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April 30, 2006

トレンドセッターの流行先読み術

 4月28日の日経MJにユナイテッドアローズ(UA)のウィメンズディレクター、小野瀬慶子さんのファッショントレンドの読み方の記事を読んで。

 小野瀬さんは、UAというセレクトショップの中でクリエイティブディレクターというお仕事をしながら、業界の中でもファッショントレンドのご意見版として、各誌、各紙に多くのコメントをされているので有名な方ですが、昨年10月からご主人の仕事のご関係でロンドンに拠点を移してからも同職でご活躍です。

 彼女から学ぶべきことは、ファッションの業界内だけの情報にとらわれることなく、世の中の時流からご自身なりの仮説を立てることだと思います。記事によると

 コレクションを見ていては、「トレンド予測の参考にするのは遅すぎる」

として、

 ○政治や経済の動きを新聞でとらえる
 ○書店の平積み本
 ○ストリートで気になったことをデジカメに収めたり、メモを取ったり
 ○封切前や撮影中の映画の衣装やメーク
 などなど・・・

 もちろんフランスのプルミエール・ヴィジョンやイタリアのミラノウニカなどの素材見本市は押さえているようですが、世の中の情勢を幅広く捉えて、半年間自分の琴線に触れた情報をマトリクス分析され、1ヶ月掛けてキーワードに落とし込むとのことです。

 オーソドックスではありますが、定点的、継続的に行うことによって間違いなく威力を発揮する作業ですし、更に、拠点を東京からロンドンに移され、「日本のマーケッターでありながらロンドンという違う文化のところから見る」という新たな視点も彼女の感覚をさらに研ぎ澄ましているのではないか、と想像ができます。

 ファッショントレンドは、一般的に
 1. シーズンの2年前に世の中の情勢を読んだ「インターカラー」で
   流行色予測が発表され、
 2. それを受けて1年前にプルミエールヴィジョンなどの素材見本市で
   デザイナーたちがピックアップした素材を
 3. 半年前に欧米コレクションで商品に落としこまれ、大勢が決まる

 といわれていますが、上記2以降の情報は完全に「業界受け売り情報」になります。

 その昔、ヨーロッパで発信されたトレンドが半年後にアメリカでマス化され、さらに半年遅れて日本の流行となる、と言われていました。しかし、今や、H&M(エッチアンドエム)、ZARA(ザラ)、TOPSHOP(トップショップ)などのファストファッションや、渋谷109ブランドたちは、2でキャッチした情報を欧米コレクションデザイナーと同時に低価格でマーケットに商品を送り出してしまいます。109ブランドに至っては、韓国や上海近辺のフットワークを利用して、それよりも早く店頭に並べてしまう現状もあります。

 そんな時代に、「来シーズンは、白だってさ」と業界内情報だけ追いかけても限界があるわけで、小野瀬さんのような、政治経済、消費者心理も含め、幅広く情報を整理して流行を読む技術、感性が問われてくると思います。

 話は変わりますが、ロンドン在住の小野瀬さんの記事を読んでいて、10年くらい前の新聞記事に、もっとダイナミックに日本のマーケットを捉えたあるマーケッターのことが書かれていたのを思い出しました。

 その方は、1年の内の3ヶ月をパリ、3ヶ月をニューヨーク、3ヶ月をミラノ(だったと思います)、3ヶ月を東京で過ごし、生活者の視点で、各所から同社のターゲット客層が好みそうな異文化を次々に日本のMDに結び付けて提案していらっしゃいました。その仕事ぶりに、とても憧れたものです。その方とは・・・アニエスベー、アメリカンラグシー、スターバックスコーヒーなどの日本導入で活躍されたサザビー(現サザビーリーグ)の鈴木陸三CEOです。

 ネットの発達による情報氾濫社会の中で、生活者を半歩リードし支持されるためには、そんな、複数の文化の視点を同次元に落とし込む、いわば、マルチカルチャーマーケッター発想によるフィールドワークこそが望まれる時代なのではないか、と思います。

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April 27, 2006

ジュニアマーケット、少し見方を変えてみると・・・

 4月25日の日経新聞になりますが、数年前にジュニアマーケットを開拓して一大ブームを巻き起こしたナルミヤインターナショナルの厳しかった06年1月決算内容に関する記事がでていました。売上高16%減、経常利益56%減。

 もともと小学校5年以下向け、小学校6年以上向け、7:3が強みの同社は、時代の変化を読んでその比率を5:5とし、成長して中学生になった客層をとり込もうとしたところ、同社基幹ブランドの支持層の低年齢化により、5年生以下向け商品の多くの欠品による売り逃し、6年生以上向け商品の売れ残りによる値下げに見舞われたのが敗因と分析。今期は従来通り7:3に戻し従来路線で本来の強みを活かすとのことです。

 一方でキッズの140‐150サイズを意図的に充実させたファミリー向けファッション業態は売れ行き好調の話を聞きます。お察しの通りファミリー向け業態のキッズ企画は親が着せたい大人びた子供服、大人向けデザインでサイズが小さいだけのものをむしろ品揃えする傾向にあります。

 これらのサイズを特に小柄なお母さんが自分用に購入されるケースが少なくないようです。

 ここのところ外資参入組も含めて大人も買える中学生向けファッション業態の成功可能性が囁かれ始めています。

 業界の作り手の固定観念による品揃えとは裏腹に、生活者が見せる新しい購買行動。生活者に目を向けるだけで、その中にはまだまだビジネスチャンスが隠れていそうです。

 関連エントリー-ポスト・ニコラ世代を追いかけて
 関連エントリー-OLに小6サイズが人気
 
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April 26, 2006

ポイント還元合戦、その先にあるもの

 今週の週刊「日経ビジネス」、流通各社のポイント還元に関する特集記事は、昨今のポイント還元に関する現状がとても的確にまとめられていて、一読に値します。

 政府のデフレ終息宣言間近という矢先、大阪を舞台にしたヨドバシ、ビック、ヤマダ電機の異常なまでのポイント還元率上乗せにかこつけた値引き合戦から始まり、それを煽るかのように流通各社のポイントは、航空会社のマイレージ、楽天、Yahooなどのショッピングポイント、クレジットカードのポイントを経由して、最終的にはエディやSuicaと言った電子マネーへの交換へとつながって行く図式。

 セブン&アイやイオンなど流通大手による電子マネー導入の追随を待つことなく、エディ&Suicaは水面下で提携を模索。そのタイミングは、07年3月?関東圏私鉄、バスなどの共通磁気カード、パスネットに代わるICカードPASMO(パスモ;PASSNETとMOREを組み合わせた造語)のスタートと同時に相互乗り入れを予定するSuica本命のシナリオか?

