IKEA(イケア)開店カウントダウン
4月14日の日経新聞によると、いよいよ4月24日に開店をひかえた日本直営店1号店となるIKEA船橋店(12,000坪)が13日報道陣に公開されたとのことです。海外のIKEA標準店舗の構造同様、
①2200台収容の駐車場に車で乗りつけた生活者は
②2階にある70の生活シーンを再現したショールームを、これから素敵になる
であろう自分の住空間あるいはオフィス空間を大切な人と一緒に思い浮かべ
ながら楽しく語り合いながら、紙メジャーで測って商品番号をメモに取り、
③1階の商品在庫コーナーからコンパクトに梱包された商品をピックアップして
レジに向かう
という演出になっている模様です。原則は持ち帰り、有料宅配サービス、組み立てサービスもあるとのことです。
これから、しばらく、多くのメディアがIKEAを紹介することによって、新しく変わるであろう日本の住関連市場について語られることになるでしょう。
遅ればせながら、先日、流通業界向け月刊誌「販売革新3月号」のIKEA特集を読みました。IKEA開店を直前に控え、流通専門家(石原靖曠先生)の出筆や家具業界のインタビュー記事を興味深く読ませていただきました。
1.既存の家具業界は、高度経済成長&バブル時代よろしく、一戸建て&
高級マンションに半一生ものの家具を前提にしていて、「高くて重い」のが
あたりまえの家具ばかりにこだわってきた。
2.家具は、商品回転が低いから、粗利をがっぽりとり、一方、値引き販売が
当たり前で生活者には、価格に対する不信感がつのっている。
3.一方、機能だけみたせればよいという、低価格のカラーボックスに代表
される家具や100円ショップに見られるような家財道具は存在するという
2極分化は、進化する日本の生活者に対応しきれていない。
以上のような状況の中で、IKEA上陸は、タイミング的にはどんぴしゃで、ある意味、サボっている家具業界の「甘え」の構造を変える、脅威ではなく、好機だと前向きに捉えている業界関係者の方も少なくないようなので、安心しました。
ここで、IKEAのホームページ、 「イケアのビジョン」 から私が気に入っている一文を引用したいと思います。
『美しいデザインのホームファニッシング製品は、高価でほんの一握りの人たちしか手に入れることはできない-イケアはそんな「常識」を覆そうと、創業当初から挑戦を続けてきました。私たちは、一握りの人たちではなく、多くの方々と共に歩むことに決めたのです。 (中略)
高価で上質な家具を作るのは、それほど難しいことではありません。お金をふんだんにかけて、お客様にその分払っていただけばよいのですから。しかし、美しく長持ちする質の高い家具を手ごろな価格で作るのは、そうた易いことではありません。あらゆる工夫を凝らし、むだを省いて、コストを下げなければならないからです。』
IKEAは、家具ビジネスのもっとも大きいネックである、「物流問題」に取組みつづけ、生活者心理を前提に考えながら、ファッショナブルだけれでも低価格を実現して来た会社。愛のある流通革命を実践している会社なのだな、と感じます。
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Comments
イケアは香港在住時によく利用していました。再上陸ということでかなり市場を研究しての出店となるのでしょうね。カタログの価格もかなりお買い得感のあるものとなっていますし、神宮外苑での「4畳半」部屋の展示も話題になっているようですね。僕がイケアの商品を見ていて面白いと思うのは、ひと目でその商品がイメージできるよう文字を少なくしてイラストで商品を表現している点です。どの国でも販売できるようにした結果なのだとは思いますが「シンプルで分かりやすい」そして「かっこいい」パッケージデザインも楽しみだったりします。
Posted by: いのうえ | April 16, 2006 11:17 AM
いのうえさん、おはようございます。
コメントありがとうございました。
私もIKEAのパッケージは好きで、使用済みのキッチンウエアのものも、コレクションとして、とっておいたりしたのを思い出します。
また、IKEAに限らずだと思いますが、ヨーロッパの場合、商品ひとつひとつに、品番以外にニックネームがついているのもいいですよね。
ヨーロッパから生地輸入をしていた時も生地の柄ひとつひとつに愛称がついていたのを楽しく見ていたのを思い出します。
創り手の親としての愛を感じるのです。
そう、いのうえさんも、私もそうですが、海外滞在経験者が増え、海外のチェーンストアの豊かさを日本の生活者に語り次ぐ、そんな時代の到来がますます情報化社会で重要になってくると思います。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | April 17, 2006 11:38 AM
はじめまして!【東京散歩 Haru's Room】のHaruと申します。
TBさせていただきました。よろしくお願いします!
Takaさまのブログではさすがに業界のプロというだけあって、
話題のお店などについてかなり詳しく分析されていて
面白いですね。とても興味深く読みごたえがあります。
またちょくちょくお邪魔させてもらって勉強したいと思います。
そして、IKEAについてですが、先日ワタクシさっそく行ってきました!!
そして、Takaさまも上記でおっしゃられているように、
IKEAのビジョンに共感し、お店で実際に体感してきました!
よかったら遊びにいらしてください!!
足跡残していただけると嬉しいです!
Posted by: Haru | May 03, 2006 11:06 AM
Haruさん
コメント&TBありがとうございました。
マスコミの報道、GWということで、すごいお客さんだったようですね。
レポートありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | May 04, 2006 12:25 AM
はじめまして、こんにちは。
私も本日、ウワサのIKEYA船橋に行って来ました。
建築関係の仕事をしているということから、ついついそういう目線で見てしまうのですが、IKEYAにあったシステムキッチン・洗面化粧台などは、大変斬新で日本にはないなあと思いました。
家具・生活雑貨品もスタイリッシュ且つ安価で素晴らしいですね。
Takaさんの記事の中に書いてあった、「高くて重いのが当たり前の既存の家具の常識」を、まさに打ち破っていますよね。
今日は大変混雑していたのでじっくり見れませんでしたが、また行きたいと思います。
今日IKEAに行ってきた内容を、ブログに載せていますので、もしよかったら見てください。
Posted by: 三浦屋HP管理人 | May 05, 2006 07:39 PM
コメント・TBありがとうございます!!
IKEAに実際に足を運ぶと、takaさまがブログ上で分析されていらっしゃることが、まさに体感できると思います。
もしいかれてみて、記事にするような機会があれば、是非TBしてくださいね!!
takaさまの、いつもながら切れ味の良い感覚で書かれたIKEA観を楽しみにしています!!
Posted by: Haru | May 06, 2006 11:38 AM
三浦屋さん、HARUさん
GWの熱気あふれる、臨場感あるレポートありがとうございました。
IKEA店内のライティングの上手なメリハリを見ていると
海外のお店とそっくりだな、と思います。
拝見していて、いち早く行きたくなりました。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | May 08, 2006 12:54 PM