セブンイレブン、500億円を投じて店舗情報システム刷新
本日(5月26日)の日経新聞によると、コンビニ最大手、セブンイレブンジャパンは、500億円を投じて8年ぶりに店舗情報システムを刷新するとのことです。01年12月から続く既存店売上前年割れに対し、店舗運営効率アップをもくろむもので、流通全般にいくつか興味深い内容が含まれています。
おそらく、金額的には、動画を活用するインフラ周りやハード(端末)に一番お金がかかるのだと思いますが、流通の実務経験者から見て興味深いのは、①店舗の購買特性に基づく「店舗分類の細分化」と②「本部と店舗のインタラクティブなコミュニケーション」の部分だと思います。
前者については、ご存知、従来のレジでお客さんからお金をもらってドロアーキーを開けるために押す客層登録キー(性別・年齢別;私は青の49=男の30-49歳です。)による、「客層X商品のクロス分析」を超えて、更に、店舗を立地や近隣環境(オフィス街、学校が近い、工場が近いなど)に基づいて100タイプに分類し、売れる商品の違いを認識した店舗特性x商品のクロス販売分析を可能にする仕組みのようです。
後者は、本部が持つ全国的な有効情報を動画でわかりやすく各店に伝達する仕組みです。
ともに、本部がより顧客のことをきめ細かく定量的に理解し、顧客と本部の距離を、また、店舗スタッフと本部の距離をいかに縮めるか、という部分にお金を投じるという話で、過当競争時代に、極めて重要な、他社に差をつける重要ポイントだと思います。
実は、ちょうど昨日あったIT企業さんとの勉強会でも、マーチャンダイジングと商品コントロールの実務をする上で、前提あるいは仮説条件としての「店舗分類」がいかに重要であるかで熱くなったところでした。
「店舗分類」とは、その店に、どんなお客さんがお見えになって、どんな商品を望んで、どんな買い方をされるか、をデータで知り、似通った店舗をグルーピングして、そのグループ単位で品揃えを考え、お客さんがほしいであろう商品を的確にお届けしようという発想です。多店舗化されたチェーンストアでは、一般的に売上や売場規模や商品回転といった企業側の結果数字で分類するケースが多かったと思いますが、これからは、立地、客層、時間帯といった、より生活者の購買行動パターンを知り、生活者の立場に立った分類が重要になってくると思います。
たとえファッション業界でも、生活者の購買行動の博物館=コンビニエンスストアからは、学ぶべきことがとても多いと思っています。
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Comments
takaさん、こんにちわ。TBさせていただきます。
> 「店舗分類」とは、その店に、どんなお客さんがお見えになって、どんな商品を望んで、どんな買い方をされるか、をデータで知り、似通った店舗をグルーピングして、そのグループ単位で品揃えを考える
このような「客層X商品のクロス分析」は歴史の古い企業ほど必要ではないかと思っています。
これからもよろしくお願いします
Posted by: 上嶌 | May 27, 2006 09:16 AM
上嶌さん
コメントありがとうございまいた。
歴史のある会社・・・そうですね。昔ながらの固定概念で川上から川下へ流せば売れる、と思っている会社でしょうか。
あるいは、最近は、比較的新しい会社でも、1業態30-50店舗あたりにその境目があるような気がしています。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | May 28, 2006 10:39 AM