 ポイント還元制度の企業側本来の目的である購買履歴分析による品揃え改革、優良顧客囲い込みは、机上の空論に終わり、「値引き」コスト増にあえぐ実情。

 記事が指摘するように、ポイント還元は、売上が上がればメーカーからリベートが得られる家電業界や、値引きしても利用が増えれば儲かる仕組みの装置産業的な航空業界やレンタル業には適しているかもしれないけれど、業種や自社の損益構造との見合いをよく考えるべきと加熱ぶりに警鐘を鳴らします。ちなみにファッション流通関係でいうと、記事では、百貨店は不向きな業種の部類に入っています。

 さらにポイント引当金計上問題や、企業同盟で先行するTSUTAYAのTポイントや、ギガスケーズデンキがポイント還元をやらない理由(下記)などなど、昨今のポイント還元を取り巻く問題が一堂に網羅された、さすが「日経ビシネス」という記事だと思います。

参考:ギガスケーズデンキ加藤社長の
「私がポイント制度をやらない5つの理由」(日経ビジネス06.4.24号)より
1.お客の自由を奪う・・・他の買い物に使えない「拘束性の預金」
2.顧客分析の効果なし・・・専門家の指摘が正しいとは限らない
3.投資負担がかさむ・・・コスト増より商品値引きで幅広く還元
4.売場効率も低下・・・カード作業で余計なレジ待ち時間が発生
5.不毛な競争と一線・・・歯止めかからぬポイント割引は自殺行為

 これから、商品、サービス、企業と顧客の関係の「質」が問われるであろうという節目に、企業が「勢い」で始めたポイント還元やCRMを見直すいい時期かもしれません。

 そして、それでもなお、値引きだけで終わらない、顧客と向き合い、がっちりつかむ、本格的FSP(フリークエントショッパーズプログラム=ポイント会員制)の覇者になるご決心がおありであれば、是非、是非、山梨のスーパーマーケット、オギノさんをベンチマークしていただきたいと思います。社長が陣頭指揮をとって、日々弛まない社員教育の徹底まで、目から鱗のベストプラクティスです。

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April 25, 2006

先週の記事別アクセスランキング

先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-ne (エヌ・イー)のネクストエッジが清算手続へ(06.04.02)

 コメント:引き続き多くのアクセスを頂きました。業界でのハイエンドファッションを
      育てるインフラ整備の課題が残されました。

2位-IKEA(イケア)開店カウントダウン(06.04.15)

 コメント:OPEN初日の昨日は、3万5千人を集客したそうですね。

3位-都が「駅ナカ」課税強化(06.04.17)

 コメント:石原都知事の目のつけどころはすばらしい。

4位-IKEA(イケア)日本開業決定(05.06.15)

 コメント:IKEA 2つめのランクイン。IKEAへの関心の高さが感じられます。

5位-ファストリがキャビンを傘下に(06.04.20)

 コメント:ファストリ本命のレディースチェーンへの投資は今後期待です。

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April 24, 2006

絶好調 ヴィレッジ・ヴァンガードに見る「商売の原点」

 流通業界の専門月刊誌、「商業界」06.03月号に「ヴィレッジ・ヴァンガード全面研究」という50ページほどのボリュームの特集記事がありました。

 ご存知「遊べる本屋」ヴィレッジ・ヴァンガードことヴィレヴァンは、先月06年3月まで実に58ヶ月連続で既存店売上高前年対比クリアの快進撃中。FC含めて全国190店舗以上を展開する規模のチェーン店でありながら、本部一括仕入やPOS管理を否定し、全店各店仕入で、この数字は驚異と言わざるを得ません。

 特集記事は、その秘密を、菊池社長はじめ、幹部社員やスタッフの方のインタビュー、コンサル、アナリストの客観分析を中心に構成されており、以前から下北沢の旗艦店のいちファンであり、雑貨バイヤーのころ、よく店頭から見える品揃えや編集方法をベンチマークさせていただいた経験を思い出しながら、興味深く読ませていただきました。

○同社が本屋といいながら、雑貨店並みの粗利を確保して、高い営業利益を上げていることは、よく知られていましたが(雑貨売上比率70%超はもはや本屋ではない)、

○出版業界の委託返品制度をフル活用して、新刊本ではなくても、既刊本大量陳列の演出で生活者を「意外性」と「鮮度」で魅了している、そのスピードはファッションストア並み(なるほど、これが財務上在庫回転率が低い割りには高度な鮮度が保てる手法の一つだったのですね)

○スタッフの単品への想い、仮説検証は、POSなしでも、セブンイレブンの「タンピンカンリ」に通ずるところすら感じる(売場でお客さんの反応をよく見ています)

○お店のファンがアルバイトを始める、地域最低賃金からスタートし、「編集」と呼ばれる連想ゲームの売場作りや個性的でプッと笑ってしまうPOPなどを通じて顧客と語り合う商売の楽しさが伝承式に体に叩き込まれる(好きこそものの上手なれ)。

○優秀な人材ほど、ハイスピードで異動、下積み3年半でようやく勝ち取る社員の座。目に見えぬマニュアル化ながら、金太郎飴化する人材育成方針。

 ヴィレヴァンの成功をみて、雑貨やCDを品揃えした書店はいくらでもあったと思います。しかしながら、生活者から見て競合店と思える追随企業がいまだ出現しないのは、やはり、同社が、既存の業界の慣習にとらわれず、むしろそれを逆手にとって、生活者に近いところで、顧客と語り合う商売の楽しさ、商売の原点を追求する人づくりを実践しているからに他なりません。

