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August 31, 2006

ピーチジョンとワコールの連携始まる

 8月30日の繊研新聞に、5月に資本提携した女性インナー最大手のワコールと同急成長企業のピーチジョン(PJ)の具体的な業務提携案が掲載されていました。

 以前ブログで両社の資本提携の話題は取り上げましたが、その後、ワコールが野口会長(社長の元夫)が保有するPJの49%の株式を約150億円(記事を読んだ時びっくりしましたが)で譲り受けることになり、株式の51%は野口社長、49%をワコールホールディングスの体制で、野口社長の良さを活かすべく業務提携の話が進んでいたようです。

 PJは生活者の心を上手に掴んだマーケティング先行型なところはありますが、業界筋や消費者調査などでは、品切れ、納期遅れ、品質に課題があると聞いていました。そこで今回は、ワコールが2人の役員を送り込んで、まずは、特にサプライチェーンの業務改革を行うようです。

 ワコールの海外生産拠点を利用して、PJのそれを強化改善しようというもので特に、

 ○人気商品の在庫管理
 ○リードタイムの短縮や品質向上
 ○コストダウン

 に力点が置かれる模様です。おそらくワコールの工場を使ってしまうとPJの商品の顔が「硬く」なってしまう可能性もあると思われますので、PJの工場を指導するという形が理想的なのではないか、と思ったりします。

 また、記事によると、PJのアジア出店やPJを卒業したお姉さん版のブランド開発も視野に入れているとのこと。面白い展開になりそうですね。

 ここのところますます都心のJRの車内ではPJの広告が目立ちますね。以前にも増して力が入っているような気がします。

 今回の提携では、当然株式公開も視野に入っているでしょうし、両社の良さを活かしての息の長いブランディングが行われることを楽しみにしています。

 関連エントリー-ワコールHDがピーチジョン(PJ)と資本業務提携

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August 28, 2006

先週の記事別アクセスランキング

先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-ユニクロ・デザイナーズ・インビテーション・プロジェクト(06.08.24)

 コメント:25日から販売スタート。9月6日のJFWではイベントも開催。

2位-アバクロ日本進出へ再始動(06.08.15)

 コメント:久々のアバクロ関連エントリーに多くのアクセス頂きました。
 
3位-コナカとフタタの経営統合に見る日本的M&A(06.08.20)

 コメント:それならば、これからの両社の成果に期待したいです。

4位-定番スニーカーの値崩れ(06.08.19)

 コメント:靴専門チェーンとメーカーの力関係の逆転?

5位-ダイエー営業再生の本命はユニクロ?(06.08.22)

 コメント:丸紅主導のダイエー再建の小売事業パートナーは?

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August 27, 2006

ナイスクラップが仕掛ける激安店の可能性

 8月26日の繊研新聞の1面に、先ごろ東証一部へ指名替えしたパルグループの傘下にあるナイスクラップ(ジャスダック上場)が始めた低価格業態「リマインド・ミー&フォーエバー」の立ち上げに関する記事が掲載されていました。

 同業態は、もともとナイスクラップのアウトレット業態で売上好調だった「リマインド・ミー」(6年前に立ち上げ、現在9店舗)の売れ方を研究して、プロパーでその価格(1900円-2900円が中心価格帯)を実現しようと模索していた結論であり、「商品の安さとぜいたくな空間の落差」を売りに、都会育ちのナイスクラップが、今後3-5万人の小商圏で多店舗化を計り、会社の柱にしようという戦略業態です。

 この第1号店が、7月にOPENして話題(と言っても勝手に注目しているのですが)のジョイフル本田を核とした次世代近隣型SC、ひたちなかのファッションクルーズにあるものだから、とても興味深く読ませていただきました。

 ファッションクルーズHP

 以前もブログで触れましたが、ファッションクルーズは、まちづくり三法改正後、スーパーやホームセンターを併設する近隣型SCへの出店が懸案であるファッション企業にとって、マスマーケット向けのプロパーショップと都心SCへ出店しているブランドのアウトレットショップがミックスされた、これからの小商圏のファッションマーケットを占う試みだと思うからです。

 また、今後増えるであろうと予想されるそういったタイプのモールの中にピッタリのコンセプトなのがこのナイスクラップの「リマインド・ミー&フォーエバー」と言えましょう。

 記事の中で、同業態は”ナイスクラップ流しまむら”と表現されていますが、これからは、自転車で行ける距離にそこそこ感度が高いのはあたりまえ、ポピュラープライス(ユニクロやハニーズの中心価格帯です)で楽しく、おしゃれにコーディネートも出来てお買い物ができるファッションストアが出来てしかるべき時代だと思います。というか、そこが大きなマーケットの隙間だと思いますね。

 この辺の動向、是非、チェックしておいてください。

 関連エントリー-アウトレットモール出店再開
 関連エントリー-ポストSC時代に大切なこと

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August 25, 2006

ユナイテッドアローズの強さ

 8月25日の日経MJの一面は東証一部上場、セレクトショップ最大手のユナイテッドアローズの特集記事でした。

 記事の内容自身は業界の人にとっては、周知のものも多く、決して目新しい内容はありません。しかし、同社の記事を読む度に思うのですが、いつも一貫性というか、ぶれない軸を感じるものです。

