ユナイテッドアローズの強さ
8月25日の日経MJの一面は東証一部上場、セレクトショップ最大手のユナイテッドアローズの特集記事でした。
記事の内容自身は業界の人にとっては、周知のものも多く、決して目新しい内容はありません。しかし、同社の記事を読む度に思うのですが、いつも一貫性というか、ぶれない軸を感じるものです。
ということなので、記事の内容に触れても芸がないので、日ごろ実感してる同社の強さを私なりに整理してみます。
実際、私もシーズンに1-2回は買い物をしていますので、そのブランディング、商品力、接客力の強さは表に見えるもので、わかりやすいのですが、専門的なところで、他のセレクトショップを大きく引き離している点をコメントしますと・・・
○1業態24店舗限界説
ブランドの希少価値を低下させずに、一人のMDの目の行き届く範囲の限界と
言われる24店舗限界説を派生ブランドをうまく作りながら貫いています。
○52週MDという定性情報と定量情報をミックスした科学的オペレーションの徹底
出資しているワールドグループ(畑崎ファミリー)がSPAに成功した原動力、
いわゆる52週MD、現場主義、週次単位の店頭管理の徹底をしていること。
○ハイブリッド経営
感性のBEAMS出身者を中心に、ファッション業界の中で科学的経営で定評のある
ワールド出身者で発足し、その後、管理部門を某自動車メーカー出身者の血を
入れたりファッションながら、ビジネスのための異業種混合経営を受け入れている。
最近も取締役クラスに異業種で経営の経験のある方を加えています。
○それゆえの感性とビジネス、アカデミックなバランスの取れた経営
実は私が独立間もないころ、ファッション系コンサル会社と組んで、同社の幹部の方々にあるプレゼンを聞いていただいたことがあります。結果は不採用に終わりましたが、率直な感想と、具体的な採用できない理由と、プレゼンの問題点をわかりやすい言葉で的確に指摘して頂いた経験があります。
提案は通らず残念ではあったのですが、いろいろ勉強させられたと感謝したのを記憶しています。そして、その後も顧客としてお買い物を続けていますし、仕事面では、将来、この会社に負けないくらいのすばらしい会社づくりを支援して行こうと思ったものです。
2011年には、10兆円のアパレル市場のうち、マスマーケットを除いた3兆円強のマーケット規模のうち、3-4%に相当する年商1000億円を目指そうという同社。今後も半歩先のマーチャンダイジング提案、ファッションリーダーショップとして期待しています。
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Comments
ユナイテッドアローズの強さについての分析、たいへん興味深く読ませていただきました。
半歩先のマーチャンダイジング提案、ファッションリーダーショップとしてのポジション・・・多くのブランドがゴールとするところですね。日本のシビアな消費者を魅了する同社の今後の動向、楽しみです。
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Posted by: LAビジネスウォッチャーズ | August 31, 2006 08:23 AM
LAビジネスウォッチャーズさん
いつもコメントありがとうございます。
もともと日本のセレクトショップは貴地のフレッドシーガルやロンドンのブラウンズなどがお手本だったと思いますが、UAの場合はそういったお手本を乗り越え世界に類のない業態として進化し続けていると思います。
これからもよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | September 01, 2006 12:23 AM
こちらのURLでファッション業界のことを勉強させていただいているものです。ユナイテッドアローの強さの記事を読み心強く思っています。と申しますのは、実は、同社の株を今年の5月ころ購入したのですが、それ以降株価はなぜか右肩下がりの傾向を続けています。昨年12月末に3,900円の高値をつけ最近は2,000円前後で推移しています。来期決算予想も決して悪くは無いと思われますが、何ゆえに株価が低迷しているのか、どなたかご存知の方がおられましたらご教示くださると
幸いです。
Posted by: hiroswim | September 05, 2006 03:01 PM
hiroswimさん
コメントありがとうございます。
胸中お察しいたします。
小生、株は素人なので、立ち入ったコメントは差し控えさせていただきます。
流通株は一般的に、既存店売上前年対比連動が常識なんですが、やはり外国投資家あたりが動くとわかりませんからね。
これからもよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | September 06, 2006 02:25 AM