 関連エントリー‐購買の決め手になるPOPを考える

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April 22, 2006

経済産業省、偽ブランド品個人輸入規制へ

 4月22日の日経新聞によると、経済産業省は21日、偽ブランド品など模倣品・海賊版の個人輸入を規制する方針を明らかにしたとのこと。

 もともと、小泉首相を本部長とする知的財産戦略本部が模倣品対策の重点政策として個人輸入の規制を上げていたのを受けるかたちで、具体策の議論に入るとのことです。

 以前もブログで、知財本部の方向性についてのエントリーはいたしましたが、偽ブランドについては、業者個人問わず、販売目的の輸入は禁止されていたのに対し、個人の「所有」については、規制があいまいで、業者が個人輸入代行にかこつけて大量輸入していたのを退治するのが大きな目的ですが、個人の偽ブランドに対する認識や持つことのモラルを問うことも狙っています。

 記事によると、アメリカでは偽ブランドの個人輸入は1人1個に限定しているらしく(認めているということですね。)、まずはこういったアメリカモデルを参考にしながら、個数制限から入る模様です。

 これらの規制は大事なことですが、もっと大事なことは、企業、個人ともブランド品に対する正しい知識をもつことだと思います。

 以前、ブランドものの並行輸入の事件や判例は弁理士の方の協力も得て、かなり調べたことがありましたが、本来、生活者利益を守るために独占禁止法で認められているはずの並行輸入にかこつけて、偽ブランドの流入が減らない背景には、問題になったら何とかしよう、という企業のモラルの低さと、安ければ偽物でもかまわないという少なくない顧客の存在があると思います。

 今回の法整備後に期待するのは、並行輸入品取り扱い店は、もっともっとお客さんを守るため保証体制と社員教育を、お客さんも果たしてそういった企業の姿勢が信頼できるかどうかのシビアな目を養って、商品を購入するくらいになってもらうこと、でしょうか。

 関連エントリー-偽ブランド、個人所有も含め全面輸入禁止へ新法
 関連エントリー-並行輸入品ってなに?

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April 20, 2006

ファストリがキャビンを傘下に

 本日の日経新聞、繊研新聞によると、ユニクロを展開するファーストリテーリングは、再建中の婦人服専門チェーンのキャビンの25.7%の株式を大和SMBCプリンシパル・インベストメンツから取得し、グループ傘下に収めることを発表したとのことです。

 ご存知、キャビンは、80年代、90年代、鈴屋、鈴丹などとともに、日本全国の主要ファッションビルで多業態による幅広い客層の取り込みにより、全盛を極めました。

 その後、急激な多業態化による拡大と高経費率体質から抜けきれず、フットワークの軽い新興SPA企業や、RIOやハニーズといった、ワンランク安いSPA企業に押されてしばらくの間赤字を計上していましたが、06年02月期決算では久々に黒字化したとのこと。一時期は、400店舗以上あったのでは、と思いますが、現在は、ザジ、アンラシーネ、e.a.p(イーエーピー)などの業態で全国190店舗ほどの展開で年商252億円。

 今回の株取得により、ファストリは、キャビンのレディース商品&専門店ノウハウと日本全国のファッションビルの立地での販売情報を、キャビンは、ユニクロの生産背景や、今後期待の持たれる勝田さん率いる世界のファッションデザインソースを活用できるのかと思います。

 以前もブログでコメントしましたが、ユニクロの今後の成長の本命はレディースだと思います。今回のキャビンの株取得は、キャビンが一時期よりも規模が小さくなったとは言え、活用次第で、ファストリ1兆円構想の大きなプラスになるのではないが、と見ています。

 関連エントリー‐ユニクロ6000億円達成に必要なこと
 
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April 19, 2006

近隣型SC(NSC)のファッション

 今月に入って、日経MJのファッション流通面では、7日の西松屋、14日のポイント、本日19日のライトオンなど
東証一部上場ファッション企業が、今後の成長ロジックとして、近隣型SC(NSC=ネイバーフッドショッピングセンター)出店へ取り組む内容が記事になっているのが目につきます。

 近隣型SC=NSCとは、都心にお住まいの方はわかりづらいかもしれませんが、日本で言えば、ロードサイド(郊外)の商圏人口3.5万人くらいの小商圏における食品スーパーを核にしたオープンモール型のショッピングセンターです。

 日本にはまだ少ないかもしれませんが、アメリカに行くと、とても身近にあり、日本でもまちづくり三法見直しで、来年以降大型SC出店規制が始まる中、多くの建設予定があり、注目されているものです。
 そういったトレンドはわかりますが、もともとロードサイドが主戦場、ローコストオペレーションの西松屋はそのまま行けるとして(むしろ効率がよくなるのでは)、これまで、大型SCで成長したファッション企業(ポイントまでも)がどんな業態をすれば成り立つのか、興味深いところです。

 アメリカのSC理論から言えば、「生活者の購買頻度」が店ぞろえの前提条件ですから、食品スーパー、ドラッグストア、本屋、花屋、床屋、ディスカウント靴、ギフトショップ、パーティグッズ、¢99ショップ、ファストフード、ファミレスなどと購買頻度が近い衣料というのがその条件になるでしょうか。

 ちなみに、私が以前住んでいたアメリカ西海岸サンディエゴ近くのいくつかのNSCにあったファッションストアを思い出すと、西松屋のようなベビーキッズ用品店は別にして、TJ.MAXX、MARSHALL’S、ROSS、DRESS BARN、CLOTHTIMEなどのオフプライスストアあるいは、ターゲットなどのディスカウントストアの衣料売場でしょうか。

 購買頻度から、デイリーユースウエアといっても、単に低価格帯であればいいというだけでは難しいようで、ブランドものが安くなっているという動機付けが働くオフプライスストアがはまるようです。