 ということなので、記事の内容に触れても芸がないので、日ごろ実感してる同社の強さを私なりに整理してみます。

 実際、私もシーズンに1-2回は買い物をしていますので、そのブランディング、商品力、接客力の強さは表に見えるもので、わかりやすいのですが、専門的なところで、他のセレクトショップを大きく引き離している点をコメントしますと・・・

○1業態24店舗限界説
 ブランドの希少価値を低下させずに、一人のMDの目の行き届く範囲の限界と
 言われる24店舗限界説を派生ブランドをうまく作りながら貫いています。

○52週MDという定性情報と定量情報をミックスした科学的オペレーションの徹底
 出資しているワールドグループ(畑崎ファミリー)がSPAに成功した原動力、
 いわゆる52週MD、現場主義、週次単位の店頭管理の徹底をしていること。

○ハイブリッド経営
 感性のBEAMS出身者を中心に、ファッション業界の中で科学的経営で定評のある
 ワールド出身者で発足し、その後、管理部門を某自動車メーカー出身者の血を
 入れたりファッションながら、ビジネスのための異業種混合経営を受け入れている。 
 最近も取締役クラスに異業種で経営の経験のある方を加えています。

○それゆえの感性とビジネス、アカデミックなバランスの取れた経営
 
 実は私が独立間もないころ、ファッション系コンサル会社と組んで、同社の幹部の方々にあるプレゼンを聞いていただいたことがあります。結果は不採用に終わりましたが、率直な感想と、具体的な採用できない理由と、プレゼンの問題点をわかりやすい言葉で的確に指摘して頂いた経験があります。

 提案は通らず残念ではあったのですが、いろいろ勉強させられたと感謝したのを記憶しています。そして、その後も顧客としてお買い物を続けていますし、仕事面では、将来、この会社に負けないくらいのすばらしい会社づくりを支援して行こうと思ったものです。

 2011年には、10兆円のアパレル市場のうち、マスマーケットを除いた3兆円強のマーケット規模のうち、3-4%に相当する年商1000億円を目指そうという同社。今後も半歩先のマーチャンダイジング提案、ファッションリーダーショップとして期待しています。 

 関連エントリー-専門化する専門店
 関連エントリー-トレンドセッターの流行先読み術

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August 24, 2006

ユニクロ・デザイナーズ・インビテーション・プロジェクト

 8月22日にユニクロ銀座店でデザイナーズ・インビテーション・プロジェクトがプレスリリースされたのを受けて、23日の日経新聞、繊研新聞に、24日からは繊研新聞で連載記事が始まっています。

 同プロジェクトは、ユニクロが東京とパリのセレクトショップ向けデザイナーやコレクションデザイナーとコラボして、低価格ながら感度の高い商品(いわゆるファストファッション)を開発、販売し、ユニクロがこの秋から本格的に仕掛けるファッション性をアピールしようというものです。

 ユニクロ・デザイナーズ・インビテーション・プロジェクトオフィシャルHP

 こういったプロジェクトは海外で先行するH&Mやトップショップの後を追うものですが、デザイナーの知名度に関して言えば、知る人ぞ知るといったところでしょうか。

 22日の銀座店先行販売後、明日8月25日から12月22日まで、約2-3週おきにデザイナー7人のコレクションをひとつづつリリースし、ユニクロ店頭とインターネットサイトで販売されるとのことです。

 上記のサイトで早速、最初の3人(組)までの商品を見ることができますが、さすがニコラ・アンドレア・タラリスのコレクション(ウィメンズ)はかっこいいです、あっという間に売れそうな感じがしますね。

 このプロジェクトへの各デザイナーの取り組みに関する繊研新聞のコメント、誰が言っているのかは判りませんが、興味深いのでいくつか引用させていただいきます。

 「ユニクロには絶対ないものを提案できる」
 「これまで接点のなかった人にも、自分のデザインを触れてもらえる」
 「値段を聞いたとき、こんなに安いのかと驚いた」
 「デザインや価格に対する制約はなかった」
 「むしろ、より良いものを作るために激論を交わした」

 話は前後しますが、ユニクロからの各デザイナーへの「お題」は

 ユニクロが用意する素材と工場を使い、コーディネートできるように8型の提案をする

 だったそうです。それ以外の制約はありません。

 なるほど、素材が決まって、産地は中国でしょうから、デザイナーがよっぽど手作業の多いものや奇抜な附属使いをしなければユニクロの生産ロットをもってすれば、縫製工賃もほぼ固定されたも同然。デザイナーがどんなにいいデザインを追及しても、価格はユニクロのコントロール下、というわけですね。

 業界から見たらいろんな意味でうらやましいプロジェクトですね。将来はH&Mのようにカールラガーフェルドやステラマッカートニークラスの有名デザイナーとのコラボも実現して行くのでしょうね。

 この秋変わり行くユニクロ、既存の顧客はどう反応するか、今までかたくなにユニクロを買わなかったファッションフリークをも唸らせるか?興味深いところです。

 関連エントリー-日本ファッションウィーク(JFW)にユニクロ登場

 追伸:最近ユニクロの記事ばかり書いているような気がします。他のファッションSPAさん、がんばって!

