ダイエー営業再生の本命はユニクロ?
今週の日経ビジネスの特集記事は「偽りの再生、ダイエー浮上せず、最後の救済者はユニクロ?」という興味深い見出しの内容です。
先日、産業再生機構が丸紅に株式売却を発表してから続投宣言していた樋口社長が突如退任を表明し、本日(22日)の臨時取締役会で正式に決定されることになりました(但し樋口社長は顧問として残る模様)。
その理由は、ここのところの新聞紙上では樋口社長の後盾であるアドバンテッジパートナーズの役員の退任や丸紅と戦略上のソリが合わないことなどいろいろな憶測がされていますが、定かではありません。
樋口社長の後任は丸紅から役員クラスがお見えになるようですが、産業再生機構がリストラで一時的に改善した損益を、商社の丸紅が単独で小売業の営業再生ができるとは誰も思っていないでしょう。
今回の日経ビジネスの記事では、営業再生を担うパートナーとして、近い将来アドバンテッジパートナーズの持ち株を譲り受けるであろう企業として、かつてダイエー再建の入札に参加し、再生機構が流通バランスが崩れることを恐れて避けたイオン、外資に渡すのを嫌って外したウォルマートなどの大手流通系企業の名前が挙がっており、その中でも「ユニクロが本命?」という部分には興味がそそられます。
柳井会長と樋口社長の個人的な親しさ、ダイエーの衣料売場再生の切り札として手がけ始める新業態のジー・ユー、丸紅はユニクロの主要仕入先・・・説明はいくらでもつきます。
2010年グループ年商1兆円を目指すファストリの長期経営計画の中で、何百億円規模の企業買収もこれからいくつもあるとも限らないし、一気に大手をかける大物といってもいいでしょう。ファストリの1000億円を越えるキャッシュフローは、資本参加の裏づけの信憑性も十分あります。
また、柳井会長が日本の流通革命の大先輩として、ユニクロ発足当時から故中内功さんを強烈に意識しているのは有名なところ。記事に中内さんの追悼集会での柳井会長のスピーチ内容が掲載されていますので引用しましょう。
「(ダイエーの中内さんは)メーカー主導の世界から消費者主導の世の中へと作り変えようとされてきたわけです。(中略)その遺志は我々小売業者の後輩が引き継いで必ず日本の小売業を顧客最優先のリーディング産業にしないといけないと思います。」
この言葉には本気を感じます。イコール、ダイエーを引き継ぐという意味ではないと思いますが、そもそも柳井会長が掲げる年商1兆円も、もともとダイエー中内さんが初めて成し遂げた偉業であり、その後、日本のビッグストアを標榜する小売業のオーナーがゴールとしている年商規模でありましょう。
ユニクロ側はこれについて入居する方針はあるが、今のところ考えはない、とコメントしているとのこと。そうですね、おそらく、同社もファッション企業として1兆円を目指すはずなので、私も営業再生のいちパートナーとしてはありえても、テイクオーバーするまではどうかと思いますが、とても興味深い内容でした。
また、同記事には、なぜ産業再生機構が、前倒しして丸紅に株を売却したのかについての裏話もありますのでご興味のある方はご一読を。
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