ファッション流通で総合商社の資本提携が相次ぐ
12月5日の日経新聞、6日の日経MJ、繊研新聞に総合商社の伊藤忠商事が、靴専門店チェーン「Asbee(アスビー)」などを展開するツルヤ靴店が年内に行う第三者割当増資を引き受け、発行済み株式数の4.99%の株式取得することに関する記事が掲載されています。
これにより、ツルヤ靴店と伊藤忠商事は商品と物流に関する業務提携を行うとのことです。
ツルヤ靴店は、これに先立って、昨年12月には、イオングループとのショッピングセンター出店に関して資本・業務提携を行っており、同社は、郊外立地展開の業界トップのチヨダ、都心部&SC中心の業界2位のABCマートが2大ガリバーとなった靴流通マーケットで、大手との提携により追撃をかけようとする政策です。
特に、TBS株大量取得でも話題になったABCマートグループのマーケットでの猛威は靴業界のみならず、ファッション流通全体が脅威に感じているところではないかと思います。ABCマートの一人勝ちを許さない対抗勢力作りという意味で、ツルヤの選択は業界もとても興味深く注目しているのではないかと思います。
渋谷・原宿や池袋など都心出店しているABCマートやAsbeeの店頭は昔からよくチェックさせていただいていますが、個人的には、ABCマートのPBブランドよりもAsbeeのPBブランドの商品完成度を評価してますので、今のところ規模の差は歴然としていますが、がんばって欲しいところですね。
また、同じく5日の日経新聞に三井物産がプラザスタイル(旧ソニープラザ)の持ち株会社スタイリングライフホールディングスの株式を15%取得し、包括的な業務提携をすることに関する記事が掲載されています。
内容の詰めはこれからのようですが、これらは総合商社がファッション流通の小売事業に食指を伸ばしてきている事例だと思います。
かつて、食品問屋再編、大手GMSとの提携からコンビニへの資本参加まで食品業界では、総合商社の参入が相次ぎ、系列図も決まり、一段落した模様ですが、来年以降、上記のように、もっとも生活者に遠いところで活躍していた商社がファッション流通においても生活者最前線のリテールビジネスまで下りてくるケースが増えてくると予想されます。
商社には潤沢な資金と優秀な人材が豊富であり、こういった資本参加が今後ファッション流通を活性化するのではないか、と期待しております。
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