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August 23, 2006

ゼイヴェル子会社がギャル系シブヤガールズコレクション開催

 8月23日の繊研新聞によると、日本最大のモバイルサイト、ガールズウォーカーを運営するゼイヴェルの子会社(3月にゼイヴェルが51%出資して資本提携)、ティーガーデンが今年の10月9日、東京ガールズコレクション(TGC)の妹版、ティーンズを対象にした「シブヤガールズコレクション(SGC)」を開催するとのことです。
 
 シブヤガールズコレクション(SGC)オフィシャルサイト

 おなじみTGCは20-34歳といういわゆるF1層を対象にしますが、SGCはティーンズ、ピュアヤングと言われる中学生から社会人までの一般層、あるいは俗に言うギャルが対象となります。

 参加予定ブランドは、グラッドニュース、ゴールズ・インフィニティ、ココルル、マジョレナ、ブルームーンブルー、JIマックスなど、今回のイベントは、「彼女が彼に着て欲しい服」をテーマにしたメンズイベントもあるようで、新木場スタジオコーストに3000人の集客を計画しているとのことです。

 ティーガーデンの文倉社長は、「空白マーケット」とコメントしていますが、これらギャル系ブランドは、もともとの発祥地109内では、お姉系トレンドに押されて前年大幅割れのブランドも少なくないと聞いています。

 一方で、それらのブランドは、その穴埋めをかつて一斉を風靡したナルミヤ系を好む小学校高学年マーケットあたりを青田買いしているのが現状のようです。その層が読む雑誌は今や109ギャル系が幅を利かせています。

 そのとばっちりを受けたナルミヤ系ニコラ系を擁する109②はこの秋、春から始めたメンズフロアを倍増。いよいよセクシー系というかお兄系というか、このテイストの横綱で、オクトパスアーミーの子会社が運営する「バッファローボブス」も登場するようですね。109②は、行く末はSGCがその行く末を見せるように、109からギャル系を移設してギャル&メンズ館になるような気がします。

 同じく8月23日の日経新聞ですが、この秋、109②、ラフォーレ原宿で順調なメンズフロアーが倍増する記事を取り上げています。

 大人から背伸びした女の子まで幅広く取り込む絶好調のCanCam、姉Can系をおさえるTGC。続いてティーンとメンズをおさえるSGC。ゼイヴェルグループの包囲網恐るべしです。

 関連エントリー-東京ガールズコレクション
 関連エントリー-ポスト・ニコラ世代を追いかけて
 関連エントリー-109(マルキュー)にメンズフロアデビュー

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August 22, 2006

ダイエー営業再生の本命はユニクロ?

 今週の日経ビジネスの特集記事は「偽りの再生、ダイエー浮上せず、最後の救済者はユニクロ?」という興味深い見出しの内容です。

 先日、産業再生機構が丸紅に株式売却を発表してから続投宣言していた樋口社長が突如退任を表明し、本日(22日)の臨時取締役会で正式に決定されることになりました(但し樋口社長は顧問として残る模様)。

 その理由は、ここのところの新聞紙上では樋口社長の後盾であるアドバンテッジパートナーズの役員の退任や丸紅と戦略上のソリが合わないことなどいろいろな憶測がされていますが、定かではありません。

 樋口社長の後任は丸紅から役員クラスがお見えになるようですが、産業再生機構がリストラで一時的に改善した損益を、商社の丸紅が単独で小売業の営業再生ができるとは誰も思っていないでしょう。

 今回の日経ビジネスの記事では、営業再生を担うパートナーとして、近い将来アドバンテッジパートナーズの持ち株を譲り受けるであろう企業として、かつてダイエー再建の入札に参加し、再生機構が流通バランスが崩れることを恐れて避けたイオン、外資に渡すのを嫌って外したウォルマートなどの大手流通系企業の名前が挙がっており、その中でも「ユニクロが本命?」という部分には興味がそそられます。

 柳井会長と樋口社長の個人的な親しさ、ダイエーの衣料売場再生の切り札として手がけ始める新業態のジー・ユー、丸紅はユニクロの主要仕入先・・・説明はいくらでもつきます。

 2010年グループ年商1兆円を目指すファストリの長期経営計画の中で、何百億円規模の企業買収もこれからいくつもあるとも限らないし、一気に大手をかける大物といってもいいでしょう。ファストリの1000億円を越えるキャッシュフローは、資本参加の裏づけの信憑性も十分あります。

 また、柳井会長が日本の流通革命の大先輩として、ユニクロ発足当時から故中内功さんを強烈に意識しているのは有名なところ。記事に中内さんの追悼集会での柳井会長のスピーチ内容が掲載されていますので引用しましょう。

 「(ダイエーの中内さんは)メーカー主導の世界から消費者主導の世の中へと作り変えようとされてきたわけです。(中略)その遺志は我々小売業者の後輩が引き継いで必ず日本の小売業を顧客最優先のリーディング産業にしないといけないと思います。」

 この言葉には本気を感じます。イコール、ダイエーを引き継ぐという意味ではないと思いますが、そもそも柳井会長が掲げる年商1兆円も、もともとダイエー中内さんが初めて成し遂げた偉業であり、その後、日本のビッグストアを標榜する小売業のオーナーがゴールとしている年商規模でありましょう。

 ユニクロ側はこれについて入居する方針はあるが、今のところ考えはない、とコメントしているとのこと。そうですね、おそらく、同社もファッション企業として1兆円を目指すはずなので、私も営業再生のいちパートナーとしてはありえても、テイクオーバーするまではどうかと思いますが、とても興味深い内容でした。

 また、同記事には、なぜ産業再生機構が、前倒しして丸紅に株を売却したのかについての裏話もありますのでご興味のある方はご一読を。

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August 21, 2006

先週の記事別アクセスランキング

先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-アバクロ日本進出へ再始動(06.08.15)

