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November 12, 2006

ユニクロNY旗艦店オープンの狙い

 今週のNYは、ファッションビジネス界にとっては、とてもホットな週だったかもしれませんね。

 まず、11月9日(木)は、世界のファストファッションSPAの雄、H&M(エッチアンドエム)のコレクションデザイナーコラボシリーズ3年目、Viktor&Rolf(ヴィクター&ロルフ)カプセルコレクションが世界同時発売され、例年通り、NYの店舗でも夜明け前からの開店待ちの長蛇の列とオープン数時間での完売商品の続出。

 今回は、349ドルのウエディングドレスが目玉だったようで、開店後2時間後にはeBayのオークションにも倍の値段で出品されていたとか。

 相変わらず業界変革へインパクトを与え続けるH&Mには脱帽です。

 参考URL
 Viktor&Rolf for H&M
 H&M NY販売当日の様子
 H&M London販売当日の様子
 
 NYのファッションフリークがH&Mの店頭で興奮した翌日、11月10日(金)、ユニクロの世界最大店舗、ユニクロSOHO店がH&M SOHO店のすぐ近くにオープンしました。

 ファストリ海外戦略の今後を占う大投資にアメリカメディアも注目しているようで、ネット上にもいろいろ記事があり気になるコメントを拾ってみました。

 ○以前のプレスリリースの通り、「高品質ベーシックカジュアル」をアピール
 ○カシミアセーター99ドルが重点販売商品
 ○日本のGAP。価格はGAPとOLD NAVYの中間。
  品質は確かにその両者よりもよい。
 ○比較対象となっている現地SPAは全体イメージとして、OLD NAVY、
  ベーシックアイテムということで、American Apparel、外資低価格SPAということで
  H&Mの模様。
 ○低価格のベーシックカジュアルとなると、最近ファッション化している
  WALMART他ディスカウンターのNBと比較される危険性が指摘されている
  (これはUKでもそうでしたね)。
 ○ZARA、H&Mが5年でようやく黒字化したアメリカマーケットで2年で黒字化の目標
  には無理があるのでは・・・

 画像付で様子がわかりやすいのは、こちらのブログでしょうか。英文ですがユーザーのコメントもついていて参考になります。

 Gothamist

 いずれにせよ、アメリカに「すでに存在するもの」で勝負しようとしていることはアメリカマーケットサイドのコメントからも明らかで、本事業の黒字化には相当時間がかかりそうですね。

 むしろ、NY旗艦店オープンの目的のひとつにもなっていますが、ファストリの大資本をアピールすることで、いい人材が集まったり、アメリカの企業を買収し、既存事業プラス人材で海外事業の目標を達する方が現時点では、現実的な気がします。

 しかしながら、違う文化の中で、買収企業をマネージする手腕もまた大変なことですね、日本でもまだ成果が出ていないのに・・・  

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Comments

たまたまNYに滞在していて、オープン初日に行きました。
かなり辛口なご意見のようですが、
私は、案外いけるのではないか?という気がしました。
(2年間で黒字化できるとか、そういう専門的な話は分かりませんが、
ある程度、NYの人に認知されると言う意味で)

理由その1は、「色」を前面に出していること。
チェックのシャツやダウンジャケットなど
カラフルな色は、意外に競合店には少なかったからです。
(アメリカンアパレルに近い部分ではありますが)
そして、ラルフローレンみたいに、
「色ごとに陳列」しているのが、斬新でした。

理由その2は、商品が意外にかっこいい=トレンドを押さえていること。
その意味では、ディスカウンターのNBとは
まったく競合しないように思いました。
どちらかというとH&Mあたりに近い感じがしました。
値段も近い。でも、格段にものがいい。
(H&Mは、安くてトレンド感があるけど、生地感や縫製が悪い印象を受けました)

かっこいいという意味では、具体的には、
「白のレザーのライダースジャケット」なんて、
かなり格好良かったし、
スキニージーンズもイケていると思いました。
ユニクロ=ベーシックという見方は
少し古いかなという感じでした。

普通のアメリカ人の多い郊外ではあまり評価されないかもしれないけど、
目が肥えた人の多いNYでは案外イケるように
思いました。

ちなみに、私はユニクロ関係者ではありません。
これは第三者の素直な感想だということを
お断りしておきます。

Posted by: KEN | November 13, 2006 11:18 PM

KENさん

現地の実際のお店を見た上でのコメントありがとうございます。
とても参考になります。

大方の記事を読んでいると、実際、柳井会長自身が強調されているように、「ベーシック」がアピールされていますが、今日、目にした他の記事によると、どうやらKENさんがおっしゃっているいるように、NYに本拠があるファッション性のあるユニクロデザインオフィスの企画商品がフルラインで入っているようですね。日本でもこの秋、とても評価が高い商品群です。

白のレザーのライダーズジャケットなんて、Sounds good!じゃないですか。

辛口だったかもしれませんが、もちろん私も、世界の強豪が集うNYで、日本のユニクロが試行錯誤しながら、どんな風に「ポジショニング」を果たして行くかが楽しみな一人です。

これからも気がついたことがありましたら是非コメントください。

どうぞよろしくお願いいたします。

Posted by: taka | November 14, 2006 12:02 AM

こんにちは。LAビジネスウォッチャーズのJOEです。

ユニクロがアメリカでどう受け入れられるのか私も非常に楽しみにしています。ZARAやH&Mがアメリカ市場でかなり苦戦したという話を耳にしたり、ここロサンゼルスに進出したFamima!!(ファミリーマート)が苦戦している様子を目のあたりにすると、アメリカ進出というのはそう簡単ではないのかなと思いますが、ユニクロには何とか成功して欲しいと思っています。

Posted by: LAビジネスウォッチャーズ | November 14, 2006 10:48 AM

JOEさん

いつもありがとうございます。

アメリカマーケットでの成功は、難しいかもしれませんが、しぶとく取り組んで、何かを掴み取って欲しいですよね。

今日の繊研新聞の一面にユニクロ NY SOHO店オープン関連記事が出ていました。

記事によると、オープン初日は24台のレジがフル稼働で大盛況だったようです。

柳井さんや堂前さんは盛んに「高品質のベーシック」を叫んでいますが、それではアメリカの生活者にとっては、「品質のよいGAP」を今更か?という気になってしまいますが、コメントを下さったKENさんがいうように「品質のよいH&M」が出来るのなら、アメリカでもポジショニングが図れるのではないかと思いました。

皆さん、これからもアメリカの肌で感じた情報、どんどんお寄せください。

よろしくお願いいたします。

Posted by: taka | November 14, 2006 10:29 PM

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Tracked on November 26, 2006 11:23 AM

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