進化する商社の役割
6月5日の日経MJに伊藤忠商事、小林社長のインタビュー記事が掲載されていました。
同社は総合商社ではありますが、ファッション流通においてもっとも影響力のある商社として、業界でもその戦略が注目されている企業です。
同社長がおっしゃるように、かつての商社の機能の三本柱は、「通訳、海外情報の収集、商社金融」。しかしながら、情報化とともに、時代も移り変わり、「インキュベーション、コラボレーション、インベストメント」といった、リスクヘッジスタイルから、リスクをもって「主導権」を取るスタイルへの脱皮がこれからの商社の生き残りのキーポイントになっているという戦略は、全く的を得ていると思います。
以前読んだ、繊研新聞の商社首脳インタビュー特集などでも、多くの商社がSPA企業との取り組みやOEM生産など、いわゆるメーカー機能強化を第一に上げているのに対し、同社は、ライバルはOEMメーカーや他の商社アパレル部門ではなく、投資ファンドであることを色濃く出していたのが印象的でした。
ここ数年の同社、繊維カンパニーの動きは、徹底したブランド商標権取得。欧米著名ブランドの本社買収、日本の商標権取得、独占販売代理契約などなど、かつてイタリアンファッションブームの時にアルマーニなどの日本導入で成功をされた方がカンパニープレジデントとして指揮をとって圧倒的な勢いで、マーケット囲い込みをかけているのが感じられます。
ファッションビジネスの最大の資産のひとつは、商標権だと思います。それに対して、資金と人材を集中投資している伊藤忠商事。以前、リテール事業に集中投資している住友商事の事例もご紹介しました。なかなか商社の動きは、生活者には見えてきませんが、時代とともに進化する商社の動きを見ていても、半歩先の流通の未来が見えてくるかもしれません。
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