 コメント:引き続きアメリカで好調のアバクロ、日本進出に動き出した模様です。
 
2位-アパレル業界でM&Aが急増(06.08.13)

 コメント:お盆休みの話題はフタタをめぐるAOKI、コナカの統合提案でもちきりでしたね。

3位-丸井出店が熱くする都心百貨店改装ラッシュ(06.08.04)

 コメント:都心部で最も成長率の高い丸井に次世代型百貨店創りに期待です。

4位-ユニクロのジーユーはイケそうな予感 (06.07.22)

 コメント:一方、25日からユニクロのデザイナーコラボシリーズがリリースされ始めます。

5位-英トップショップがラフォーレ原宿に出店(06.07.21)

 コメント:トップショップは、日本ではまだそれほどおなじみではありませんが、
      この秋、業界、メディアの話題を呼びそうです。

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August 20, 2006

コナカとフタタの経営統合に見る日本的M&A

 AOKIのTOBによる経営統合案に端を発したフタタをめぐるコナカとAOKIの統合提案合戦は、18日にフタタがコナカ案を取り入れ、AOKIが統合案を取り下げたことで決着がつきました。

 AOKIが経営統合案を提示してから日経新聞始め、各紙で毎日のようにその動向が取り上げられており、その記事を興味深く追っていましたが、結論は株式公開企業同士でありながら、創業家企業による極めて日本的でわかりやすいものだったような気がします。

・フタタの創業者、二田相談役(二田社長の父)は二田社長(息子)が世代的に共感してコナカと業務提携したにもかかわらず、業績が目に見えて改善しない状況、そのスピードに業を煮やした。

・二田相談役(父)は、旧知のAOKIホールディングス青木社長に相談し、AOKIは株式市場の原理を利用したTOBによる経営統合、子会社化を提案をけし掛けた。

・経営統合、多角化といった革新経営に手馴れたAOKIは、リーズナブルな提案を行った。

・あわてたコナカは株式交換による経営統合、子会社化を正式にフタタに提案した。これにより、フタタは同社と株主の利益を考え、二つの選択肢のうち、どちらを取るかの選択に迫られた。

・株式会社の論理から言うと発言力がないにもかかわらず、二田相談役(父)は、中途半端ではない結論が出る直前までプレッシャーをかけ続けた。

・フタタはコナカ・フタタサイドと言える銀行をアドバイザーに役員会議でソフトランディングと言えるコナカを選択した。

・AOKIは紳士的に提案を取り下げながらも、提案の正当性を誇示した。

こんなストーリーでまとめた方も少なくなかったのではないか、と思います。

おそらく創業の父も少しは親心からホッとされていたのではないか、と想像しますし、二世経営者同士が出した結論にエールを送った青木社長の一枚も二枚も上手の役者ぶりも印象的でした。

今回の一件で特に象徴的だったのは・・・

○カリスマ創業者の二世社長への親心と苛立ち

○二つの選択肢から買収される側が選ぶM&Aの事例

○AOKIとコナカ&フタタの社内外の戦略ブレーン層の厚さの違い

でした。

 私も一時、気迫のカリスマ創業者と二世経営者に仕えた経験から今回の結論に妙に納得しながらも、株式市場の原理に問えない日本の公開企業のあり方に少し考えさせられる部分もありました。

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August 19, 2006

定番スニーカーの値崩れ

 8月17日の日経新聞に「定番スニーカー値ごろに」という見出しで有名ブランドのスニーカーが値下がりしている、という記事が掲載されていました。

 記事によると、皆さんおなじみの定番キャンバスシューズ、VANSバンズのスリッポンやCONVERSEコンバースのオールスターあたりが、靴専門店チェーンABCマートやアスビーなどで、25%-50%OFF販売が恒常化しているとの話。

 2000年前半までのナイキの希少価値戦略に支えられていたスニーカーブームは、当時シューズバイヤーをしていた記憶によると、アディダスの供給過剰販売とファッショントレンドの変化があいまって終焉を迎えました。

 その後、上記のキャンバス系定番シューズが売れ筋上位に浮上したものの、レザースニーカーに比べ、単価が安く、スポーツシューズ市場はそれ以来売上前年割れから抜け出せない現状が続いていたと思います。

 ブランドスニーカーのディスカウント販売は、今も昔も決して珍しいことではありませんが、定番商品の安売りがここまで恒常化する背景には、下降が続くマーケットの切迫感と同時に、靴専門店、特にABCマートの急速な成長がスポーツブランドシューズメーカーと専門店の力関係を逆転させ、主導権が小売チェーン側に移ったことがあると思います。

 以前、ナイキやアディダスといったインターナショナルブランドすらABCマートの郊外店向けに低価格帯シューズを別注する時代になった記事を取り上げました。

 また、今回取り上げられている、アメリカのVANSは今やABCマートのものですし、同様にコンバースの商標権も日本の伊藤忠商事が持っています。ある意味、日本国内の力関係や戦略で価格はどうにでもなりそうです。

 ナイキがスニーカーのアメリカなど海外との内外価格差をなくしたと言われてはいますが、まだまだ日本の生活者は高く買わされているとも思います。

 しかし、いつも思うのですが、スニーカーの価格が値ごろに向かうのはいいのですが、やはりディスカウントという形になってしまうんですかねえ。そこがメーカー側のプライドと店頭の現実の折り合いなのでしょうか。なんか、ファッションというよりカメラ屋、家電量販店のようで・・・。

