、後半戦は、メーカー在庫の放出品、セール玉による売上アップと利益アップをあてにしていることでしょう。それゆえに、そのころ必要な商品は、シーズン前には、わざとつけないのが暗黙の了解になっていたりします。
この冬は、寒波のおかげで、コート、セーター、マフラーなど、いわゆる防寒ものがよく売れて、昨年11月、12月の冬物商戦、ファッション流通各社は、例年にない好調な売上を記録しました。
ところが、1月後半、2月は、アウターの「玉切れ」を理由に売上前年割れを説明する企業が少なくありませんでした。おそらく、2月の落ち込みも、11月、12月のリザーブ分でまかなえているでしょうから、それほど深刻に考えていらっしゃらない、のど元過ぎれば・・・の企業も多いかと思います。
改めて思いますが、「玉切れ」(=メーカーに在庫がない)はお客さんに対しては、説明にならないですよね。次世代リテールビジネスでは無能を認めているようなものかもしれません。
同様に、集荷型ストアは、いわゆる端境期に弱いと言われます。もちろん、メーカーさんは、販売期間の短い商品にリスクは張りたがらないし、ストア側もリスクを負いたくないわけで、なかなか暖かくならなかったり、残暑となると変化対応し切れずに、売上を落としがちです。
一方、ポイントなど、好調SPA型企業は、逆に、こういうときに立派な数字を残されますね。週間単位でMDを組まれているからこその臨機応変の仕掛けが功を奏しているのだと思います。だから、周りが売れている時は、ますます売れるというものです。
ここらへんの違いに焦りを感じて、ヴァーチャルSPAを模索する大手GMSのチャレンジが始まっていますが、大上段から入らず、仮説検証に基づくリスクを張った上で、「お客さんとの距離」を見直すところから始めることが現実的ではないかと思います。
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