 また、日本のそういった商圏には、すでに5000世帯(≒12500人)で、年間衣料消費10億円という小商圏で1/3のシェア=3.3億円を売り上げるビジネスモデルを完成させている「しまむら」が、ファッション性とトレンド性を磨いて、待ち受けているわけですね。

 ポストSC時代の勢力図がどう変わるのか・・・とても興味深いところです。
 
 関連エントリー‐まちづくり三法改正で変わる商圏勢力図
 関連エントリー‐郊外型ショッピングセンター今後の展開
 関連エントリー‐ABCマートが低価格のNBスニーカー販売
 
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April 18, 2006

先週の記事別アクセスランキング

先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-ne (エヌ・イー)のネクストエッジが清算手続へ(06.04.02)

 コメント:2週連続で多くのアクセスを頂きました。関心の高さと
      今後の動向が注目されるところです。

2位-しまむら2月期決算発表で商品の一品単価を考える(06.04.10)

 コメント:アパレル小売を「商い」から「産業」にしたといわれる同社
      藤原会長の「イズム」は学ぶべきこと大。

3位-ユニクロデザインスタジオ(06.04.05)

 コメント:こちらも2週連続ランクイン。好き嫌いは別にして「ユニクロ」関連の記事
      は皆さん注目しているようです。

4位-ラルフローレン、表参道出店でラグジュアリー市場に参戦(06.03.30)

 コメント:ようやく行ってきました。パープルレーベル、ブラックレーベルには
      シビレましたね。RRLは・・・。

5位-ライフ・バイ・アースミュージック&エコロジーの保証書(06.04.09)

 コメント:インポートを買うお客さんの心理をよく理解していますね。

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April 17, 2006

都が「駅ナカ」課税強化

 4月15日の日経新聞、17日の日経MJによると、東京都は、品川エキュートなどの駅ナカ、ルミネ、マイシティ、アトレなどの駅ビル事業を展開するJR東日本などのグループ会社に対し、固定資産税を駅近隣並みにする課税の見直しを発表したとのことです。

 何事か、と思いましたが、どうやら、公共事業である「鉄道用地」の固定資産税は、近隣の1/3だったらしく、絶好調のJR東日本の「駅スペース活用事業」に、近隣商業者から苦情がでていたようで、それならば、とすかさず通常商業施設に近づける課税をしようという話のようです。

 記事によると、私鉄のターミナル駅の商業施設は、もともと近隣並みだったようで、今回の措置にそれほど影響はないようで、なるほど、JRだけがずいぶん優遇されていたわけですね。

 23区の大型商業施設がある駅が対象のようで、これにより税収は数億から数十億の税増収が見込める、夏までには納税通知を出すというスピード。

 さすが、石原都知事といったところでしょうかね。

 駅ナカが日本で最高の立地であることは変わりありません。JRさんには、通常競争の中で、さらに企業努力をしていただき、私たちの利便性をますます良くしていって欲しいと思います。

 関連エントリー‐日本最高の集客力、「駅ナカ」で考える

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April 15, 2006

IKEA(イケア)開店カウントダウン

 4月14日の日経新聞によると、いよいよ4月24日に開店をひかえた日本直営店1号店となるIKEA船橋店(12,000坪)が13日報道陣に公開されたとのことです。海外のIKEA標準店舗の構造同様、
 ①2200台収容の駐車場に車で乗りつけた生活者は
 ②2階にある70の生活シーンを再現したショールームを、これから素敵になる
  であろう自分の住空間あるいはオフィス空間を大切な人と一緒に思い浮かべ
  ながら楽しく語り合いながら、紙メジャーで測って商品番号をメモに取り、
 ③1階の商品在庫コーナーからコンパクトに梱包された商品をピックアップして
  レジに向かう
 という演出になっている模様です。原則は持ち帰り、有料宅配サービス、組み立てサービスもあるとのことです。

 これから、しばらく、多くのメディアがIKEAを紹介することによって、新しく変わるであろう日本の住関連市場について語られることになるでしょう。

 遅ればせながら、先日、流通業界向け月刊誌「販売革新3月号」のIKEA特集を読みました。IKEA開店を直前に控え、流通専門家(石原靖曠先生)の出筆や家具業界のインタビュー記事を興味深く読ませていただきました。

1.既存の家具業界は、高度経済成長&バブル時代よろしく、一戸建て&
  高級マンションに半一生ものの家具を前提にしていて、「高くて重い」のが
  あたりまえの家具ばかりにこだわってきた。 
2.家具は、商品回転が低いから、粗利をがっぽりとり、一方、値引き販売が
  当たり前で生活者には、価格に対する不信感がつのっている。
3.一方、機能だけみたせればよいという、低価格のカラーボックスに代表
  される家具や100円ショップに見られるような家財道具は存在するという
  2極分化は、進化する日本の生活者に対応しきれていない。

 以上のような状況の中で、IKEA上陸は、タイミング的にはどんぴしゃで、ある意味、サボっている家具業界の「甘え」の構造を変える、脅威ではなく、好機だと前向きに捉えている業界関係者の方も少なくないようなので、安心しました。

 ここで、IKEAのホームページ、 「イケアのビジョン」 から私が気に入っている一文を引用したいと思います。

 『美しいデザインのホームファニッシング製品は、高価でほんの一握りの人たちしか手に入れることはできない-イケアはそんな「常識」を覆そうと、創業当初から挑戦を続けてきました。私たちは、一握りの人たちではなく、多くの方々と共に歩むことに決めたのです。 (中略)
 高価で上質な家具を作るのは、それほど難しいことではありません。お金をふんだんにかけて、お客様にその分払っていただけばよいのですから。しかし、美しく長持ちする質の高い家具を手ごろな価格で作るのは、そうた易いことではありません。あらゆる工夫を凝らし、むだを省いて、コストを下げなければならないからです。』

 IKEAは、家具ビジネスのもっとも大きいネックである、「物流問題」に取組みつづけ、生活者心理を前提に考えながら、ファッショナブルだけれでも低価格を実現して来た会社。愛のある流通革命を実践している会社なのだな、と感じます。

 関連エントリー-IKEA(イケア)が日本のホームファッション業界を変える?

