パートから社長へ~生活者の視点が流通を変える
ブックオフ・コーポレーションの創業時の主婦パートで、現在は常務取締役の橋本真由美さんが次期社長に就任される人事が発表されたのを受けて、昨日、今日の新聞、TVなど各種メディアが、「主婦パートから社長昇格」をサプライズ人事として、大きく報道しました。
同社の現在の繁栄があるのも、坂本現社長の「流通革命への信念」と「人材育成への情熱」を、橋本常務が主婦としての「生活者の視点による妥協を許さない改革」で支えて来たことは、流通業界でも有名な話。今回の人事は、どこかの突発的な「お飾り的」女性トップ人事とは全く意を異にし、日夜、努力を積み重ね、人を支え、人を育ててきた女性が成功する、というあるべきジャパニーズ・ドリームの姿のひとつと言えましょう。
いい機会ですので、以前読んで、人を活かす21世紀型流通企業のバイブルのひとつとして関心した、京セラ稲盛会長も絶賛する、ブックオフ社の経営について詳しく書かれたビジネス書を一冊お勧めしておきます。
また、今回の夢ある報道を聞いていて、もう一冊、お勧めしたいビジネス書があります。私のリテールサービスのバイブルです。
「サービスが伝説になる時―「顧客満足」はリーダーシップで決まる」
アメリカで、やはりパートから、かの高級百貨店「ノードストローム」の役員に上り詰めたベッツィ・A・サンダースさんが書かれた本で、当時ベストセラーになった本なのでご存知な方も多いかもしれません。目から鱗ばかりの内容ですが、その中で、私が、もっとも大切にしている次のような一文があります。
顧客に最高のサービスを提供するためには、自分自身が日ごろから妥協を許さない厳しい生活者でなければならない。
自分が顧客の立場でも、日ごろから、ま、こんなもんか、と妥協していたら、いつになってもお客さんが感動する、いいサービスはできない・・・といつも身を引き締める時に肝に命じる言葉です。おそらく、ブックオフの橋本常務も、家庭を切り盛りしている主婦だからこそ、さらに、シビアな生活者の目でサービスを見つめ、お客さんのために、会社のために、あたりまえのことをしようよ、とはっきり言え、変えることのできる現場を支えてきたのではないか、と想像しています。
ファッション流通でも、「しまむら」がM社員と呼ばれる主婦のパートさんたちの声で、毎月のように店舗運営マニュアルを進化させ続けているのは、有名な話です。
主婦でなければ、とは言いませんが、これから、ますます生活者の視点で改革ができるか否かが企業の明暗を分けることになる、と思えてなりません。
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Comments
トラックバックありがとうございます。私も少しマスコミ報道に踊らされてしまいました。今度、ブックオフについて書かれた本を読んでみます。
*沢木耕太郎がお好きなんですね。私も学生時代に深夜特急を読みましたよ。またスポーツ物もいいですよね。
Posted by: 國本 豊 | May 20, 2006 06:39 PM
TBありがとうございました。こちらからもTBさせていただきました。
今回のような抜擢、もっと波及したほしいなぁと思いますね。
Posted by: アズキ | May 20, 2006 09:27 PM
國本様
TB&コメントありがとうございました。
プロフィールも見ていただいたようで恐縮です。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | May 22, 2006 12:11 AM
アズキさん
TB&コメントありがとうございます!
同感です。生活者と現場に近い方が、人を育てながら活躍してゆく姿がリテールビジネスの理想だと思います。
これからもよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | May 22, 2006 12:14 AM