 関連エントリー-ABCマートが低価格のNBスニーカー販売

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August 15, 2006

アバクロ日本進出へ再始動

 8月15日の繊研新聞によると、昨年、日本進出を白紙に戻したアメリカのカジュアルスポーツウエアSPA、アバクロことアバクロンビー&フィッチが08年秋から09年初めに日本1号店を出店すべく、再び動きだしたとのことです。

 これは繊研新聞のニューヨーク通信員によるアバクロのトム・レノックス副社長のインタビューで明らかになった話のようで、表参道または銀座にニューヨーク5番街級の500坪超の店舗を出店できる立地を物色している模様です。

 さらに、記事によると、同氏は、以前日本進出のための子会社ANFの代表をされていた田代俊明氏と袂を分けた理由として、やはり、ビジネスの拡大のペースに関する考え方の相違があったことを認めているようで、日本では、田代氏が進めようとしていた拡大のスピードよりも、着実にブランドを構築したい意向で、現在、「我々のビジネスモデルとブランド哲学を理解している人、もしくは学ぼうとする意欲のある人」を統括責任者として探している最中であるとのこと。

 1号店出店後の計画は未定のようですが、そういうことであれば、じっくりブランドイメージを構築して日本市場を攻略しようというお考えのようですね。

 どんな方が日本の事業展開の責任者に選ばれるのか、そして2年後、1号店となる大型店の立地は?はたまた、アメリカでは大学生をメインターゲットにポジショニングされたブランドであるアバクロを日本では、ラグジュアリーブランド並に打ち出す戦略の成否はいかに・・・その出方が楽しみです。

 関連エントリー‐アバクロ日本進出延期

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August 14, 2006

先週の記事別アクセスランキング

先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-日本ファッションウィーク(JFW)にユニクロ登場(06.08.07)

 コメント:ユニクロがこの秋にどんな新しいコレクションを見せてくれるか楽しみです。
 
2位-丸井出店が熱くする都心百貨店改装ラッシュ(06.08.04)

 コメント:生活者の都心回帰に新たな勢力図が塗り替えられるか?

3位-ユニクロのジーユーはイケそうな予感 (06.07.22)

 コメント:まちづくり三法を見据えて低価格業態開発を進める業界にもっとも
      興味深い話題です。

4位-ファストリがHKジョルダーノに買収提案(06.08.06)

 コメント:ファストリの野望は世界のどこまでも・・・

5位-メガネ女子(06.08.05)

 コメント:実用からファッションへ、メガネの普及はますます広がります。

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August 13, 2006

アパレル業界でM&Aが急増

 今週のアパレル業界の話題は紳士服専門店チェーンを核とするAOKI(アオキ)ホールディングスによる同業フタタへのTOB、子会社化提案で持ちきりだったと思いますが、それに関連して、8月11日の日経新聞に、急増する業界のM&Aについての特集記事が掲載されており、興味深く読んでおりました。

 創業者によるオーナーシップ経営、創業家同士の親密な関係、あえて付け加えると創業者と二代目の微妙な確執など、経営体質に独特の古さと閉鎖性を残すアパレル衣料専門店業界。創業者は、その危機感から、「万一に備え」、利益を蓄積し、借金はできるだけしない経営を徹底します。手形を振りながら、日銭を稼ぐ小売業ならではの回転差資金活用術、利益剰余金の積み上げ方は異業種から見れば特異に見えるのかもしれません。

 モノ言う株主、村上ファンドが利益配当を迫った東京スタイルの一件あたりから、業界でも、利益余剰金の使途をめぐって、経営者の目を、飽和気味なマーケットの中での成長戦略ともあいまって、積極的な投資、M&Aへと向けるきっかけになったのは間違いなさそうです。東スタはその後、セレクトショップのナノユニバースや、カリスマストリートブランド、ステューシーの日本代理店ジャックコーポレーションの買収へと動きましたが、まだまだ次世代を見据えた本来のキャッシュフローを活かした本格投資とは言えそうにないような気がします。

 もっとも、M&Aは手段であって、垂直あり、水平あり、目的も違うし形もいろいろあると思います。

 ユニクロを運営するファーストリテイリングの昨今のM&A戦略は、マーケットの国境を越えたビジネスの拡大と将来を見据えたダイナミックな新時代のM&Aに見えたりします。

 一方、今回のAOKIとフタタのケースは、記事が指摘するように、ジリ貧マーケット内でのシェア争い、創業家同士、世代間の関係、古い体質を引きずりながらも、業界の典型的な縮図が赤裸々に見える今後の業界内のM&Aを占う興味深いものになる事例のひとつにもなりそうです。

 いずれにせよ、株式公開企業は新株発行、株式交換という、「造幣局的」機能を武器に、力の論理と新しい企業価値の創出を、一方では株式市場の論理で買収の標的にもなりながら・・・成熟市場と言われ久しいですが、これからも業界で、キャッシュリッチな企業を取り巻くさまざまな買収劇が起こりそうです。

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August 12, 2006

アルペン、CCCとポイントカードで提携

 8月11日の日経MJによると、スポーツ用品大手のアルペンはカルチャーコンビニエンスクラブ(CCC)の子会社Tカード&マーケティングが運営するポイント還元制度の異業種同盟Tカードと提携し、8月21日からTSUTAYA会員(Tカード会員は約1900万人)がアルペン全店でお買物をすると、100円のお買物に対し、1ポイントが付与されるサービスをスタートさせるとのことです。

