「JR百貨店」の脅威
本日の日経MJに、先日閉幕した第164通常国会で成立した流通関連の法案に関連する記事が掲載されています。
ファッション流通を変えるであろう、もっとも関心の高い成立法案のひとつは、やはり、まちづくり三法の見直しの中の改正都市計画法、つまり郊外の大型SCの実質出店規制に関するものでしょう。
このブログでも「このまちづくり三法改正」に関する過去のエントリーが今でも多くのアクセス数を頂いております。
このまちづくり三法改正に関連して、先週の週刊東洋経済の特集、「知られざる巨大流通、台頭『JR百貨店』」、はJRを取り巻く時事問題が整理されていて、大変興味深く読ませていただきました。ポスト郊外SC時代の主役は、郊外近隣型SC(NSC)ではなく、やはり、ターミナル駅を舞台にしたJRグループであることは間違いなさそうです。
記事によると、売上換算したJR本州3社の流通関連売上高は、05年度、イオン、セブンアンドアイに次ぐ第三位の2兆円、JR東日本単体でもダイエーに次ぐ第4位の1兆3840億円。
記事を読んでいると、札幌駅、名古屋駅、博多駅、そして今後の大阪駅、東京駅・・・日本全国の主要駅で、「駅+百貨店+JR系駅ビル(専門店)」の「次世代都心型SC」が圧倒的な集客力により駅周辺の消費を飲み込んで行くのがわかります。従来は、百貨店は少し駅から離れているくらいでないと、十分なスペースと品揃えが出来ずにあまり売れないという常識があったようですが、JRと百貨店が資本提携も含めて組むことによって、時間をかけて、より生活者のことを考えた提案型の開発、店作りが実現しているといいます。
今後はこれらの駅に準ずる乗降客の多い駅でもこれに近い開発が進むことが十分予想され、その際は、百貨店ではなく、先ごろ提携を発表したイオンのようなGMSが指名されるのでしょかね。
記事によると、ファッション流通の中でも、早くからルミネなどJRの出店成長エンジンに乗ったのがユナイテッドアローズとサンエーインターナショナル。しかしながら、駅立地では、爆発的な集客力、滞留時間が短く、商品回転が極めて速い立地で、他の立地とは異なった早期投資回収のビジネスモデルの構築が迫られると言います。
ルミネの社長さんは、「毎年15%のテナントを交代させ、6年少々で全テナントが入れ替わるよう新陳代謝を図る。」と豪語。確かに、一般的に店の寿命は5年(売上が前年をクリアする限界)といわれていますので、極めて合理的に聞こえますが、出店企業も息つく暇なしといったところでしょうか。
私も新宿あたりの駅ビルは便利に利用させてもらっていますが、その入れ替えのスピードにびっくりすることもある今日この頃です。
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