紳士服チェーンの「閉店セール」
11月20日の日経MJに紳士服チェーン大手4社(青山商事・AOKIホールディングス・コナカ・はるやま商事)の中間決算の記事が掲載されています。
記事の内容は、4社の既存店売上高の明暗について。
高額商品の積極投入で客単価を上げた青山商事、全店の4割の店で行った閉店セールで客数を稼いだAOKIホールディングスの上位2社は売上を伸ばしたものの、セールを抑えて中間価格帯を増やしたコナカ、閉店セールを減らしたはるやまはともに客数減で前年割れ、と解説しています。
要は、閉店セールで客数を稼ぎ、高額品で客単価を稼いで全体的に売上を上げた青山商事のひとり勝ちのようです。
この解説で登場する「閉店セール」は紳士服チェーンおなじみの常套手段。
一般的に、小売店で、一番売れるのは「開店セール」、二番目に売れるのは「閉店セール」といわれています。(最近は閉店セールの方が売れるかな?)生活者が開店ゆえ、閉店ゆえのセール目玉品、処分品が豊富で商品が安い、という心理が駆り立てられ、売上が上がるという現象を利用したものです。
ホントに閉店する場合は「完全閉店」と言いますが、ちょっとしたレイアウト変更(お金をかけずとも什器を移動させれば済むもの)を行うだけの「改装のための閉店セール」、あるいは季節が変われば当たり前の「商品入替のため閉店セール」の「閉店セール」は生活者にとっては紛らわしいけども実際、チェーン側にとっては、集客効果があり、セール品の投入もともなってよく売れてしまうので、各チェーンも抜け出せない恒例、あるいは一種の麻薬とも言えます。大手になると、計画的にこのセールを組み込むわけですね。
近所の「洋服の青山」では年中「改装閉店」と「新装開店」の赤いノボリが立っているので、こちら側も麻痺しています。
最近は、生活者も「あそこ、またやってるよ」と割り切っていますが、このセールの多い少ないが明暗を分けるというのは、ちょっといかがなものかなぁ・・・現実とは言え、そろそろ閉店セールに頼らない売り方はないのかなと赤いノボリを見ては思うものです。
いつもお読み頂きありがとうございます。
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