リヴァンプのユニクロ流効率経営とは?
今週の日経新聞、繊研新聞、日経MJ各紙で流通企業専門の企業再生請負会社、元ユニクロ幹部コンビが設立したリヴァンプがゴールドマンサックスと共同で、帽子・ネクタイ・マフラーなどの服飾雑貨の百貨店向けブランドライセンス商品を中核に卸売りを行うアルプス・カワムラの株式の100%をテイボーから取得し、10日付けで買収したと報道する記事が掲載されていました。
役割分担としてはゴールドマンサックスが資金を、リヴァンプが経営支援を行うわけですが、リヴァンプが乗り出す時にいつものように紙上に登場する「ユニクロ流」とか「ユニクロのノウハウ」という言葉がとても気になります。
今回も、アメリカのMBAを取得された優秀なプロスタッフによる本格的ターンアラウンド(企業再生)のようですから、定石どおり、債務整理(本件はあるのかどうか存じ上げません)、在庫ポジション、価値の的確な把握などを行った上で、勝てる営業再生への転換、株式上場あるいは事業売却が王道でありましょうが、マスコミが言うどんな営業再生が「ユニクロのノウハウ」なのかがとても興味深いところです。
以前代表のひとりである澤田さんがインタビュー記事で「マーケティング」を強調していたのが印象に残っています。
ユニクロがマーケティングにふんだんに投資が出来たのも、アパレルメーカーを飛ばして商社ファイナンスを利用して大量に中国生産を行い、店頭では、低価格ながら高い収益性で叩き出した利益高とキャッシュフローから捻出された広告宣伝予算が背景にあったのは間違いありません。
また、澤田、玉塚両氏も業界では秀でた指折りの経営幹部であったことは間違いありませんが、現実的には、柳井会長の意思をよりアカデミックに、的確に現場に落とすという役割にすぐれていた存在だったと思います。
ご本人たちは、マスコミで「ユニクロ流」とか言われるのをどう思っていらっしゃるのでしょうか。当初は、名刺代わりに使えるかもしれませんが、実は、歯がゆく思っているのではないかと思うことがあります。企業再生は、きれいごとではなく、地味で、いや、泥臭く、ある意味、人間不信にも陥りがちな命がけの仕事だと思いますから。
いずれにせよ、ロッテリア、フージャース、トークツ、アルプスカワムラ・・・事業はスタートしたばかりです。業界のよき先輩として、「リヴァンプ流」の背中を見せていただけることを期待しています。
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Comments
takaさん、どうもです。
相変わらず頑張っていらっしゃるようで刺激になります。
ところでリヴァンプにデルの前社長の浜田さんが入られたとの記事を日経で見つけました。
両社の共通点は
1)「製造直販」(デルは無店舗販売なので若干異なると思いますが)
2)玉塚さんと浜田さんとも「MBAホルダー」
ユニクロ+デル=リヴァンプの方程式の結果は如何に。
興味が尽きません。
Posted by: 桑田 | May 13, 2006 06:26 PM
桑田様、おはようございます。
いつもありがとうございます。
なるほど、再生対象企業をすべて製造直販にするのが「ユニクロ+デル方式」になるのでしょうかね。
常に生活者との接点を起点にする「ディマンドチェーン経営」は前提にしながらも、むしろ成功体験にたよらない、新しい、若い、リヴァンプ式を期待してやみません。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | May 14, 2006 10:37 AM