 Tポイントの加盟企業は着々と増えていますね。

 電子マネーの普及とともに、ポイント統合の動きも要チェック、未来の消費が見えてきます。

 関連エントリー‐青山商事、CCCとポイントサービスで提携

 関連エントリー‐無印良品、ポイントサービスでCCCと提携

 関連エントリー‐ポイント還元合戦、その先にあるもの

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裏クールビズ

 8月11日の繊研新聞に、クールビズのカウンターカルチャー版、「裏クールビズ」に関する記事が掲載されています。

 2年目に入った夏の涼しいカジュアルビジネススタイルであるクールビズ。今年は、30代~40代に定着、ということで、百貨店、量販店の夏の前半商戦で紳士服売場の売上を浮上させ、全体の売上に貢献した一つの牽引役でありました。そのあおりを受けて、ご想像の通り、ネクタイの売上は惨憺たる状況のはず・・・。

 しかしながら、記事によると、20代~30代向けにクールに(英語でかっこいいという意味の)ネクタイでびしっと決めたスーツスタイル=タイドアップスタイルをきちっと提案したビームス、エディフィスなどのセレクトショップのネクタイの売上が前年に対して伸びているとのことです。

 打ち出しているネクタイは、ニットやリネンなどの従来の夏のタイではなく、シルバーやグレーのオーセンティックなブリティッシュスタイルであったり、ラベンダー、パープル系のこの秋に期待されている色目。また、同じく秋に期待されている細身の2つボタンスーツに対応した細めのネクタイ、タイバーの売れ行きが好調とのことです。

 夏の後半で失速したとも言われるクールビズ。世間がクールビズ、クールビズと騒ぐほどカウンターカルチャーも生まれるもの。飽き(秋)が来る前に、新しいものに飛びつく若者の心理は十分理解ができますね。

 関連エントリー‐二年目のクールビズ

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August 09, 2006

百貨店で前払い式共通ギフトカード導入

 8月9日の日経新聞によると、日本百貨店協会は年内をメドに前払い(プリペイド)式の共通ギフトカードを発行するとのことです。

 ギフトカード(商品券)といえば、従来は紙で出来ていましたが、クレジットカードと同じサイズの磁気カードで、目新しさによるギフト需要の回復につなげたいというもの。既存のPOS端末で扱うことができ、投資の必要はないとのことです。

 アメリカの百貨店やSPAを含めた専門店の多くで導入されているカードと同じタイプのもので、5千円から5万円まで、購入時にディポジットして、知人にプレゼント、手持ちのカードと同じサイズなので、保管が楽で、額面を気にせずに買い物が出来、店舗側から見ると、使用の際は、つり銭や回収の手間が省けるメリットがあります。
 
 今のところ使いきりですが、将来的には、再入金ができるものにして行くとのことです。

 先だって、凸版印刷と組んで、BEAMSが導入しましたね。百貨店やステイタスのあるショップのカードだと喜ばれるかもしれません。

 ビームスギフトカード

 また、再入金ができるようになるとなると、磁気とICの違いはありますが、エディやスイカなど電子マネーとの連携、あるいは統合も出てくるかもしれません。電子マネーカードもお気に入りのブランド柄が選べたりして・・・。いろいろ楽しくなりそうです。 

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August 07, 2006

日本ファッションウィーク(JFW)にユニクロ登場

 8月7日の日経MJによると、この度、9月4-8日に開催される第三回「東京発 日本ファッションウィーク(JFW)」の概要が発表され、スペシャルイベントでユニクロがファッションショーを開くとのことです。

 JFWは、東京コレクション、テキスタイル素材展、スペシャルイベントの3本柱で海外からプレス、バイヤーを集めようと、停滞期を迎えた東京コレクションを政府がてこ入れして、ファッション戦略会議が担ぎ上げて昨年から始まったファッションイベント。今回は、欧米コレクションに先駆けて前倒し開催されることで話題でした。

 このイベントに対し、ユニクロは、第二回目からスポンサーになっており、今回は、東京コレクションではなく、スペシャルイベントに、先ごろコラボを発表したミントデザインズ、シアタープロダクツ、イリアドなど国内外7つのデザイナーブランドに、勝田さん率いるNYデザインオフィスのコレクションを加えてお披露目する模様です。

 記事の見出しを見た時に、一瞬、一足早く、ロンドンコレクションに独自コレクションをデビューさせたイギリスのファストファッションSPA、トップショップのことが脳裏をかすめ、さすが柳井会長、すばやいな、という直感。しかしながら、内容をよくよく見ると、どうやらソニーエリクソンのファッションと携帯電話を組み合わせたイベントなどとも並列になっており、コレクションというより、お披露目イベントの要素が強く、そうだよね、まだトップショップの域には達してないよな、と思ったものです。

 しかしながら、ユニクロが東京コレクションに登場するのも時間の問題なんでしょうかね。その可能性と野望について、今回のイベントでお披露目される商品は要注目です。

 関連エントリー-ファストファッションの挑戦状
 関連エントリー-ユニクロデザインスタジオ

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この夏またもや変化対応で明暗わけた?SPAと集荷型ストア

 8月7日の繊研新聞に、6-8月の端境期に、天候を理由に苦戦を強いられた多くのカジュアル系ファッション専門店を尻目に、晩夏物の巧みな投入によって好業績を上げたSPA企業各社の事例が掲載されています。

