見直されるバーゲン
6月27日の日経新聞に、百貨店各社が夏のバーゲン期間を短縮したり、値引き率を抑制したりする動きに関する記事が掲載されています。
百貨店やファッションビルでは、今でも7月と1月のバーゲンシーズンの売上は大きいものがありますが、業界全体で、プロパーシーズン(定価販売期間)とバーゲンシーズンの売上の差が年々小さくなっているのが現状です。
背景には、生活者にあわせた業界の企画生産販売体質の変化があるのは間違いありません。
従来は、
○春夏秋冬それぞれのシーズンに必要な商品を半年前から仕込み、期間中「売り減らし」をする
○バーゲン時に一斉値引き販売、その後の残在庫処理に追われる
生産側の都合とバーゲン値引きや残在庫処分損を定価で購入する生活者に負担させていることに他なりません。
これに対して、
○シーズンを生活者の需要にあわせて細かく分け、その時に必要な分だけ作り、
○売れたら追いかける(「買い足し」型)、売れても深追いをせず、次の新しい商品を投入する
○新しい商品が入ってくるから滞留期間の長い商品はバーゲン期間でなくても売場から引き上げたり、値下したりする
この方式が全体的に主流になりつつあると思います。
生活者側から見れば、今買わないと売り切れる、という危機感は煽られますが、いつも新しい商品が売場に並んでおり、売り手側もそれほど値下をしなくて済むわけです。
今回の百貨店のバーゲンに対する動きはまさにこういった流れを受けたもの。かつては、天候要因で、季節にメリハリ(夏暑く、冬寒い)があるとバーゲンは玉切れ、その逆だと、バーゲン好調ってな天候頼みの他力本願的な話をよく聞きましたが、今後は、企業もさらに努力をし、生活者も鮮度の高い商品を手にすることが現実になればな、と思います。
そうしたら楽しみなバーゲンがなくなるじゃないかって?
大丈夫、そんな動きが進めば、シーズン通していい商品が安く買えるようになるはずですから、大局的に見れば、得するのは、生活者ですよ。
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