衣料品改革が裏目に出た米ウォルマート10年ぶりの減収
12月1日の日経MJに、今年の11月度、1996年4月以来10年ぶりに既存店月度売上高前年対比が0.1%マイナスの見込みとなったウォルマートの衣料品改革についての記事が掲載されています。
同社は、同社自身のイメージ向上やライバルであるディスカウントストア全米2位のターゲットのファッション性のあるマーチャンダイジングへの対抗策として、ファッション性を高めた衣料品改革を行って来ましたが、これまでの結果は、新商品群がうまくいっていないばかりか、ベーシック商品を求める既存顧客の客離れを引き起こし、苦戦している模様です。
リー・スコットCEOは、あまりに性急すぎたということで、今後、ベーシックを充実させる方向に戻すとのコメントをされているとのことです。
世界最大手の小売業、常勝ウォルマートでもこのようなケアレスミスをするのだな、と記事を読んでおりました。
これは、アパレル業界でもよくある話で、経営トップが「来シーズンはファッション性を強調する!」と掛け声をかけると、ベーシック商品が手薄になり、客数減による売り上げ減を引き起こすという現象で、私も昔痛い目にあったことがあります。
一般的に、ファッションの企画、バイイングに携わる人間は、ベーシックよりも先端を行く新しいファッション性の高い商品を品揃えたいと思うものですが、固定客の多くは「その店(あるいはブランド)のベーシック」を求めていたりします。それをうまくバランスをとるのがファッションビジネスなのですが・・・。
99年から2000年にかけて、ユニクロブームがあった時に、アパレルリテール企業各社が、価格競争だけでなく、「ユニクロとの差別化!」をぶち上げ、独自のファッション性を追求し、ベーシック商品の品揃えを怠った時期がありました。結果は、言わずもがな、多くの企業が売上前年割れを経験したと記憶しています。理由は各社ユニクロの方を見ていて、顧客を見ていなかったわけですから当然。
翌年以降、それに気づいて品揃えを見直し、各社回復に向かったものです。
保守的な品揃えであれ、とは言いませんが、新しいものも大事だけれど、まずは「お客さんがウチに求めている品揃えって何?」を履き違えないで考えるいい経験になったのではないか思います。
今回のウォルマートの事例も、「生活者の方を向いて期待に応える仕事をしよう!」の教訓になりそうです。
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