 確かに、梅雨と本格的に暑くなるのが遅かったこの夏。集荷仕入型ファッション専門店は、従来通りメーカーが作りこむ主力の半袖トップスやショート丈のボトムが売れず、売上前年割れが相次いでいたと聞きます。反省の弁は「天候不順で顧客の欲しいものが店頭で提案できなかった」と他人事のようなコメント。同情しながらも、毎シーズン同じことを繰り返すのか?・・・と深いため息。

 上記記事ではジャパンイマジネーションのセシルマクビー、クロスカンパニーのイーハイフンワールドギャラリー、ポイントのローリーズファームの成功事例が挙げられており、それらの共通点は

 ○この秋に期待されている新鮮な色やディテールを
 ○夏でも着れる!今すぐ着れる!素材とデザインに落とし込んだ商品

 ファッションのシーズンは春夏秋冬と言われますが、その中でも、もっとも長いシーズンは夏。顧客の立場からすると後半戦もっとも「飽き」の来るシーズンにもなります。これに対して、売場に新しいものを提案しよう、新しいものをすぐに着たいという顧客心理に応えようと、前倒し提案した結果に尽きます。

 【明】顧客に常に新鮮な商品を提案しようと、従来のシーズンのサイクルを細分化して次々に新しいものを投入するSPA企業。
 【暗】メーカーの企画サイクル、生産の都合と連動したシーズンの枠組みが崩せない集荷型専門店。

 去年の冬は、寒すぎて玉切れ、今年の夏は暑くならずに同じ商品が店頭に並び続ける晩期、端境期・・・いい加減、生活者の気持ちに立って、不安定な天候もものともしないファッションマーチャンダイジングを勝ち組SPAから学ばなければならない時ですね。

 関連エントリー-冬物商戦後半で明暗分けたSPAと集荷型ストア

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先週の記事別アクセスランキング

先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-ユニクロのジーユーはイケそうな予感 (06.07.22)

 コメント:この秋の業界の新業態の目玉の一つ、引き続きたくさんのアクセスを
      いただきました。
 
2位-英トップショップがラフォーレ原宿に出店(06.07.21)

 コメント:小規模でテスト出店とは言え、2週間ごとにどんなホットなMDを
      見せてくれるか楽しみにしています。

3位-GAPが小型店で出店攻勢(06.07.30)

 コメント:SPAの本家本元が日本で第2の成長期を迎える。

4位-ファッションリテーラーの在庫コントロール(06.07.26)

 コメント:顧客の視点に立てば、在庫はコントロールできるもの・・・

5位-トップショップのデザイナーインキュベーション(06.08.02)

 コメント:ハイストリートファッション(ファストファッション)からハイファッションへと
      脱皮するトップショップのチャレンジには今後も注目です。

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August 06, 2006

ファストリがHKジョルダーノに買収提案

 8月5日の日経新聞にユニクロを展開するファーストリテイリングが香港のファッションSPA最大手、ジョルダーノ・インターナショナルに買収提案をしたという記事が掲載されていました。

 その後、インターネットを中心にニュースを追っていましたが、どうやら、ファストリが香港株式市場でジョルダーノの株式買付計画を画策して、4日に、同株式が売買停止に至ったことによって、明るみになった話のようです。

 ジョルダーノへの買収提案は複数企業から来ており、ファストリもその1社、ファストリ側もジョルダーノ側もその後、事実を認めており、ジョルダーノ側は、検討する立場にない、と拒絶した模様です。

 ジョルダーノは、欧米企業からアパレル生産を受託していたメーカーが、その蓄積したノウハウを活用して1981年に香港でスタートしたベーシックカジュアルのSPA企業(いわばアジアのGAPです。SPA化した今でもメーカー・卸事業は継続しています)。現在、アジア・オーストラリア・中東など31の国または地域に約1600店舗を展開。売上は44億HK$ですから、日本円で700億円弱でしょうか。アジアではSPAの先駆けであり、ユニクロ自身もその創業時にベンチマークした企業の一社です。日本にも22店舗ありますからご存知の方も多いはず。私もそうですが、香港に出張されたことのある方は、着替え用インナー購入などでお世話になった人も多いのでは・・・

 1600店舗のうちの約650店舗が中国にあり、一店舗あたりの規模は大きくありませんが、もし、ユニクロがジョルダーノを傘下に収めれば、アジア市場に大きな足がかりができるのは間違いありません。

 ファストリは、てっきりM&Aに関しては、日本国内と欧米に目が向いてるとばっかり思っていました。アジアにも目を向けていたのは、正直盲点でありました。

 香港には、ボッシーニやG2000など他にも大手SPAはありますので、今回の顛末に関わらず、ファストリは果敢にアジア企業の買収も視野に入れてゆくのだなと思いました。

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August 05, 2006

メガネ女子

 8月5日の日経新聞、「はやりを読む」の今回のテーマは「メガネ女子」でした。

 去年、「メガネ男子」などの出版物でめがねをする男の子が注目されましたが、後を追うように、めがねで気軽にファッショナブルにイメチェンをする女性が増えているという話。

 おなじみのインターメスティックのZoffやコンソメでのインタビュー記事を中心に書かれていますが、同社では、昨年10月くらいから雑誌取材依頼が増え、今年に入って、月を追うごとに売上前年比が大きく上回るようになり、女性構成比の高まりが牽引してる模様。

