一物多価
システム投資に積極的で、実際にシステムの効果的運用により業績を上げているジーンズカジュアル量販最大手のライトオンですが、ここのところ、新聞やビジネス誌の記事で同社が新システムにより「一物多価」を実現しようとする話が頻繁に掲載されています(最新は繊研新聞7月5日記事)。
「一物多価」とは、同じ商品が店によって価格が違うことを容認しようというものです。すなわち、店によって商品の売れ行きは違うので、一定の販売期間を過ぎた商品を、店舗側に価格設定権を移行し、同じRight-onという看板のお店でも、あるTシャツが、A店では、2900円だけれども、B店では1900円という状況、つまり店ごとに無理に値下げをしなくとも、「売れる値段」で売り切ろうというコンセプトです。
私の小売経験の中でも、この「一物多価」は何度も議論されたものです。
確かに、
○うちの店では売れているのに、何で値下げするのか?
○売上アップのために限定特価品を作りたい
など、といったお店の意見に対して、
○同社の他店と価格が違うとお客様からのクレームになる
○店がルールを越えて価格を下げ始めたら危険
○その統制管理が大変
といった本部の声
結局SCのセール対応は別にして、商品の店間移動によって一物一価を維持したり、スーパーバイザー(店舗サポートの本部員)とバイヤーの個々の運用で対応したものです。
こういった制度を大々的にやるのは大胆だなあ、と思いましたが、システムの科学的運用で定評のあるライトオンがこの政策で、どんな成果を上げるかを見守りたいと思います。
関連エントリー-ライトオンの「売れる仕組み」
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Comments
「売れる価格で販売する」という商売の基本をチェーンオペレーションでは難しいと一律化してきた小売業。
たしかに導入当初は同じ看板の店で価格が違うとお客様からのクレームになるでしょうがライトオンの一物多価のチャレンジがどんな結果になるのか楽しみです。
Posted by: いのうえ | July 09, 2006 02:22 PM
いのうえさん
こんばんわ
コメントありがとうございます。
そうですね。本来なら「商売の基本」。
商売人の育成とチェーンストアオペレーションは相反する側面も持ち合わせていることは否めません。
これからもよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | July 10, 2006 01:36 AM