単品平場と自主編集売場
10月20日の日経新聞と繊研新聞に衣料改革に取り組むダイエーの記事が掲載されています。
てっきりダイエーは衣料売場はユニクロに任せるのかと思っていましたが、樋口社長が退任され、丸紅から西見社長が来られて、「衣料に再チャレンジする」と方向転換があったものに連動する動きのようです。
日経の記事は既存量販向け単品志向メーカーとのNPB(ナショナルブランドのラベルを使ってその店だけのオリジナル商品を作る)の取り組みについて、繊研新聞の方は、業務提携した丸井の指導による自主編集売場作りに関するものです。
記事によると、ダイエーは、今後、社内で「平場」という呼称をやめ、「自主編集売り場」に統一するとのことです。
最近、百貨店からGMSまで、今までメーカーに任せていた「単品平場(ニットならニット、ボトムならボトムとアイテムごとに集積している売場)」を「自主編集売場(小売側が自社独自のテーマやコンセプトにあった商品を集荷し編成した売場)」にする傾向があるようです。
お客さんは当然「自主編集」だと思っていたのに、実は百貨店やGMSは棚を割り振っているだけで、品揃えはメーカー任せだったなんて知らずに買い物しているわけで、いまさら「自主編集」と言うのも面白いなと思いながら静観しております。
ちょっと意地悪な言い方をしましたが、百貨店やGMSの意図は、単品集積売場ではなく、テーマ、テイスト、コンセプトに基づいて、「トータルコーディネート提案する売場」、という意味で「自主編集」という言葉を使っているわけですね。
売場をアイテム(単品)を切り口にするかテイスト(コーディネート)を切り口にするかは、とても大きな違いがあり、簡単にできるものではない、よっぽど覚悟をして組織を変え、時間をかけないと、なかなかうまくいかないと思っています。
なぜならば、百貨店の平場、GMSやチェーンストアのほとんどの売場においては、もともとのサプライチェーンそのものが、単品平場向けに成り立っている、すなわちメーカーは実質専業メーカー(アイテムごとに特化した)が多く、仕入体制もバイヤーはアイテム別に置かれている、という実態があるため、既存のメーカーからの集荷仕入れだけで、テイストやコーディネートを切り口にした売場を構成するには、至難の業、相当のセンスと技術を要するだろうと思うからです。(ユニクロのg.u.もこのジレンマに陥りそう)
そんな中で、イオンあたりはコーディネートを重視して、オリジナル企画製造の取り組みを始めているようですが、ダイエーは従来の取引メーカーへ依存する形で売場の小手先で対応しようとしているようで、結果は火を見るより明らかな気がします。
いずれにせよ、顧客の顔が見える自主編集売場であって欲しいものです。
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