 関連エントリー-IKEA(イケア)日本開業決定

 関連エントリー-スウェーデン企業の国際性

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April 14, 2006

やはり文化は高いところから低いところにしか流れないのだろうか?ユニクロ中間決算発表から

 14日の日経新聞、繊研新聞、ユニクロを展開するファーストリテイリングの中間決算発表の記事を読んで。
 柳井会長が社長に復帰した最初の中間決算は、純利益24%の大幅増益となったとのことですが、ユニクロ海外事業、特にアメリカではかなりの苦戦の模様です。

 郊外SCに4店舗を出店しての上期の売上は、4億6000万円と計画の半分以下、3億8000万円の営業赤字とのことです。ちなみに、同じ時期に出店を開始した韓国や香港では、すでに営業黒字を計上しているとのこと。

 これに対して、06年秋には、アメリカでの「知名度のアップ」をもくろんで、ニューヨーク・ソーホーSOHO地区ブロードウェイ沿い(バナリパ、H&M、A/Xの近辺ですね)に世界最大の1000坪(日本の最大店舗は心斎橋の650坪)の巨大旗艦店を出店するとのことです。

 果たして、この旗艦店の出店は、ユニクロアメリカ事業の起爆剤になるのでしょうか?

 タイトルに「文化は高いところから低いところに流れる」としたのは、決して欧米をあがめ、アジアをさげすんだフレーズではなく、もう、そこに満たされているものがあれば、あえて類似の海のものとも山のものともわからないものを生活者が受け入れるかどうか?ということが言いたかったのです。

 ユニクロは日本の中で、ベーシックウエアのカテゴリーキラーとしてのポジショニングを確立して成功を収めました。アメリカにはすでにGAPやLIMITEDが君臨しており、ユニクロがGAPやLIMITEDをベンチマークしたものであることは、誰が見ても明らか。ユニクロが成功するためには、GAPやLIMITEDにないものでポジショニングを確立する必要があることは、言うまでもないことだと思います。

 ファッションSPAの時代が、GAPやLIMITEDが持たないものを持つ、むしろ彼らが作った隙間を突くように、H&M(エッチアンドエム)やZARA(ザラ)などの第2世代に移行しつつあるアメリカで、第1世代をベンチマーク、トレードオフ(生活者にとって商品の不要な部分を取り去ることによって低価格を実現する商品開発手法)した商品でどこまで戦えるのか?
 
 今秋デビューする勝田さんのコレクションは見てみないとわかりませんが、残念ながら既存のユニクロには、価格品質バランス以外にそれを見つけるのは難しく、それが断然GAPやLIMITEDに優っているとは言いがたいのではないでしょうか?

 香港は、黒字とのことですが、ベーシックファッションSPAの先輩、ジョルダーノとの住み分けはうまくいっているのでしょうかね。やはり「日本発」のプレミアム効果があるのでしょうか。(追記:4月15日の繊研新聞によると香港店は350坪と日本の標準より大きいとのこと。おそらく小型主体のジョルダーノに対して、大型店の圧倒的なボリューム感で勝負している模様です。)

 ユニクロが持つ、せっかくの資金・人材をより有効に使ってもらいたいと思っている一人のサポーターとして苦言を申し上げました(本音は、日本の代表選手として試行錯誤して何かをつかみとっていただきたい、と思っています)。

 関連エントリー-ユニクロのアメリカ進出、その第一歩は・・・(05.11.25)

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April 11, 2006

先週の記事別アクセスランキング

先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-ne (エヌ・イー)のネクストエッジが清算手続へ(06.04.02)

 コメント:1号店OPENから1年も経たない清算は、
      期待も大きかっただけにショッキングな出来事でした。

2位-ラルフローレン、表参道出店でラグジュアリー市場に参戦(06.03.30)

 コメント:地元でいながら忙しさにかまけてまだ見に行けてませんが、
      RRLが楽しみです。

3位-ユニクロデザインスタジオ(06.04.05)

 コメント:どこまで進化するか、今秋のMDデビューが楽しみです。

4位-アスクルデザイン事務所(06.04.06)

 コメント:ファッションは服飾だけじゃない。生活にファッションがマストとなった証拠。

5位-CLO(チーフラーニングオフィサー)というお仕事(06.04.03)

 コメント:ヘッドハント、すげ替えの時代から育成の時代へ。明日の日本を担うキーパーソンです。

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April 10, 2006

しまむら2月期決算発表で商品の一品単価を考える

 4月5日に発表されたしまむらの2月期決算は、引き続き増収増益のみごとな決算でしたが、4月7日の繊研新聞、9日の日経MJでは、同社の一品単価が前年対比で上昇したことに対するしまむら野中社長のコメントが話題となっていました。

 「厳冬で冬物衣料が正価で売れたのが主因」「上げる施策をとったわけではなく、結果として下がらなかっただけ」「都市部は景気がよくなっているかもしれないが、全国でみるとごく一部。地方ではそうした実感はない」「今後も同じものは価格を下げてゆく」
 
 毎年の同社の決算概要(今年は8ページ目)をご覧になったことがある方はお判りとは思いますが、同社のすごいところは、10数年間にわたって「政策的に」、一品単価を下げ続け(毎年平均5%程度)、1客あたりの買上点数を上げ、客単価は微減(毎年平均3%程度のダウン)ながら客数増によって既存店売上高前年対比アップを持続しているところです。
 
 ところが、上記のコメントは、今06年2月期決算は一品(平均)単価前年比100.6% 同客単価102.1%になったものを受けてのものです。

 多くのファッション企業では、客数が減っても、客単価が上がったことを商品政策の成功かのように、当たり前のことのように喜びますが、同社では、上がったことが、異常値としてニュースになってしまうという話です。
 
