アパレル商品のリサイクル
2月20日の日経新聞、21日の日経MJにユニクロ、高島屋などのファッションリテール企業が生活者が不要になったアパレル商品を店頭で無料回収し、着用可能なものは、世界の難民施設に贈り、不能なものは、素材をリサイクル原料に加工することに取り組み始めた事例を紹介しています。
また、日経MJの記事には、店頭回収のみならず、一般的にブランド企業では、シーズンを終え、売れ残ったアパレル商品を廃棄、焼却したりしているものですが、単に焼却するのではなく、ポイント社のように固形燃料などに再利用し、環境問題に配慮する取り組みも紹介されていました。
アパレルリテールマーケットは10兆円弱と言われていますが、年々金額的には縮小するマーケットの中でも、ユニクロやしまむらをはじめ低価格商品を販売する企業の躍進によって、点数ベースでの販売量は増えているのではないかと思われます。
そうすると、生活者の箪笥あるいはクローゼットはシーズンごとに商品が増えるわけで、ファッション企業の新しい商品の提案が短サイクル化する中で、新しい商品を買うために収納スペースを作るという生活者の悩みも大きくなるわけです。
生活者の行動パターンは、
○良いものを大事に長く着る
○(ファッション性の高い)新しいものを安く手に入れ毎シーズン買い換える
○およびその使い分け
が主流だと思いますので、
記事が言っている大手上場企業の株主対策としてのCSR(企業の社会的責任)だけではなく、インフラとしてこういったファッション商品のリサイクルは必要になってくると思います。
欧米古着を、若い人がファッションとして取り入れることは一般的になっていますが、たとえばアメリカでは、次のようなリサイクルインフラが整っています。
○教会関係団体が使わなくなった商品を回収
○生活者は寄付(ドネーション)として積極に提供、確定申告の控除対象でもある
○教会団体が洗濯工場やラグ(古着を仕分けしている会社)に回し
○アメリカ全土にあるスリフトショップ(リサイクル店;主に低所得者層が利用)に販売
○あるいは中南米、アジア、アフリカの難民の多い国に贈る
という流れが出来上がっています。
本論とは関係ありませんが、ちなみに日本に入って来る古着は3番目の場所に直接買い付けに行くか、そこから更に買い取って古着ショップ向けに品質グレード分けをしている企業に買い付けに行く手法をとっているわけです。
いずれにせよ、そういったインフラがない日本では、小売業がその役割を果たすしかないでしょうね。それが社会的責任にもなりますし、店頭で不要商品を無料回収することによって、お客さんに来店いただければ、また新しい商品を買っていただけるという来店動機にもつながりますから。
今後こういった動きがどこまで広がるか注目しています。生活者にとっては、持って行くのも面倒ですから、何か背中を押してあげる動機につながる努力も必要かもしれません。
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