 有名人の影響も少なくなく、最近、男性ではオリエンタルラジオの藤森慎吾、女性には、アンジェラ・アキを意識したメガネに関する問い合わせがダントツで多いとのこと。

 そう、アンジェラ・アキ、彼女のアルバム「HOME」は、最近の私の夜のデスクワーク時のヘビーローテーションBGMですが、めがねをかけて知的に見える女性はとっても素敵ですね。

 言うまでもなく、めがねも重要な自己主張のファッションパーツ、個性をアピールする時代にますます注目されるでしょうね。そして、最近は、新しいデザインが次々でるので、ファッショントレンドの変化を捉える上でも、めがねショップは見逃せない定点観測地になりつつあります。

 関連エントリー‐毎日の気分で着替えるメガネ

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August 04, 2006

丸井出店が熱くする都心百貨店改装ラッシュ

 8月4日の日経新聞に、東京銀座地区での百貨店の新規出店・増床・改装計画関連の記事が掲載されています。

 景気回復で息を吹き返した百貨店各社は、今年から2010年くらいまでの間に各地で改装・増床計画を打ち出しているのは、以前からこのブログで何度も触れていますが、東京・銀座地区での目玉はやはり、有楽町のマリオンと交通会館の間に来年(2007年)新規出店をする丸井有楽町店でしょうか。

 丸井有楽町店についての丸井リリース資料16ページ参照

 また、丸井は、今年の9月に大阪地区初出店となる「なんばマルイ」を高島屋の目の前に新規出店、関西都心部に殴りこみをかけます。

 百貨店は都心駅前立地に大規模で出店するだけに、これからは、なかなか新規出店は少なく、改装、増床が中心になると思いますが、丸井の動きは、いい起爆剤になりそうですね。

 従来の百貨店を支持したシニア・アダルト層の後に、丸井で育った世代が消費リーダーとして台頭するのも時間の問題。百貨店離れをした世代を百貨店に呼び戻す上でも丸井の都心部での活躍はとても興味深いところです。 

 関連エントリー‐2010年、大都市商圏がおもしろい

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August 02, 2006

トップショップのデザイナーインキュベーション

 今週月曜日から、繊研新聞に、9月から原宿ラフォーレでの実験出店が決まったイギリスのヤング向けファストファッション(ハイストリートファッション)チェーン、TOPSHOP(トップショップ)を紹介する連載記事「トップショップをひも解く」が掲載されています。

 トップショップの旗艦店、世界最大のファッションメガストア、オックスフォードサーカス店は、業界でも有名な、ロンドンの定点観測地であり、私もかつて、年に2回通ったのを思い出しながら、興味深く読ませていただいております。

 8月2日の連載3回目の記事では、同社が、単なるトレンドファッションのトレードオフ(売れ筋商品の不要なデザイン部分を簡略化し、コストを安く上げること)から脱却し、独自性を発揮してきた奇跡が綴られており、いろいろ学ぶべきことが多いと思います。

 特に、同社が、ストリートのリアルタイムな売れ筋を追求するだけではなく、新鋭デザイナーとの継続的な提携、インキュベーション(育成)的な役割を果たすことによって、(おそらく安価に)新しいデザインの情報発信を手がけているところに感銘を受けます。
 
 日本の著名クリエーターとの単なる「コラボ」や、話題性だけのために、素人やデザイン専門学校生の作品を商品化するのと大違いの、プロファッショナルな取り組みだと思います。

 本来、トレードオフを得意とする、カテゴリーキラー(業種ディスカウンター)は、その特性、オペレーション上、「本物」を越えることはできなかったはずです。

 しかしながら、トップショップにしても、H&M(ヘネス&モーリッツ)にしても、ヨーロッパコレクションのトレンドを市場最低価格で販売するだけにとどまらず、内外のデザインチームをうまく駆使して、価格を抑えながら、ファッションリーダーになりえる可能性を秘めているわけですね。

 ある意味、世界の業界にとって脅威では・・・と思ったりします。何せ、クリエイターではなく、ビジネスパーソンたちがそれをやるわけですから・・・。

 日本のユニクロもニューヨークの勝田さんを中心にそんなプロジェクトも視野に入れて活動中の模様です。しかし、スポットの使い捨てなのか、インキュベーションなのかで、その発想と未来は違ったものになってくるはずです。 

 関連エントリー-ファストファッションの挑戦状
 関連エントリー-英トップショップがラフォーレ原宿に出店


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August 01, 2006

先週の記事別アクセスランキング

先週1週間にこのブログ内でアクセスの多かった記事をランキング形式でご紹介します。業界でもっともホットな話題がわかるかも?

1位-ユニクロのジーユーはイケそうな予感 (06.07.22)

 コメント:どんな店舗になるか10月の南行徳の1号店に興味が尽きません。
 
2位-英トップショップがラフォーレ原宿に出店(06.07.21)

 コメント:実験的な出店ではありますが、今後の展開に期待です。

3位-まちづくり三法改正で変わる商圏勢力図(06.12.25)

 コメント:新時代に各社の今後の成長戦略は?

4位-ダンからタビオへ、世界の靴下屋をめざす(06.07.27)

 コメント:品質のいい靴下は一度履くとやめられません。

5位-ファッションリテーラーの在庫コントロール(06.07.26)

 コメント:SPA時代に問われる在庫コントロールの精度

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