 一部百貨店や大手ハイエンドマーケットでは最近の客単価アップを景気回復の表れとして歓迎しています。顧客は高いものを買うようになった、と。しかしながら、世の中の一般大衆の流れは、まだ、しまむらの通りではないか、と思えてなりません。

 過去にも、これからの時代も、同一アイテムの一品単価が上がる場合は、警戒が必要だと思います。アウターやボトムなどのもともと単価の高い商品の構成比が高まって客単価が上がる場合、あるいは1客あたりの買上点数が増えて客単価が上がる場合はよしとしても、売上を上げようとして、行う無作為な同一アイテムの値上げは、売り手の一方的な都合であり、まず、顧客に割高感を与え、客離れが始まると見るのが正しい見方ではないか、と思います。昔から、たとえ初年度は一時的に売上をキープできても2年目以降は極端に落ち込む、というのはよくある話です。

 デフレの終焉とはいわれますが、価格に節度をもった質の向上が望まれる時代になるのではないかな、と思っています。

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April 09, 2006

ライフ・バイ・アースミュージック&エコロジーの保証書

 4月7日の繊研新聞、アースミュージック&エコロジーを展開するクロスカンパニーのプレミアムジーンズを核にしたスタイリングを提案するセレクトショップ、ライフ・バイ・アースミュージック&エコロジー(以下LIFE)が発行する「保証書」についての記事が興味深かったのでご紹介します。

 クロスカンパニーについては、以前もブログでご紹介しましたが、同社は、カフェ以外のショップのスタッフはすべて社員とし、ブランドコンセプト伝道と顧客満足のために、人を大切にし、従業員教育、従業員満足に力を入れていることで有名な会社で、基幹業態のアースミュージック&エコロジーは絶好調、2-3年以内にIPO(株式公開)も視野に入れた優良ファッションSPA企業のひとつです。

 LIFEは、昨年25-35歳のキャリア層の大人の女性をターゲットにスタートしたセレクトショップ業態で、TRUE RELIGION、ANTIK DENIM、SEVEN FOR ALL MANKINDなど30ものプレミアムデニムブランドにオリジナルのトップス&ボトムス、欧州の服飾雑貨などをスパイスとして組み合わせて、アースミュージック&エコロジーの実績から、好立地に展開しているものです。

LIFE BY EARTH MUSIC&ECOLOGY ホームページ 

 同社が発行している「保証書」とは、同業態主力のインポートジーンズに3ヶ月間の無料修理、交換、返品などの保証をしているもの(丈つめを行った場合は修理のみの対応とのこと)。
 昔から高額インポートカジュアル品を扱っていると、つきまとう問題として、品質問題があります。感度は高くても、厳しい日本の生活者から見ると、色落ちがしたり、縫製がよくなかったり、附属の取り付けが悪かったりすることは少なからずあるものです。特に、最近の後加工の激しいプレミアムジーンズでは、ボタン、リベット、ファスナーがダメージを受けているものがあるのは想像に難くありません。

 いまどき、不良品には、お店が万全な対応をするのは常識ですが、お客さん側は、結構遠慮をしてしまい、泣き寝入りをすることが少なくないと思います。不良品を売ったのは、店側のはずなのに、けちをつけられたと、店員の嫌がる顔も見たくないし、トラぶったりするのも厄介だと思ったりして。
 どんな有名ブランドだって、欠陥箇所が見つかった時、着用時にはなお更、それを選らんだ人は恥ずかしめを受け、その時点でその人にとっては、そのブランドもショップも「ファッション」でなくなると思うんですね。
そして、知らず知らずのうちに、そのお店から足が遠のく、知人にいやな体験談を話してしまう・・・お店が大事な顧客を失う瞬間のひとつかもしれません。

 また、顧客からクレームがあった時に、小売としての販売責任を棚に上げて、不良品はメーカーのせいにして「たらいまわし」にするショップも少なくない中、ショップとしての同社が、「責任」として、「ファッションブランド」として、「お客様とのお約束」としてこういった保証書を発行するところにも共感を感じます。そう、ファッション商品であれば、3ヶ月も着用すれば、その間に、基本的な欠陥は顕在化しますので、3ヶ月保証は決して短くはないと思いますね。

 顧客の立場に立ったら思いつくことが、自然に実践できる会社が伸びてゆく時代であって欲しい・・・同社のチャレンジを見ているとそう感じます。
 
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April 08, 2006

無印良品、ポイントサービスでCCCと提携

 4月8日の日経新聞によると、無印良品を展開する良品計画は、TSUTAYAを展開するカルチャーコンビニエンスクラブ(CCC)と提携し、TSUTAYAの会員が無印良品でお買い物をするとポイントが100円につき1ポイントが付与されるサービスを始めると発表しました。4月19日から神奈川県内の直営店で実験した上で来年1月から全店に広げる予定とのこと。

 良品計画のMUJI CARDの会員は64万人に対して、TSUTAYAは、同社ホームページによると1900万人超(これは累計か、年会費有効期限内会員数かどうかは不明)。これにより、良品計画としては、これらのTSUTAYA会員を無印良品へ動員するメリットが得られます。

 一方、CCC側は、異業種同盟結成により、業界を超えた発想で、顧客囲い込みを行うべく、100%出資の関連会社に集積される「横串」の顧客購買情報をマーケティング事業に利用することを目的にしており、今回、全国チェーンの新しい、特に女性に強い企業パートナーを獲得したことになります。

 同社のポイントシステム Tポイントのホームページのポイントが貯まる加盟店を顧客の利便性の視点から整理してみますと

ソフトレンタル・・・ TSUTAYA
コンビニ・・・ ローソン
銀行・・・ 三菱東京UFJ
クレジットカード・・・ DC、 UC
紳士服・・・ 洋服の青山、ザ・スーツカンパニー
カジュアル生活雑貨・・・ カジュアルランドあおやま(旧キャラジャ)、無印良品(*)
飛行機・・・ ANA
ホテル・・・ 東急ホテルズ
アミューズメント・・・ ワーナーマイカルシネマズ、カラオケゆー坊
外食・・・ ガスト、白木屋、ピザハット
ガソリンスタンド・・・ ENEOS
カメラフォト関係・・・カメラのキタムラ、55ステーション

