H&M(ヘネスアンドモーリッツ)が日本に来るということ
12月12日の日経新聞につづき、13日に日経MJと繊研新聞にもH&Mの記事が取り上げられたり、複数のファッション系のブロガーの方々が私のエントリーを引用してくださり、H&M関連のエントリーにたくさんのアクセスを頂きました。
確かに、業界以外の方はもちろん、あるいは業界の方でもアジアやアメリカ西海岸くらいまでが行動フィールドであればH&Mに遭遇することは少ないでしょうし、凄いファッション企業が来るようだ、という感を受けるのみで、H&Mは「得体の知れない存在」でありましょう。
こう想像したらよいのかなと思います。
百貨店やセレクトショップ並のトレンドファッションが、流行の後追いではなく、それらの店と同じタイミングで、ヨーロッパ感覚のかっこいい内装の店舗に並び、ユニクロ価格で販売されている大型ファッションストアができる。
ファッション商品をマーケットに送り出すスピードと価格を重視しているので、商品単品を見ると素材や縫製にラフなものはありますが、マネキンを多様したコーディネート提案や有名人をモデルにしたライフスタイル提案型宣伝広告(←これユニクロがH&Mをベンチマークしたと言われています)は、生活者の購買心理を大いにくすぐり、ファッションの本質的なソリューション(=着用して人前に出ても恥ずかしくない)を果たしています。
つまり安いけどダサくないのです。
そんなお店が出来たらみなさんはどうしますか?という話です。
ここから視点を日本のアパレル業界サイドに置き換えます。
かつてユニクロがブームを引き起こし、アパレル企業各社が一番安定的に売れる『ベーシック定番商品』というゾーンを根こそぎ持っていかれた時に各社が学んだことは何だったでしょうか?
今度は、H&M来襲が意味すること、すなわち毎シーズン各アパレル企業が打ち出すべきメインディッシュである『シーズントレンド商品』を、市場最低価格で大量に販売してしまう、ファッションリーダーにも支持される大型チェーン店が都心部に次々にできたら御社はどうしますか?という命題だと思います。
H&M日本進出まであと2年、この命題を通して各ファッションストアやアパレルブランド各社がそれぞれ
自分たちは生活者にとってどうあるべきか・・・
ポジショニングから品揃え、サービス、仕事のやり方まで今一度見直すよい機会になればと思っています。
そう、少なくとも、日本のファッション企業は、H&Mよりも日本人であるがゆえに日本の国民性を理解し、生活者の近くにいる、という極めて強いアドバンテージを持っているはず。そのアドバンテージを活かせば負けることはありませんよ。
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Comments
この前もコメントを書き込んだ台湾の留学生aliceです。
日々takaさんのブログを拝見していて、毎日新たな知識を身に付けていくと感じます。
現在日本のファッションマーケットではZARAが外資SPAのダントツだと思いますね。
二年後のZARA vs H&Mの対戦はどうなるかは期待できる事です。
日本はやはり欧米マーケットとはかなり違うし、近隣のアジア諸国との状況も比べられないと思います。しかし、パリでのZARA vs H&Mの白熱的な状況は日本でも上演すると自分は思います。
当初H&Mの中国進出のことを存知し、うらやましぃ!と思いました。(笑)
今後の日本ファッション業界の展開が楽しみです:)
takaさんも頑張ってくださいね!
Posted by: alice | December 17, 2006 03:26 AM
aliceさん
いつもお読みいただきありがとうございます。
また、コメントありがとうございます。
そうですね、今はゆっくりと上の方から日本のマーケットを攻めているZARAがH&M日本進出で本気モードになり、両社の激戦が加熱し、日本のマーケットに影響することは十分考えられますね。
いろいろと楽しみです。
これからもたくさん勉強されて、aliceさんが日本と台湾のためにご活躍されることを期待しています。
では、またコメントしてくださいね。
Posted by: taka | December 17, 2006 12:36 PM
今回 初めて書き込みさせていただきます。
motoです。
H&M日本進出の記事をみていてもたってもいられなくなりましたが、人材の募集などは既におこなっているのでしょうか?
もし詳しくお分かりになれば、教えて頂きたいと思います。
何卒宜しくお願いいたします。
Posted by: moto | July 16, 2007 12:03 PM
motoさん
コメントありがとうございました。
残念ながらそういった話は今のところ耳に入ってきません。
一般的に、外資は幹部あたりからヘッドハンター経由で隠密に始まり、オープン数か月前になれば店舗スタッフなどの募集も公に始まるかもしれません。
また、気がついたことがあったらコメントしたいと思います。
これからもよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | July 17, 2007 12:20 AM