福袋に期待するもの
新聞の記事や、新年の世間話を通じて、都市部の百貨店、ファッションビルの初売りは昨年ほどの爆発力はなかったものの、人気店では福袋が初日数時間で完売、セールの一部前倒しとの連動で大方前年クリアということでまずまずのスタートだった模様です。
ところで、福袋は従来、何が入っているかわからない楽しみ、価格以上のバリューに期待して、当たり外れも覚悟して買うものでしたが、昨今、年末のうちから中身を公表したり、店頭では、中身を見せるのが当たり前になってきているところもあるようです。
正月三が日に、近所の大手量販店の特設売場や衣料コーナーでも、毎年おなじみのサーフ系、スポーツ系、人気キャラクター系のライセンスブランドアパレル福袋を山積み販売していました。ブランドごとに中身をすべてディスプレーして、どれも中身は同じ、これらが入ってます、お買得でしょう、とばかりバリュー感をアピールしていましたが、これには、少々考えさせられました。
近郊からわざわざ都心部に買い物に来る希少ブランドショップの福袋ならまだしも、小商圏でのこの売り方はいかがなものかと・・・
何が言いたいかというと、ちょうど、その答えが、1月8日の日経新聞、政府や企業は本当に生活者の「家計」のことを考えているか?を問題提起をする新年連載コラム「ニッポンの家計 イエコノミー」の最終回。またしても、しまむらの藤原会長のコメントの中にあったので引用させてもらいたいと思います。
安いだけでは売れない時代に、日本全国1000店舗超、小商圏で業績を伸ばし続けているファッションセンターしまむら。低価格の普段着を主軸に大量販売している同社も、全体の6割のコモディティ商品に対して、4割を占めるファッション商品は、
「同じ店に同じデザインは一着しか置かない」
ことをポリシーにしている、というのは業界でも、有名な話。(実際には、店間移動で同じ商品が集まってくる店は例外としてありますが)
その理由は至って簡単、
「だって入学式で同じ礼服を着た人と隣り合わせたら気まずいじゃないですか。」
と藤原会長。
実は、うちの小学校3年生の娘も、上述の量販店に洋服を買い物に行くと、「あっ、これ学校で着ている人がいるからイヤ」と言います。
同じ小商圏で、中身を見せながら同じ服の入った福袋を大量に売る量販店と、礼服と言えども、同じ商品を二着と置かないしまむら。これ、どちらが生活者のことを、あるいは、ファッションの本質を思いやっていると思いますか?
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