となります。こう見ると、今回の無印良品はそこそこ大きな前進になるかもしれませんね。

生活者として望むべくは、あと、本屋、大手CDチェーン、家電量販(むしろカメラ量販店がいいかも)、スーパーマーケット(GMS)、ヘルス&ビューティ系・・・購買頻度はそれほど高くないけれども、靴チェーン、めがねチェーンあたりでしょうか。

 多くの企業が、ポイントカード(FSP)やケイタイメール配信を利用したCRMに効果を出せずに後退してゆく中、CCCのポイントに関するこれらの動きは、表に見えない、「裏の流通革命」として注目しています。そして、落としどころは、やっぱり、電子マネーの本命、JRのSUICAとの交換を実現して、ケイタイでの運用ということでしょうか。

 今後の加盟店獲得に注目です。

 関連エントリー-青山商事、CCCとポイントサービスで提携(05.12.16)

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April 06, 2006

アスクルデザイン事務所

 5日の日経MJの1面、安さと手軽さを売りにオフィス文具&家具で成長したプラスの通販事業アスクルのデサインを売りにした方向転換への取組みについての記事が載っていました。

 スウェーデン(やっぱり)やイタリアのデサイナーと提携したデザイン性の高い文具の開発や、インテリアの専門家からも定評のあるオフィス空間のデザインコーディネーションビジネス拡大に力を入れているようです。

 通販文具業界のリーディングカンパニーも追随するカウネット(コクヨ)や、たのめ~る(大塚商会)、はたまたアマゾン、楽天の追撃に対し、次なる成長戦略に据えるとのことです。

 アスクル法人向けサイト
 アスクル個人向けサイト

 この法人向けサイトと個人向けサイトの違いを見比べるとわかりやすいですね。

 以前ブログでも紹介しましたが、コクヨがアクタスを子会社化したり、タカラトミーのティンカーベルの買収、セガのラブ&ベリーアパレル参入など、異業種がファッションに参入あるいは本気で取り組む動きがあります。一般消費財でも商品政策にファッションを取り込むことはマストになりつつあるという表れでもあります。

 異業種企業参入で既存業界も切磋琢磨しあってマーケットが活性化することを期待しています。

 関連エントリー-コクヨが輸入家具販売のアクタスを買収
 関連エントリー-子供服ティンカーベル、トミー傘下へ
 関連エントリー-今年は住空間ファッションが面白い
 関連エントリー-IKEA(イケア)が日本のホームファッション業界を変える?

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April 05, 2006

ユニクロデザインスタジオ

 4月4日の繊研新聞にこの秋から商品をデビューさせるユニクロの多国籍デザインチームを率いるユニクロデザインスタジオニューヨーク社長の勝田さんの記事が出ておりました。ご存知の通り、勝田さんは伊勢丹、バーグドルフグッドマン、ラルフ・ローレンなどで活躍され、柳井会長がほれ込んで口説き落とした、ファッション業界を国際的に活躍する逸材です。

 このチームの使命はユニクロに単品訴求ではなくトータルルックのラインを実現すべく、東京に30人、ニューヨークに15人、パリに4、5人、ミラノに1人、GAPのオールドネイビー立ち上げスタッフだった方を副社長に据え、プラダ、イギリスのトップショップ、同じくアルカディアグループのバートンなど世界の業界で実務経験をした20代30代の若手で固めている模様です。

 記事の中で印象的だったフレーズは

 「誰かには分かっても、誰かには分からなくてもいいという商品はできない」

 と、あくまでもマスマーケットをターゲットとし、クリエイティブな方が、新しいことを始めろ、ファッションだ、といわれた時にともすれば陷りがちなマスタベーションにおぼれないよう自覚された発言は、ビジネスマンらしさを感じます。デザインチームは、クリエティブディレクターによる一方通行の世界観でではなく、綿密なマーケットニーズの情報収集とわかりやすいアウトプットを心掛けて、チームワークでグローバルに売れるものを目指すとのことです。

 デザインはもちろんですが、生産やサイクルもファストファッション並のスピードで行うのでしょうかね?

 秋からの勝田さんのご活躍を楽しみにしております。

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April 04, 2006

先週の記事別アクセスランキング

先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-ラルフローレン、表参道出店でラグジュアリー市場に参戦(06.03.30)

 コメント:日本におけるラルフローレンのイメージが変わる第一歩となるでしょう。

2位-世界で働く人材(06.03.24)

 コメント:業界の枠にとらわれず活躍する次世代を応援します。

3位-今年は住空間ファッションが面白い(06.03.23)

 コメント:インテリア、ホームファッション系のSPA企業もIKEAを迎撃すべく、
      リニューアル、再生の準備に入ったようです。

4位-OLに小6サイズが人気(06.03.22)

 コメント:大きいサイズ、小さいサイズの情報は、検索エンジンで
      お探しになる方が多いようです。

5位-コムサイズム復権の狼煙(のろし)(06.03.29)

 コメント:日本本格SPAのさきがけ、既存店業績回復で再び全盛を迎えるか?

