トップショップのデザイナーインキュベーション
今週月曜日から、繊研新聞に、9月から原宿ラフォーレでの実験出店が決まったイギリスのヤング向けファストファッション(ハイストリートファッション)チェーン、TOPSHOP(トップショップ)を紹介する連載記事「トップショップをひも解く」が掲載されています。
トップショップの旗艦店、世界最大のファッションメガストア、オックスフォードサーカス店は、業界でも有名な、ロンドンの定点観測地であり、私もかつて、年に2回通ったのを思い出しながら、興味深く読ませていただいております。
8月2日の連載3回目の記事では、同社が、単なるトレンドファッションのトレードオフ(売れ筋商品の不要なデザイン部分を簡略化し、コストを安く上げること)から脱却し、独自性を発揮してきた奇跡が綴られており、いろいろ学ぶべきことが多いと思います。
特に、同社が、ストリートのリアルタイムな売れ筋を追求するだけではなく、新鋭デザイナーとの継続的な提携、インキュベーション(育成)的な役割を果たすことによって、(おそらく安価に)新しいデザインの情報発信を手がけているところに感銘を受けます。
日本の著名クリエーターとの単なる「コラボ」や、話題性だけのために、素人やデザイン専門学校生の作品を商品化するのと大違いの、プロファッショナルな取り組みだと思います。
本来、トレードオフを得意とする、カテゴリーキラー(業種ディスカウンター)は、その特性、オペレーション上、「本物」を越えることはできなかったはずです。
しかしながら、トップショップにしても、H&M(ヘネス&モーリッツ)にしても、ヨーロッパコレクションのトレンドを市場最低価格で販売するだけにとどまらず、内外のデザインチームをうまく駆使して、価格を抑えながら、ファッションリーダーになりえる可能性を秘めているわけですね。
ある意味、世界の業界にとって脅威では・・・と思ったりします。何せ、クリエイターではなく、ビジネスパーソンたちがそれをやるわけですから・・・。
日本のユニクロもニューヨークの勝田さんを中心にそんなプロジェクトも視野に入れて活動中の模様です。しかし、スポットの使い捨てなのか、インキュベーションなのかで、その発想と未来は違ったものになってくるはずです。
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