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H&M(エッチアンドエム)の海外市場攻略手法

 4月3日の繊研新聞にスペインで急速に拡大をしているスウェーデンのファストファッションの雄、世界第三位のSPA企業、H&M(エッチアンドエム)の記事を読みました。

 何年間も連続で経常利益前年対比120%超を更新し続ける北欧のハイスピードカンパニーは、05年で世界22カ国、1193店。同社の今年の新店出店計画は150店舗ありますが、アメリカ、ドイツの次の集中攻略国としているのが、ZARA(ザラ)やマンゴを擁するファッションSPA王国、スペインです。

 00年に初出店をしてから、これまでに50店舗をハイピッチで出店、記事の内容を整理すると同国を攻略せんとするH&Mの戦略は次の通りとなります。

1.既にドメスティックのファッションSPA企業が受け入れられている下地を利用し
2.マーケットにあわせ、既存のSPA企業の隙間を埋めるような商品戦略で
3.矢継ぎ早に多店舗化をし、あっという間に市場に浸透する

なるほど・・・気がついたら外堀を埋め、いつの間にか隣にいる、王道の手法を知り尽くし、その間隙を突き、裏をかく、まさしく典型的な「ゲリラマーケティング」の手法で、アメリカ、スペインを翻弄しているわけですね。同社のIR情報によると、今年は、ギリシャ、中東2カ国(中東はフランチャイズで)へ進出するとのこと。

 地政学をよく理解するスウェーデンのファストファッション企業は、世界2番目の市場だからと言ってそうやすやす極東の日本へはやってこないとは思います。しかしながら、同社のスペイン攻略手法を見ると、ないようで隙間の多い日本ファッションマーケットは、照準を定められたら意外と手玉に取られてしまうかも、と思ったりもします。

 今月24日にオープンする同じスウェーデンのIKEA(イケア)はある意味、その試金石になるかもしれません。

 PS. そういえば、今月末まで、明治神宮外苑(いちょう並木通りですね)で、IKEAの店舗の見所である、インテリアデザイナーがデザインする14の「提案部屋ブース」を見ることができるイベントが行われているそうです。船橋OPENまえにちょっと一度覗きに行ってみましょうか。 関連サイト

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April 03, 2006

CLO(チーフラーニングオフィサー)というお仕事

 3月31日の日経新聞に新生銀行が4月1日付けで人材育成の最高責任者「CLO(チーフラーニングオフィサー)を新設するとの記事があり、大変興味深く読ませて頂きました。

 記事によると、同行のCLOは社長直属で経営戦略に即した人材育成を行う役目。人材面から自社の実力を分析し、人材の補強や新組織の立ち上げが必要と判断するれば、経営トップに助言を行う。従来の人事部から独立して人材育成や組織開発についての責任を負う、とのことです。

 日本でもCEO、COO、CFO(最高財務責任者)あたりの役目、認知度は高まり、CIO(最高情報戦略責任者)も注目され始めていますが、CLO(最高人材育成責任者)は、アメリカでもGEやゴールドマンサックスなどで導入が始まっているところだそうで、これから大いに注目されそうな役職であると思います。

 今年は、いくつかの大手企業の事業育成プロジェクトや幹部人材育成プログラムのご支援をさせていただいていますが、私の知りうる限り、業界限らず、ほとんどの企業で、次世代を担う幹部候補の人材育成がもっとも大きな課題であると痛感しています。現経営陣がふと、後ろを振り返った時に、活きがよく、頭角を現した30代がいるものの、現場主義の名の元に、ろくな教育を施していない。一方、20代後半から30代の優秀な社員が教育に飢えているのに、その機会もなく、これから将来どうしていったらいいのか悩んでいる・・・という場面や話によく出くわします。

 いうまでもなく事業の成否は「人(ヒト)」にかかっていますし、その舞台(環境)を作るのが経営陣の最も重要な仕事であると思います。

 あるクライアント企業の社長さんがおっしゃいました。「人間の可能性は青天井だ。特に、若い連中は、土俵と チャンスと勇気を与えることによって、爆発的な力を発揮する。」実際この企業では、若手、女性が活躍し、好業績を上げていらっしゃいます。

 私も人(ヒト)の無限大の可能性を信じたいと思います。そして、従来の人事部長ではない、通りいっぺんの教育研修ではない、かけがえのない人材を実学に基づいて磨き、ナイスキャスティング、ナイスフォローアップで事業成功に導くCLO(最高人材育成責任者)こそが、明日の企業成功のキーパーソンになる時代が来る、と感じています。 

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April 02, 2006

ne (エヌ・イー)のネクストエッジが清算手続へ

 4月1日の繊研新聞によると、元シップスの幹部社員が立ち上げたセレクトショップne(エヌイー)を運営するネクストエッジが3月31日をもって事業を停止し、清算手続きに入るとのことです。

 同社は発足からちょうど1年、1号店を昨年の9月にOPENし、6店舗を運営していましたが、あまりにも早い結論に業界もびっくりしているのではないかと思います。

 記事によると理由は、ベンチャーキャピタルや商社系金融筋などのみに頼った資金調達にメドがつかなくなったとのこと。

 当初、某大手アパレルがスポンサーにつくという話だったと思いますが、そちらのお家事情もあったのか見送りになったようで、そこらへんが誤算だったのではいか、と思います。

 ネクストエッジの立ち上げは、業界でもBEAMS(ビームス)からスピンアウトしたユナイテッドアローズ(UA)と重ねて見る方も多かったと思います。ハイエンドマーケットに対して、新しいことを始めたUAも立ち上げ当初はかなり苦労をしました。しかし、なんとか軌道に乗せ、いまやリーディングカンパニーとなったのは、信念をもった有能な人材に加えて、ワールドという後ろ盾があったからにほかなりません。

 投資家や金融筋から見ると、最近のファッションSPA企業の収益性は投資対象としても魅力的かと思います。企業再生やMBOのように、既にある事業に対して、投資するのなら別ですが、新しいことを始めて、そんな早く回収ができるとは思えません。
 ディスカウンターのようなキャッシュフロー重視のビジネスなら話が別ですが、ブランド小売業のポイントは、徐々に顧客がついて売り上げが安定していくことで、その間それなりに時間がかかるということです。おそらく、UAのようにファッション系企業がスポンサーにつけばその事情や理屈を理解し、もうすこし待ったり、増資などの話もあったと思いますが、利回り目当てのスポンサーであったために今回の結果のようになってしまうのであろうと、非常に残念に思います。

 今回ネクストエッジに参加した方々はシップスの屋台骨を作った優秀な方々だと思っています。清算後、また業界の未来のためにご活躍されることを期待しています。

 関連エントリー-セレクトショップに新風となるか~ネクストエッジ(05.08.17)

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